「流通業界とアウトレットの役割」 チェルシージャパン社長 加藤拓男氏

下野新聞社が主催する第二回「しもつけ21フォーラム」が十四日、宇都宮東武ホテルグランデで開かれ、三月に佐野プレミアム・アウトレットを開業したチェルシージャパン社長の加藤拓男氏が「流通業界とアウトレットの役割」と題して講演した。

加藤氏によると、全国で二千六百十五店あるショッピングセンター(SC)の総売上高が約二十六兆六千億円に上る中、現在二十六カ所あるアウトレット施設のテナント売上高は約二千二百億円で、SC全体の0・8%にとどまっている。

SC全体の売上高はこの十数年間で三割減ったが、その間のサラリーマン給与が10%上昇したことなどから、加藤氏は「消費者の購買力は依然高く、求める価値を提供できれば、十分期待できる」と指摘。その価値を「質と価格と買い物体験の三要素をトータルしたもの」と定義付けた。

アウトレットの業態については「九十九パーセントの客がフルプライス(定価)で買い物する中、消費者に選択肢の一つを提供するのが役割」と説明し、国内のアウトレット業界は「成長初期から成長期に入る段階だ」との認識を示した。

アウトレットの将来性では、消費者が高品質のブランド品を常時、割引き価格で買えることや、ブランド側も利益を確保しながら在庫品を自らの手で処分できることを挙げた上で、加藤氏は「アウトレットでの買い物が消費者の新しい生活習慣として根付きつつある。一過性でなく、マーケットは大きくなる」とした。

加藤氏は一九四一年、北海道生まれ。六四年に小樽商科大卒業後、三菱地所入社。海外事業部長やロックフェラーグループ副社長兼最高投資責任者(出向)などを歴任し、九九年から現職。