懐かしさと安らぎのブレンドです
猛暑だった今年の夏もようやく終わり、秋の気配が濃くなってきました。秋のひと時をお気に入りの喫茶店やカフェで、おいしいコーヒーと共に過ごす。そんなちょっとした“ぜいたく”は、昔ながらの専門店がお似合い。どことなく昭和の雰囲気が漂う、歴史のあるお店を集めてみました。
かふぇ あんでぃーぶ 足利

1981年創業以来、長年愛され続けている看板スイーツ 「チョコビスケーキ」(300円)。足利を離れてしまった元大学生や転勤族の常連さんの要望に応えて全国発送も行っています。個性派のベテラン俳優がテレビで紹介したことでも有名に。

「女性が1人でも安心してゆっくりできる店にしたかった」と、オーナーの川島秀夫さん、淳子さん夫妻。「オリジナルブレンドコーヒー」(400円)、半立てにした生クリームをたっぷり浮かべた「アイスウィンナーコーヒー」(420円)が人気です。ドリンクやパフェ、軽食メニューも豊富。

足利市通り5丁目2823 ☎0284・21・7276 平日は正午~午後10時(土日祝日は午後9時まで)。水曜定休、最終週火曜日も休み。P12台。
コーヒー&サンドウィッチ HOPE 那須塩原

JR西那須野駅から徒歩3分。夫婦二人三脚で切り盛りするお店。開店から変わらぬ味で人気の「ホットサンドセット」(850円、コーヒー付)は店の看板メニューの一つ。パンに挟むマスター手作りのドライミートはスパイスの効いたカレー風味の味付けで、コーヒーとの相性もぴったりです。

長い年月を重ねてきた雰囲気は店全体からも感じられるほど。当時のままの床のデザインや照明、長年来てくれるお客さん、そして、マスターが焙煎(ばいせん)したコーヒーの味。時代と共に歩んできた店は、今年の10月で40周年を迎えます。「お客さんが来てくれる間は続けていきたい」

住所・那須塩原市永田町3の6 ☎0287・36・4814 営業時間・午前9時~午後8時(土日は午後6時まで) 定休日・不定休 駐車場・あり
純喫茶 サンバレー 宇都宮

東武宇都宮駅から徒歩3分、年季の入ったガラス扉を開けると店主の細島エツ子さん(78)が笑顔で迎えてくれます。 今年で営業51年目。コーヒー(400円)のみの提供で、味のある照明や天井からは昭和の香りが漂います。 「古いけど会話はあるのよ。流行のカフェじゃ店員と話せないでしょ?」と細島さん。ノスタルジックな雰囲気と会話を求めて、県外からはるばる足を運ぶ若者が後を絶ちません。

毎週土曜日、午後2時半からは講師を招いたカラオケ教室も開催中です。
宇都宮市池上町4の21 ☎028・634・8320 午前9時~午後7時頃(状況に応じて)。 不定休 Pなし
珈琲 柏屋 真岡

真岡市初の喫茶店として1961(昭和36)年にオープン。純喫茶の面影を残す店内に入ると、ママの田上順子さん(81)が迎えてくれます。メニューは、コロンビア、ブルーマウンテン、モカ、ブラジルをブレンドしたコーヒー(400円)のほか紅茶、ミルク、ココアのみ。

マスターの田上和男さんが亡くなり「やめるつもりでいたけれど、それでは寂しい。自分がコーヒー好きなのでね」と優しい笑顔で話すママ。亡きマスターの思い出と共に、変わらない一杯を入れます。
真岡市田町1065 正午~午後5時 不定休 Pあり
ツーリングショップ」 矢板

JR矢板駅からふらっと寄れる場所として、50数年愛され続けてきた「ツーリングショップ」。家庭で珈琲をいれることがほぼなかった1960年代。その頃から定番だった「ブレンドコーヒー」(400円)とマスタードをきかせた「ホットサンド」(たまご&ピクルス、400円)が人気。 テーブルや椅子、装飾品など、開店当初から使っている昭和の面影をふんだんに残した店内には、一杯のコーヒーを楽しむ客、お喋りを楽しみに来る客、さまざま。「ここが自分の居場所のような店になってくれたらうれしい」店主の高柳眞知子さんら、女性スタッフが笑顔で迎えてくれる一軒です。

住所・矢板市扇町1の13の1 ☎・0287・43・0502 午前10時~午後6時 日曜日休 P6台
馬酔木 日光

45年目を迎えた、旧今市市にある喫茶店。 変わらず守ってきたのは、18世紀に「セレベスの名品」といわれた幻のコーヒー「トアルコ トラジャ」で入れる一杯。特にアイスコーヒー(時価)は布のフィルターを使って落とされ、まろやかで微かに果実のような香りも楽しめます。ホットコーヒーも同品種のブレンドがあり、軽食やケーキと併せてコーヒー通の舌をうならせています。 また、店内に響くのは懐かしいレコードの音色。もう一つの変わらず守ってきた「こだわり」です。

日光市今市本町25の4 ☎0288・22・1960 午前9時~午後8時15分 (状況に応じて) 不定休 P10台
豆の樹 足利

「変わらない雰囲気を大切にしている」と、穏やかな笑顔で話すオーナーの小林志行さん(75)、志津子さん(70)夫妻が42年前にオープン。 お勧めは「ブレンド」(450円)と「焼きサンド」(550円、コーヒーとセットで800円)。
磨きこまれた広いカウンターテーブルや調度品は、つややかな輝きを放ち、店に入るとすぐに昭和に戻ったような感覚を味わえます。今秋放送予定の80年代を舞台にしたドラマのロケ場所にもなりました。店の片隅に残る電話ボックスは、初めて目にする若い人には驚きを与えるようで、フォトジェニックな場所とし

て喜ばれています。
足利市通2の3の11 ☎0284・21・2836 午前11時~午後4時 土曜定休 P4台
ラリグラス 足利

「マスターの顔を見て、おいしいコーヒーを飲んでほっとしたい」と、常連客が入れ代わり立ち代わりやって来ます。 自家焙煎(ばいせん)したブレンドコーヒーは350円。ほのかな酸味とコクのある味わい深い「ナポリタン」(サラダ付き・650円)もお勧め。
クライマーと並行してできる仕事として石川潔さん(70)が店を開いて40年になります。1982年にはマッキンリー登頂に成功。「山へ行きたい」というお客さんの声も高まり3つのハイキングクラブを結成。山好きが集う店としても知られています。米を背負って山を走る仙人ヶ岳トレイルランレースの仕掛人で事務局も務めます。

足利市葉鹿町372の1 ☎0284・62・2802 午前11時~午後11時 日曜定休 P7台
喫茶 BAKU 栃木

どこか懐かしく、アットホームな雰囲気が漂う店内。「父の勧めで喫茶店を始めて43年目。長く通ってくれる常連さんも多くありがたいです。お客さん同士が仲良くなるのもうれしい」と店主の橋本光恵さん(67)。 サイホンで入れる同店のコーヒー(350円)は、軽い飲み口でマイルドな酸味。ブレンドのほか、その時期のおいしい豆を2~3種類仕入れています。玉子・ポテト・ハムを挟んだ「バクサンド」(450円)は42年変わらず愛される味。昔ながらの良さを感じられるお店です。

栃木市室町6の12 ☎0282・24・4982 午前10時~午後7時 日曜休 P7台