段ボールと〝アルミ〟で非常時にも

集光型、パネル型などが並ぶ 同大ソーラークッカーの部屋。 使い方を解説する中條教授

 

 記録的な猛暑に見舞われた今年の夏。太陽の恵みで何か楽しいことができないかということで、注目したのは太陽光の熱エネルギーを利用して調理する「ソーラークッカー」。研究者の足利大工学部中條祐一教授(65)に作り方や活用法を聞きました。

 同大中條研究室のホームページで紹介している途上国支援用の「エデュクッカー003」。ダンボールにアルミホイルを貼っただけの素材ですが、約2年の耐久性があり、標準的な晴れの日射があれば2合の米を90分で炊き上げる性能があるといいます。

 中條教授は「あまり晴れていなくてもペットボトルの水やレトルトご飯を温めることができる。普段から使い慣れておくと災害時にも役立つので、まずは少量で簡単なレシピから試してみて」と話します。

 今回は、身近な材料で簡単にできるソーラークッカーの作り方を教えてもらいました。晴天の日中(午前9時~午後2時)にぜひチャレンジを。

 

《用意するもの》

 ダンボール箱1個(長さ37㌢×幅26㌢×深さ34㌢※100サイズ程度)、アルミレジャーシート(縦横約100㌢)、カッターナイフ、接着剤(または両面テープ)、ダブルクリップ3個

 

《作り方》 

 ❶カッターナイフでダンボールを切り、①を切り離す=写真A。

 

 

 

 

 

 

 ❷大きいダンボールの中央下、底面のふた部分の中心に①の中心を合わせて接着剤で貼る=写真B。

 

 

 

 

 

 

 ❸点線部分を切り、黒太線は谷折り=写真C。

 

 ❹ダンボールに接着剤でアルミシートを貼ったら一晩乾かす。

 

 

 

 

 

 

❺上面3枚のパネルは、中面のパネルを挟み込みながら左右の角を重ね合わせてクリップで留める。下面左右のパネルも左右1カ所ずつ上部のパネルとクリップで留める。

 
 

 

 

 

 

 

 

《調理》 

 必要なもの①鍋(アルミや鉄鍋など。太陽光を吸収する黒色がお薦め)。黒がない場合は、黒いアルミホイルで包んでも。②ポリプロピレン袋(PPと表記された包装用の袋)。ガラス製の容器をカバーとして使うこともできる。③ビニタイ(留め金)1本④割りばし(加熱力を高めるため。割って2本にして鍋の下に置く)。

 

サツマイモの蒸かし芋に挑戦

 

実施日 8月20日

実施場所 足利 

午前9時開始、正午終了。

ふかし芋の調理成功。

 

 

 

 

 

今回使ったもの。 鍋の代わりに黒い空き缶を使用

 

 

 

 

 

❶黒の空き缶(350㍉㍑用・上ふたを缶切りで切り取ったもの)に水大さじ5を入れる。

 

 

❷缶にすっぽりと入る小ぶりのサツマイモ1本(日差しが弱い時は輪切り)を黒いアルミホイルで包んで①に入れる。

 

❸②をポリプロピレン袋に入れ、袋の口をビニタイで留める。

 

❹太陽の方向にソーラークッカーを向け、底に割りばし2本を置いたら、その上に③を置く。

ポリプロピレン袋のカバーの代わりに コーヒーの空きビンを使用。 あとは3時間ほったらかしでOK

 

 

 

 

 

注意事項

◆光の当たったパネルや太陽光を直視しない。

◆ポリエチレン袋は高温で溶けるので注意。

◆鍋は高温になるので厚手の軍手などを使用。やけどに注意する。

◆雨天、曇天、風のある日は適さない。

◆調理に適した時間は、太陽高度が高くなる午前9時~午後2時。

◆クッカーの置き方は、クリップ1つ留め側が3~10月は上、11月~2月は下に。

冬置き(11月~2月)は、クリップ1つ留め側を下にして使用。

 

 

 

 

 

 

 

ソーラークッカーを使用した料理。アフリカンカレー(写真左)、ピラウ(中央)、スペアリブ(右)。同大中條研究室のホームページでレシピを紹介。