芸術建築+グルメ ノスタルジックな秋 

秋も深まり、早くも晩秋の気配。静かに物思いにふける、そんな季節にふさわしく、落ち着いた場所で食事をしてみるのはいかがでしょう。県内には国の文化財に指定された建物で食事ができる施設があります。歴史を感じさせる重厚な雰囲気の建物のレストランを紹介します。

金谷ホテル   【日光】

100年以上の歴史が刻まれた本館(左)と新館。明治時期から多くの著名人が宿泊
 

1893(明治26)年に開業し、現存する西洋式ホテルとして国内最古の歴史を持つ同ホテル。2005年11月に、一部を除く本館、新館、別館、竜宮の4建造物が国登録有形文化財に登録されました。
特に本館には、開業当時ロビーとして使っていたメインダイニングルームがあります。ここでは本格フレンチが楽しめます。その上、今もなお残る円柱や柱頭彫刻を眺めていると、普段は感じない時間の重みさえも味わえます。
11月30日まで「秋のスペシャルランチ」を提供中。メーンは霧降高原牛と日光ニジマスから選択。スープやデザート付き(3600円)。

「秋のスペシャルランチ」の肉料理
メインダイニングルームと柱頭彫刻

日光市上鉢石1300    ☎0288・54・0001 午前7時半~同9時半(OS)、午前11時半~午後2時半(OS)、午後6時~同9時(OS)。コースは同8時OS。 無休。Pあり。

 

 

 

イタリア大使館別荘記念公園   【日光】

美しい景観と溶け合うように建つ、イタリア大使館別荘

美しい自然が広がる国際避暑地の中禅寺湖畔。2階建てのイタリア大使館別荘本邸は、1928(昭和3)年に建てられました。
設計は、旧帝国ホテル建築にも関わったアントニン・レーモンド氏で、湖の景観を生かした開放的な造りが特徴。特に、杉皮張りで作られた内外装は前例のないデザインとして、一般公開された2001年に国登録有形文化財に登録されました。

杉皮張りでさまざまな模様を演出している居間
イタリアンサイダーとクッキーなど。中禅寺湖を眺めながら

本邸の中には売店があり、購入者は隣の趣ある部屋で喫茶を楽しむことができます。エスプ
レッソ(330円)、クッキー(120円)などのほか、ヨーロッパから輸入した添加物なしのイタリアンサイダー各種(450円)もあり、異国情緒を満喫できます。

日光市中宮祠2482
☎0288・55・0880(日光自然博物館)
午前9時~午後4時 月曜休(祝日の場合は翌日)                   11月30日まで開館 大人200円、子ども100円

 

明治の館   【日光】

「乱れ石積み」の外壁が目をひく洋館。当時の空気感を今もなお触れることができます

明治後期、「日本蓄音機商会」のアメリカ人創設者、F・W・ホーン氏の別荘として建てられました。
3階まである建物の外壁はすべて「乱れ石積み」と呼ばれる技法が用いられ、日光石が敷き詰められています。表情豊かで当時の粋な外壁は、地元の石工、相ヶ瀬森次氏の手によって作られたことが分かっています。

ホーン氏が住んでいたダイニングや客間を生かした店内。暖炉も健在
一番人気の「オムレツライス」。日本人の口に合う西洋風の日本料理(洋食)の代表

その後、時代の流れを経て、1977年に洋食を提供するレストランとしてオープン。2006年に、国登録有形文化財に登録されました。
一番人気メニューは「オムレツライス」(1600円)。コクのあるデミグラスソース、酸味のあるケチャップライス、とろける卵は専門店ならではです。

日光市山内2339
☎0288・53・3751
午前11時~午後7時半(OS)(冬期は午前11時半から)
不定休 Ⓟ80台

 

ALWAYSカマヤ   【栃木】

映画「ALWAYS三丁目の夕日」のロケに使われたことから店名は「ALWAYSカマヤ」。昭和レトロな趣を感じる建物
 

入口の両側にはトスカーナ風の角柱、上部や欄間には古典的な装飾が施された洋風の外観が印象的。1920(昭和9)年建造の旧足利銀行栃木支店の建物を再利用したレストランです。
銀行が移転後、市教育委員会庁舎として活用。老朽化で取り壊しも検討されましたが、創建当時の部分は保存。「昭和初期の典型的な銀行建築。文化財として貴重」と評価され、2008年に

天井が高く、落ち着いた雰囲気の店内
 
地元の野菜をたくさん使った「季節の野菜のバーニャカウダ」

国登録有形文化財に登録。その後、レストランに。
今月リニューアルオープン。メニューを一新。地元産の食材を生かした創作料理が味わえます。「歴史ある建物の雰囲気とともにお酒や食事を楽しんでほしい」とオーナーシェフの青木文紀さん。

栃木市万町15の25
☎0282・22・0457
午前11時~午後3時、午後5時半~ラスト 無休 Ⓟ10台
 

 

岡部記念館「金鈴荘」   【真岡】

2000年に県指定有形文化財に指定された岡部記念館「金鈴荘」
 

明治中期に岡部呉服店2代目岡部久四郎が建築材料を多年にわたって集め、大工、指物師は出入りの職人を3年間東京で修業させ、十年余の歳月を費やして建築しました。防火土蔵造、各部屋にある床の間は全て紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)が使用されています。
 襖(ふすま)は金箔(きんぱく)を5層に施

食事は1階の「あじさい」の間(17.5畳)
貴重な手吹きガラスと1本の杉の丸木の梁(はり)にも注目

しています。「金箔を使いながらも落ち着いた雰囲気があります」と真岡市文化課の赤羽岳美係長。手吹きガラス越しに回遊式の日本庭園が広がります。
 そんな空間で味わえるのは、フォーシーズン静風の保利真矢料理長が腕を振るう「花もめん膳」(2160円)と「もめん膳」(1620円)。

 
 

真岡市荒町2096の1
☎0285・81・7215(もめん茶屋)
午前10時~午後4時(会食は午前11時~午後2時、2日前までに要予約。3~25人まで)火曜休                   Ⓟ市まちあるき駐車場を利用

だしで味付けしたとろろ汁と麦ごはん、季節の盛り合わせが楽しめる「花もめん膳」
 

 

横山郷土館  【 栃木】

巴波川沿いに建つ横山郷土館

明治の豪商横山家の店舗兼住居、蔵、洋館、回遊式庭園からなる横山郷土館。建物は1998(平成10)年に国登録有形文化財に登録されました。
母屋は両袖切妻造と言う大変貴重な造りの建物です。当時は、向かって右半分で麻問屋、左半分で銀行を営んでいました。館内には帳場や金庫などがあり、当時の生活雑貨や美術品なども展示しています。

お食事ができる大広間

とちぎ江戸料理ランチプランは、大広間や新座敷で美しい庭園を眺めながら特製とちぎ江戸料理弁当(栃木グランドホテル、サンプラザ、じょりんぼのメニューから選択。1080円から。2人または4人から)が楽しめます。利用日の1週間前までに予約。

 

メニューの一例。鰯の鮓煮、霰(あられ)豆腐、鯰の天婦羅などが味わえるサンプラザ「蔵の街弁当B」(1620円)

栃木市入舟町2の16
☎0282・22・0159。
ランチは午前11時半~午後1時半 月曜休(横山郷土館の開館日に準じる) 要入館料・大人300円、中学生以下無料