しもつけ21フォーラム/地域密着の営業重視/日本たばこ産業/清川氏が講演

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の9月例会が21日、宇都宮市内で開かれ、日本たばこ産業(JT)常務執行役員の清川栄一(きよかわえいいち)氏(53)が「地域とともに、お客様に心の豊かさに資する価値を提供する企業へ」と題して講演した。

 同社は国内のたばこ市場で長年優位にあり、海外展開も積極的に進めてきた。  

 近年は消費者の健康意識の高まりや経済的理由などで、同社のたばこの販売量は減少している。加えて、加熱式たばこの登場で取り巻く環境は変化した。

 加熱式たばこ市場での同社のシェアは1割にとどまるという。原因について「当初、社内では『売れない』と注目していなかった」と振り返り、「他社には負けないだろうというおごりがあった」と省みた。

 その上で「店頭にたばこを並べるだけでは売れない時代が来た」と説明。小売店を中心とした従来の営業スタイルを転換し、「お客さまを中心に全ての仕事を組み立て直した」と強調した。

 売れ筋の商品や、消費者の動向なども地域によって異なるとして、地域密着での営業活動の重要性を唱え、「答えは最前線にしかない」と述べた。

 清川氏は福井県出身。大阪大卒。1992年に入社、2019年常務執行役員に就いた。