
心ときめくパリ 思いをはせて
パリ五輪(7月26日~8月11日)の開幕まで、あと1カ月。4年に一度の〝真夏の祭典〟が近づいてきました! 今週から2週連続で、開催国フランスをテーマにした五輪特別企画をお届けします。第1弾は、県内で見つけた「とちぎのフランス」。おしゃれな雰囲気の中、フランスへ遊びにきたかのような気分をお楽しみください。
お気に入りの街の名を
パリ5区 宇都宮


宇都宮市下砥上町の宇都宮環状道路(宮環)にある「パリ5区」。樹林に囲まれた空間には、パン工房やキャンプ用品、チョークアート、フェルト作家の店などが点在します。
5区の生みの親は、敷地内でアンティークレースを扱う「ちゃまの店」のオーナー坂入史子さん(77)。約10年前に林を切り開き、小さなログハウスで同店をオープン。その後、8棟のログハウスを建て増し、〝パリの街〟が完成しました

坂入さんが、高原リゾートのような場所をあえて「パリ5区」と名付けたのは、パリ市の中でも学生街として知られる「5区」がお気に入りだったから。「ちゃま」は、初孫が坂入さんのことをそう呼んだからだそうです。「宮環沿いにあって、なんだか入りづらいという人もいるけど、みんなもっと好奇心を持って入ってきてほしい」と笑顔で呼びかけます。
ちゃまの店は、繊細で美しいアンティークレースがそろい、一歩足を踏み入れると、まるでフランスのアンティークショップを訪れたような気分に。昼下がり、ふらっと5区を訪ねてはいかが。

パリ五輪に一言
ちゃまの店
オーナーの坂入史子さん
セーヌ川での開会式がとても楽しみです。

ちゃまの店
宇都宮市下砥上町359の2
☎090・3408・6668
午前11時~午後5時
月・火・木・金曜休 Ⓟ40台
見応えのある調度品の数々
那須オルゴール美術館 那須


オルゴールの普及に努めた故・佐藤潔さんのコレクションを中心に、世界各国のオルゴール・自動演奏楽器を150点以上展示。フランス製の作品や調度品は存在感があり、随所にフランスを感じられます。

館内に入り目を引くのが、荘厳で美しいシュナイダー工房の「門扉」。チェース・マンハッタン銀行パリ支店の正面玄関で使用されていたものを移設しました。門扉の左右にある「子供像燭台」はフランスを代表する彫刻家アルベール=エルネスト・カリエ=ベルーズの作品です。 展示室では1920年代のフランス式オルゴール「バレル式ピアノオーケストリオン ジャズバンド」(C.ルーシュ社)などを展示。ピアノとパーカッション類の華やかな音を奏でます。展示品の演奏は1時間に2回。
また館内の家具や調度品、外の案内板や外灯も、フランス製です。



パリ五輪に一言
取締役社長の越口将也さん(35)
バレーボール好きな祖母と一緒に、
バレーボールの応援をしたいです。
代表の選手全員に期待しています。

那須町高久丙270
☎0287・78・2733
午前9時半~午後5時
休館日はホームページやSNSで確認を
大人1100円、中学・高校生800円、小学生600円
〝小さなフランス〟で非日常を
6月の森 オーベルジュ 佐野

自然豊かな唐沢山のふもとにあり、「私の小さなフランス」をコンセプトにした施設。レストランや結婚式場、ハーブガーデン、ブルーベリー農園などがあります。フランスが好きなオーナーの小林由美さん(78)が、マリーアントワネットが過ごしたトリアノン宮殿に感化され設置。非日常的な空間が広がっています。

「レストラン ピトレスク」では、東京でフレンチを学んだシェフのフレンチコースが味わえます。レストラン利用者が散策できるハーブガーデンがあり、これからの時季はラベンダーやカモミールが見頃に。「チャペル セントローレンス教会」もあり敷地内でフランス気分が味わえます。またブルーベリー畑では、ブルーベリー摘みができます(料金は季節によって変動)。


パリ五輪に一言
ブルーベリー担当の小倉翼さん(22)
学生時代から卓球をやっていますので、
卓球を楽しみにしています。
張本智和選手、張本美和選手にメダルを期待しています。

佐野市富士町963
☎0283・21・4911
レストラン正午~午後1時半ラストオーダー(LO)、午後5~8時(LO) 要予約
ブルーベリー農園午前10時~午後5時
その他の時間はホームページで確認
火曜休
〝おふくろの味〟楽しんで
レストラン Aラボンヌママン 鹿沼

店名に込めたのは、フランス風〝おふくろの味〟。おなかを満たしてくれる家庭的なフレンチと自然体なオーナーシェフの出光良資さん(52)、桂さん(51)夫妻のもてなしが魅力です。桂さんが描いたメニュー表のイラストには、パリの雰囲気が漂います。
人気メニューの中でもフランス料理の定番といえば、ランチセットの「カモのコンフィ」(2500円。オニオングラタンスープ、サラダ、パンかライス、シャーベット、飲み物付き)。マリネしたカモ肉を80~90℃の低温で4時間かけてやわらかく仕上げています。
出光さんは「食事をして楽しい時間を過ごしてもらえること。それが何よりうれしい」と話します。

パリ五輪に一言
柔道の阿部一二三さん、詩さん兄妹を応援しています。ワァーッと喜びの感情を爆発させる姿を見たいですね。
鹿沼市栄町1の3の9
☎0289・63・5131
正午~午後2時半、午後6時半~9時(ランチ、ディナーとも満席になり次第オーダーストップ。予約がお薦め)
月曜休、臨時休あり(詳しくはインスタで) Ⓟあり

カルトナージュ

布を貼りドレスアップ
厚紙で組み立てた箱などにリネンやコットンの布、紙を貼って装飾するフランスの伝統工芸「カルトナージュ」。きっかけは、布を〝貼り付ける〟という未知の技法との出合いでした。子どもの頃から洋裁が好きで布は身近なものでしたが「縫うものだと思っていた布をこんな風に貼り付けることに衝撃を受けました」
真岡市の庄司由佳さんが主宰する「つぐみカルトナージュ教室」で学び始めてから9年。作品はトランクボックスやクリップボード、ノートカバーなど多彩です。 「先生がとても丁寧に教えてくれ、楽しく制作しています。お気に入りの布で自分だけのオリジナルを作れるのが魅力」と話す月1回のレッスンは、大好きな布に触れる大切な時間。「お花とコラボした作品を」と思い描きます。