ひとつ屋根の下

シェアショップ探訪

 曜日や時間帯などによって、いろいろな店が一つの空間や店舗を共有する「シェアショップ」。ユニークな形態の場には、どんな店があり、どんな人が営業しているのか。県内各地の気になる店をリポートします。

木のぬくもりと日の光が心地よいカフェスペース
木のぬくもりと日の光が心地よいカフェスペース
 

ヒジノワ cafe&space

益子

店&客、地域の拠点   日替わり

築110年を超える古民家をリノベーション
築110年を超える古民家をリノベーション

 益子町の本通りに建つ築110年以上の古民家。空き家だったこの空間を現在の地域コミュニティへとよみがえらせるきっかけとなったのが、2009年に開催されたアートイベント「Earth Art Festa 土祭(ひじさい)」です。 

 
 

 

手作りの空間で味わう手作りの料理に自然と笑顔がこぼれます
手作りの空間で味わう手作りの料理に自然と笑顔がこぼれます

 作家や町職員、住民たちがボランティアで改修に参加し、現代アートの展示会場に。終了後、「みんなが集える拠点として活用しよう」と改修に関わった有志がヒジノワを組織し、ボランティアで運営しています。 

 カフェスペースとフリースペースがあり、2年前から利用するカフェ出店者の一人で、50代の女性は「お店を出すのは大変だけれど、レンタルスペースなら気軽に始められる。何となくカフェをやりたいなと思っていた夢が実現できて良かったです」と笑顔を見せます。

 

3月に開催された恒例の人気企画「ぬのといと ヒジノワ洋装店」
3月に開催された恒例の人気企画「ぬのといと ヒジノワ洋装店」
共同代表の大塚康宏さん
共同代表の大塚康宏さん

 共同代表の大塚康宏さん(42)は「出展(店)者と来場者、その点と点がつながっていくのが面白い。展示会だけではなく、それこそ自治会の会合やパーティーなどもっと気軽に使用してもらえるよう、今後は利用イメージを広げるような支援をしていきたい」と目標を語ります。

 利用方法は、ホームページからメールで問い合わせを。

 ※カフェの出店がない日もあります。

 

 

益子町益子1665
〈出店スケジュール〉
https://hijinowa.net/
 
 

 

 

share  kitchen&space CHIDORI

栃木

夢を週1で  まず挑戦  曜日ごと、日替わり

チュナッツの須藤さん(右)と、同店の常連でありCHIDORI運営者の遠藤さん
チュナッツの須藤さん(右)と、同店の常連でありCHIDORI運営者の遠藤さん

 

 

見世蔵や土蔵、洋風建築が点在する伝建地区にあるシェアキッチン
見世蔵や土蔵、洋風建築が点在する伝建地区にあるシェアキッチン

 国重要伝統的建造物群保存地区に選定されている嘉右衛門町に3年前、築62年の空き家を改装してオープンしたシェアキッチン。     

 曜日ごとに店主が替わるスタイルで、米粉パンや洋菓子、カフェなどが出店。月曜にドーナツ&チュロスカフェ「チュナッツ」を営業する須藤里沙さん(33)は、東京で栄養士として働いていましたが結婚を機に地元に戻り、昨年9月に出店。「週1ペースなので思い切って挑戦できた。こんなにお客さんが来てくれるとは思わなかった」とうれしそうに話します。

シナモンドーナツ(250円)とコーヒー(350円)
シナモンドーナツ(250円)とコーヒー(350円)
開店と同時にテイクアウトの客が次々と訪れ、店内に行列ができるが、カフェ営業はのんびりとした雰囲気 
開店と同時にテイクアウトの客が次々と訪れ、店内に行列ができるが、カフェ営業はのんびりとした雰囲気 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 CHIDORIを運営するのは、元市地域おこし協力隊員で同地区を担当していた遠藤百合子さん。「夢を持つ人を応援したい」と、夫の翼さんと合同会社Walk Works(ワクワークス)を起業。その活動拠点として空き家を購入し、自ら改装。水曜には紅茶喫茶の店主も務めています。

 出店者は遠藤さんと面談を行い、やりたいことと店の雰囲気がマッチするかなどを話し合った上で決定。現在の出店者は、子育て中の主婦が多いそうです。これまで6店舗が独立し、県内に店を構えています。

 「店主が独立し、地域の空き物件が一つでも多く活用されるような好循環を生み出していきたい」と遠藤さんは話します。         

 利用方法と出店スケジュールは、運営する合同会社Walk Worksのホームページから。

 

 
栃木市嘉右衛門町13の15
〈出店スケジュール〉
walkworks.co.jp

 

 

 

SHARE  PLACE てnocago(てのかご)

大田原

チャレンジを後押し   時間、日替わり

えんがお代表理事の濱野さん(左)と増田さん
えんがお代表理事の濱野さん(左)と増田さん
 
 

 一般社団法人「えんがお」が運営するレンタルスペース。1階はレンタルキッチン、2階はレンタルスペースとして貸し出しています。

 レンタルキッチンは、食堂として「一日店長」での営業や、食事しながらのイベント会場として活用が可能。最近では、レンタルキッチンとして使う人が多いそうで、約10組が不定期で利用しています。えんがお代表理事の濱野将行さん(32)は「新しいことに挑戦したい人のチャレンジを後押ししたい。小さなことから活用してもらいたいです」と話します。

食堂のほか、菓子製造などとしても活用できるレンタルキッチン
食堂のほか、菓子製造などとしても活用できるレンタルキッチン

 「増田農園 ののみちファーム」代表の増田佳久さん(42)はレンタルキッチンを利用する一人。栽培したキャッサバを使ったパンを同所で製造し、道の駅やいたで販売しています。「てnocagoは、調理器や食器も豊富にそろっていてありがたい。ウェブから予約できて、利用しやすいです」と話します。また、パンの製造許認可を取る際、「濱野さんがサポートしてくれて安心した」と細やかな支援にも心強さを感じています。

 

 

利用方法は、えんがお☎0287・33・9110

「てnocago」インスタ(tenocago_kitchen)へ。

 

 

 

 

大田原市山の手1の9の10
〈出店スケジュール〉
「えんがお」インスタ
(engaogram)

 

 

 

 

 

(さんかく)もぐらベース

日光

新しい世界への一歩  日替わり 1、2階スペースに各1店

その名の通り、三角形の場所にある「△もぐらベース」
その名の通り、三角形の場所にある「△もぐらベース」

 

 今市市街地の三角地に建つシェアスペース。入口を入ると、黒い壁の店内には2階への狭い階段があり、まるでモグラの穴のよう。

 同所は日光を盛り上げるため、昨年2月にオープン。地域の課題解決や個人のチャレンジ支援などを行うモグローカルが運営しています。

 もともと洋服の仕立て屋だった2階建ての空き店舗を活用。1階はシェアキッチン、2階はイベントやコワーキングスペースなどとして利用でき、現在はジャンルの異なる6人が出店しています。共同代表として管理・運営に当たる江田加奈枝さん(33)は「新しい世界観に出合える場所。小さな夢を語って、一歩踏み出す場所になれば」と期待しています。

常連客と談笑する小野口さん
常連客と談笑する小野口さん

 「P’s Candle Coffee」を出店するコミュニティマネージャーの小野口貴士さん(33)は「雑談から生まれるものが好き」と笑顔を見せます。30代の常連客は「コーヒーのおいしさはもちろん、話をしていて楽しいし、会話の中から生まれてくるものがある」と言います。

 

占い師のKIMIさん
占い師のKIMIさん

 また、昨年12月から出店しているタロット占い師のKIMIさんは「夢を持って頑張っている人たちがつながって、どんどん輪が広がる場所ですね」と可能性を実感しています。

 

 

 

 

 

3月には1周年を記念したイベントも開催
3月には1周年を記念したイベントも開催
共同代表の江田さん
共同代表の江田さん

 

 利用方法は、ホームページ(https://mogulocal.com/sankaku)から。

 ※出店がない日もあります。

日光市今市649
〈出店スケジュール〉
インスタ
sankaku.mogura_base

 
 
 
 
フェイスブック
https://www.facebook.com/mogulocalnikko/

 

 

 

 

 

 

ホームページ