あなたを魅了する
マニア

 今週末から、ゴールデンウイークが始まります。まだ予定が決まっていない人も大丈夫! 県内にもすてきなスポットがたくさんあります。今週から2回シリーズで、美術館や博物館など鑑賞や体験ができる「〇〇館」を紹介します。1週目は、ご当地ものや、ちょっとマニアックな施設を集めた「気になる編」。


さむらい刀剣博物館
真岡

名刀をじっくり鑑賞して
名刀をじっくり鑑賞して
館長作、重量4㌔㌘の大太刀と宗徳さん(写真左)、道綱さん兄弟
館長作、重量4㌔㌘の大太刀と宗徳さん(写真左)、道綱さん兄弟

刃文の美しさなども必見!

いろいろな角度から刃文を鑑賞してみて
いろいろな角度から刃文を鑑賞してみて
さまざまなデザインのつばが並ぶコーナー
さまざまなデザインのつばが並ぶコーナー
刀剣女子にも人気の「さむらい刀剣博物館」
刀剣女子にも人気の「さむらい刀剣博物館」

 

刀匠のコレクションずらり

 刀匠である館長の柳田律夫さん(刀匠銘・福津久)が1994年に創設。現在は、国宝資料「七宝小太刀御拵(おんこしらえ)」をはじめ、重要文化財保存刀剣などの名刀60振以上がずらりと並び、時代を超えて光を放ちます。
 他に火縄銃や日本刀の外装の拵、よろい、つばなどを展示。数年前の刀剣ブームの際は、多くの〝歴女〟が詰めかけしました。
 古くは奈良時代ごろから続く刀の歴史。刀の奥深い魅力について、刀剣鑑賞が100倍楽しくなる動画「刀剣庵」でも発信しています(館内の解説文にQRコードあり)。また毎月第4日曜には刀を持つことができるイベントを開催。館長の息子で同館研究員の宗徳さん(41)は「刀の角度によって変わる刃文の美しさなどを知ってほしい」と話します。

★体験イベント
▼Samuhaku Golden Week Special
 5月3~6日正午~午後4時半。実際に刀を手に持つことができる。何が持てるかは来てからのお楽しみ。入館料で参加可。詳細は公式SNSで。

真岡市大根田20の9
☎0285・74・2846
午前9時~午後5時
㊡月曜(祝日を除く)  Ⓟあり
入館料1000円(中学生以下無料)

 

 

 

 

 

戦争博物館
那須

練習機と、管理運営を担う高根沢ふでさん
練習機と、管理運営を担う高根沢ふでさん

若い世代でも悲惨さ知って

高原リゾートの雰囲気漂う那須街道でひときわ異彩を放つ戦争博物館
高原リゾートの雰囲気漂う那須街道でひときわ異彩を放つ戦争博物館
すでに満州にいた栗林館長の実家に届いた赤紙
すでに満州にいた栗林館長の実家に届いた赤紙
終戦で不要になった鉄かぶとで作られた鍋
終戦で不要になった鉄かぶとで作られた鍋

 

平和願い戦争の記録後世に

 那須街道沿いにあり、戦車や戦闘機が置かれた野外展示に加え、陸軍館と海軍館、銃後の守り館の三つの展示館で構成。兵器や軍服、書籍や写真、レコードから日用品まで、戦争関連の資料約1万5000点を収蔵、公開しています。
 設置したのは、名物館長として慕われ、5年前に91歳で他界した「栗林白岳」こと栗林秀行さん。14歳で満蒙開拓青少年義勇軍として旧満州に渡り、終戦後はシベリアに抑留。帰国後は那須で飲食店を経営しながら「戦争の記録を後世に残したい」と戦争に関する資料の収集を始め、1983年に私財を投じて国内唯一の戦争博物館を開設しました。
 現在、管理運営を担うのは栗林館長の下で16年働いた高根沢ふでさん(70)。「あっちでも、こっちでも戦争が起きているせいか若い世代の来館者が多い。展示を通して絶対に戦争には関わらないことを伝えていきたい」と静かに話します。


那須町高久乙2725
☎0287・76・1510
午前9時~午後5時(4~12月)
㊡木曜(連休、夏休みは除く。12月~翌3月不定)
Ⓟあり
入館料大人(高校生以上)1000円、小中学生500円、各種割引あり

 

 

 

 

 

 

華雨蔵珍之館(かうぞうちんのかん)
足利

巨大な拓本が来館者を迎える展示室
巨大な拓本が来館者を迎える展示室

貴重な拓本など書道の手本に

拓本の採り方がわかる体験コーナー
拓本の採り方がわかる体験コーナー
東武足利市駅西側、モダンなグレーの外観。予約制のため、普段はシャッターが閉められています
東武足利市駅西側、モダンなグレーの外観。予約制のため、普段はシャッターが閉められています

 

孔子の教えにひかれ収集

 孔子の生誕地、中国山東省曲阜市にある世界遺産「三孔(孔廟・孔府・孔林)」。歴代皇帝が孔子をたたえて建てた記念碑から直に採拓した貴重な拓本をはじめ、書家・王義之の作品の拓本など約2000点を収蔵しています。
 拓本は21年前に亡くなった実業家の山浦啓榮さんのコレクション。一人息子を亡くしたことがきっかけで孔子の教えにひかれ、何度も曲阜市を訪れるようになりました。草の根から始まった交流は、さまざまな支援に発展し、その貢献に対する感謝の品として中国側から贈られたものです。
 山浦さんは、1989年に息子が好きだった星の名を冠した「公益財団法人アンタレス山浦財団」を設立。拓本は財団に寄贈し、私費で同館を建て、一般に公開。研究者だけでなく書家、書道愛好家も多く訪れています。

足利市田中町907の6
☎0284・71・0003
午前10時~午後3時
㊡土・日曜  Ⓟあり
入館料500円
※見学は事前に電話予約

 

 

 

 

 

カメラ博物館・写真はうす
茂木

1897年製、アメリカのフォールディングポケットカメラを手にする増野館長
1897年製、アメリカのフォールディングポケットカメラを手にする増野館長

自由に触れて重み、音 体感

ペンタックス「アサヒフレックスⅠ型(初期)」
ペンタックス「アサヒフレックスⅠ型(初期)」
1950年製、ロシアの「バルナックライカ」
1950年製、ロシアの「バルナックライカ」
1957年製、リコーの「ゴールデンステキー」
1957年製、リコーの「ゴールデンステキー」

国内外の製品1600台

 元ペンタックスの営業マンだった館長、増野茂さん(71)が自宅敷地で10年前に開館。所有する国内外のカメラコレクションの中から、同館で1600台を展示しています。
 また、同館とは別に建つ写真はうすでは、蛇腹カメラ600台と写真集3000冊を展示。写真集の70%は女性が被写体で、20%が風景、10%は専門書と言い、山口百恵の秘蔵写真集もあります。
 それら貴重なコレクションを自由に手に取って見放題というのが魅力。ペンタックスが1952年に初めて出荷した国産初の35㍉判一眼レフ「アサヒフレックスⅠ型(初期)」など、機種それぞれの重みやシャッター音も楽しめ、マニアのみならず感動があります。
 増野館長は「好きなカメラメーカーを見つけてください」と歓迎します。

★イベント情報
▼ミニカメラ展 ゴールデンウイークに合わせて。昭和30年代のミニカメラを50~60台展示。実際に手に取ることができる。


茂木町小深101の2
☎0285・61・1650
午前10時~午後5時
Ⓟ8台
入館無料(セブ島就学支援金の募金に協力を)
※見学は事前に電話予約

 

 

 

 

 

岩下の新生姜ミュージアム
栃木

イワシカちゃんグリーティングは一番人気
イワシカちゃんグリーティングは一番人気


ジンジャーがいいんじゃあ

ジンジャー神社。おみくじや絵馬、お守りなどあります
ジンジャー神社。おみくじや絵馬、お守りなどあります
 
県道31号線沿い、駐車場もたくさんあります

桃色生姜ワールドに漬かる

 「岩下の新生姜」をテーマにした展示やアトラクションが楽しめるミュージアム。ピンクとおいしいがあふれています。公式キャラクター「イワシカ」ちゃんのグリーティング(ステージや記念撮影)が人気です。土・日曜、祝日、5月1~6日の午前11時、午後2時、4時に開催。
 ミュージアムショップでは、定番からコラボ商品まで多彩に並びます。また「CAFE NEW GINGER」では、20種以上のメニューすべてに、岩下の新生姜を使用。くせになる味わいです。

★イベント情報
▼イースターイベント「ピンクのニュージンジャーイースター2024」
 5月26日まで。館内に隠された白い卵を探すエッグハント、プロジェクションマッピングやフォトスポットのイースターバージョン、カフェの期間限定メニューなど。


栃木市本町1の25
☎0282・20・5533
午前10時~午後6時(カフェは午前11時~午後5時半OS)
㊡火曜(祝日を除く)
Ⓟ86台 入館無料

 

 

 

 

 


らーめんミニ博物館
佐野

観光客だけでなく学生や地元の人まで興味津々、本物そっくりの佐野らーめんの展示。店選びに便利なキャプション付き
観光客だけでなく学生や地元の人まで興味津々、本物そっくりの佐野らーめんの展示。店選びに便利なキャプション付き

らーめんに恋をして♪

らーめんミニ博物館のある佐野駅前交流プラザ「ぱるぽーと」
らーめんミニ博物館のある佐野駅前交流プラザ「ぱるぽーと」

ずらり28店 好み見つけて

 佐野駅前交流プラザ「ぱるぽーと」の観光案内所に14年前から常設されている「らーめんミニ博物館」。人気のご当地グルメ「佐野らーめん」を提供する市内28店舗のラーメンのサンプルがずらりと並びます。
 本物そっくりの実物大で展示。同じ佐野らーめんと言っても、見た目も味も千差万別。店選びの参考となるよう、住所や電話番号などの基本情報に加えて麺やスープ、具の特徴から、創業年数や女性に人気のメニュー、デザートの有無まで店のアピールポイントが書かれたキャプション付きで紹介しています。

佐野市若松町481の4(佐野駅前交流プラザぱるぽーと内)
☎0283・27・0005
午前9時~午後7時
㊡なし Ⓟあり
入館無料