
下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の2月例会が17日、宇都宮市内で開かれ、国土交通省関東運輸局長の新田慎二(にったしんじ)氏(57)が「『これからの日本の観光施策と関東運輸局の取組』について」と題し講演した。
新田氏は「新型コロナ禍によって旅行者の心境に変化が生じ、持続可能な観光へ関心が高まっている」と指摘。「アクティビティと自然、文化の三つの要素のうち二つ以上で構成される『アドベンチャーツーリズム』が今後のトレンドになっていくだろう」と見解を示した。
コロナ禍で疲弊した関東や周辺の1都10県に元気を取り戻そうと、同局は本年度、「江戸街道プロジェクト」をスタートした。対象エリアの日光街道や奥州街道などの旧街道を軸に、民間と連携を図りながら「江戸街道」のブランディングを進め、国内外の観光客へ発信する。2023年度は、モデル街道を選定した実証事業や観光資源の発掘調査などを予定している。
新田氏は「購買意欲や来訪意欲を高めるようなシンボルマークの策定、全体をマネジメントするような組織の設立なども計画し、ブランディングを図っていく」と力を込めた。
新田氏は鳥取県出身。東京大卒。1989年に運輸省に入り、警察庁長官官房審議官(交通局担当)などを歴任。2022年7月から現職。