おばあちゃんと縁側で。そこにいつもあった温かさとやさしい甘味…。
6月16日は「和菓子の日」。平安時代、疫病平癒と健康招福を願い餅などをお供えしたのが由来といわれています。それに先立ち、県内人気和菓子店5店をご紹介します。
…思い出と共に四季折々、味も見た目も繊細な逸品をご賞味ください。
【佐野】味噌まんじゅう新井屋
愛され続ける〝みそまん〟

1929年(昭和4)年創業。看板商品は初代が考案した秘伝の「味噌まんじゅう」。つぶあんとこしあん、数量限定の白あんの3種類(各118円)。
黒糖の薄皮に隠し味でみそを使っているのが特徴ですが、みその味は目立たず、程よい甘さでしっとり。丁寧に練り上げたあんの口当たりと共に絶妙な味わいです。「作りたてが一番おいしいので、購入後はすぐに食べてもらいたい」と話す3代目の野部武典さん。
スタッフが着用している「つぶあん派」、「こしあん派」のTシャツは、お客さんとの楽しい会話のきっかけにもなっていると言います。看板にも掲げる〝心楽し〟は、伝統の味だけでなく店の雰囲気にも受け継がれています。


佐野市吉水町1124-1
☎0283-85-8110
月曜休(祝日は営業、翌日休み)
Ⓟ13台
【高根沢】朝日屋本店
5種の味と食感を楽しんで

大正時代から愛され続けている名物「きんとんまんじゅう」や人気の「あげもち」、季節の和菓子など約30種類を販売しています。商品はいずれも保存料不使用なので、お子さまも安心して食べられます。
一押しはこれからの季節にぴったりな、くずを凍らせた〝溶けないアイス〟「くずバー」です。「サイダー」「柚子」「抹茶」「イチゴ」「梨」の5種類(各250円)。凍ったシャリシャリ感を味わうのもよし、溶かしてゼリーのようなぷるぷるの食感を楽しむのもよし。
上質な素材と製法にこだわってきた同店。おいしさを追求するアイデアを大切にしながら、同店は「これからもだんらんのひとときをお手伝いします」と話します。

高根沢町宝積寺2368-6
☎028-675-0030
午前8時~午後6時半 元日休
Ⓟ20台
【宇都宮】御菓子司 桝金 (戸祭元町店)
LRTが描かれた どらやき

創業150年を超える老舗の菓子店。伝統を守りながら、時代に合わせた菓子作りに挑戦し、普段のおやつから大切な方への贈答品まで、お客さまに喜ばれる菓子店を目指しています。
「名物どら焼き」や「特製昔ながらのあんみつ」など、数ある商品の中でも一押しなのが、次世代型路面電車(LRT)の開業を記念した新商品「宇都宮ライトラインどらやき」(185円)。
しっとりやわらかい皮の表面には、LRTをデザインした焼き印が。北海道産白小豆をサンドした口当たりの良いどら焼きに仕上げました。宇都宮のお土産として、また一家だんらんのお茶請けにもご愛用ください。

宇都宮市戸祭元町1-1
0120-275030
午前9時~午後6時 無休
Ⓟあり
※上戸祭店、宇都宮駅ビルパセオ店もあり
【小山】山本屋菓子店
上品な甘さと食感「豆大福」

創業約90年。田園風景が広がる住宅街の一角にあり、平日でも客足が絶えません。ショーケースには色とりどりの和洋菓子が並びます。
毎年季節を問わず売れる同店人気の和菓子があります。現在、3代目店主の三瓶雅史さん(56)が作る「豆大福」(1個150円)は、もち米の中でも最高峰と言われる新潟産「こがねもち」を使用。杵でついてやわらかくした餅に包まれた甘すぎないつぶあんと、丁寧にふかして塩漬けにした北海道産の赤えんどう豆の食感、塩味が良いアクセントになって全体的に上品な甘さに仕上がっています。家族や友人への手土産にもお薦めです。駐車場には、看板商品の「黒糖生どら焼き」が買える冷凍自動販売機を設置しています。

小山市下石塚352-1
☎0285-38-2011
水曜・月2回火曜休
Ⓟ20台
【宇都宮】下野菓子処 宇都宮 うさぎや
限定販売「嘉祥まんじゅう」

今月16日までの1週間の限定販売。「和菓子マーク」の焼き印が入った「嘉祥(かじょう)まんじゅう」(119円)。みそを練り込んだ生地でこしあんを包んだみそまんじゅうです。
平安時代に菓子や餅を神前に供えて疫病退散を祈願し、元号を「嘉祥」と改めたことが「和菓子の日」の始まりとされています。健康と招福を願いながら、「嘉祥まんじゅう」を味わってみてはいかがでしょう。
創業は1915年(大正4)年。書家・詩人の相田みつをが名付けた「チャット」(140円)が看板商品で、かわいらしい小鳥の意匠とバターを練り込んだ白あんの優しい味わいが郷愁を誘う宇都宮を代表する銘菓です。

宇都宮市伝馬町4-5
☎028-634-6810
水曜休
Ⓟ2台
お茶も一緒に楽しんで
県内産地に聞くおいしい入れ方
爽やかな香り、甘みとうまみが特徴の新茶の季節です。この時季ならではの味わいを、ぜひ和菓子と共に。県内有数のお茶処、大田原市須賀川で「黒羽茶」を製造する須藤製茶の須藤敦子さんと、那須烏山市大桶で「那須野紅茶」を製造する烏山製茶工場の清水和行さんに、それぞれ緑茶と和紅茶をおいしく楽しむための入れ方を聞きました。
引き立て合う最高の〝相棒〟
■黒羽茶
室町時代に由来する「黒羽茶」。有機質肥料を施した減農薬栽培の「やぶきた」をメインに加工した煎茶は、香りと味に優れ、深い余韻が楽しめます。

【入れ方】
深蒸しではない煎茶の場合。3人分で茶葉約10㌘。
❶沸騰させたお湯360㍉㍑を人数分の茶わんに入れて冷ます(約1分。80℃前後)。
❷茶葉(計量スプーン大さじ1くらい)を急須に入れる。
❸冷ました湯を急須に入れてふたをし、1分ほど待つ。
❹人数分の茶わんに順番に回しつぎ、最後の一滴までつぐ。※急須は揺すらない。
★2煎目は少し高めの温度で早めに入れる。
★お湯を注いだ急須の底にそっと手を触れられるくらいの温度が80℃。
黒羽茶は、トコトコ大田原内トコトコマルシェなどで販売。

(問)須藤製茶工場☎0287・58・0010。
優しい味わい意外にマッチ
■那須野紅茶
無農薬栽培の「やぶきた」を100%使用。手間をかけ丁寧に作られた、優しい味わいの紅茶です。どんな和菓子にもぴったりです。

【入れ方】
❶ポットやカップなどの茶器を温める。
❷茶葉(1人分2~3㌘)をポットに入れ、沸かしたての湯(理想は沸騰直前の98℃。ポツポツ泡が出たくらい)を高い位置から注ぐ。※酸素を十分に含んで茶葉のジャンピングを促し、香りやうまみを引き出す。丸いポットがお薦め。
❸5分ほど蒸らす。
❹回しつぎで最後の一滴までつぐ。
◆アイスの場合…常温の水500㏄にティーバッグを2〜3つ入れ、4〜5時間置く。
那須野紅茶は、山あげ会館、農産物直売所あぜみち(上戸祭・西川田・駅東・鹿沼店)、道の駅しもつけなどで販売

(問)烏山製茶工場☎0287・84・0471