初夏の庭園

 新年度がスタートし、はや1カ月。新型コロナウイルス禍もあり、皆さん、疲れがたまっていませんか?今回の「とちぎを見るシリーズ」は、庭園特集。新緑がまぶしいゴールデンウイーク後半は、現地で森林浴もよし。紙面で癒やされるのもよし。県内各地にある名園の趣をお楽しみください。

 

自然と文化の景観に憩う

 

 松屋敷 日光

広大な個人庭園 限定公開

 
 

当時の外観を残す松屋敷

 

 日光金谷ホテル創業家の別邸がたたずむ、約3・3㌶の広大な個人庭園。別邸は大正末期、ホテル内から移築されました。

 近年は無人となり荒れていましたが、創業者のひ孫・村津眞須美さん(73)が15年前から修復。2016年から庭園のみ限定公開しています。

 邸宅はガラスや建具を再利用し、外観を当時のままに改修。屋敷内は非公開ですが、外廊下を通って五角堂に入ることができます。

 名前の由来となった約150本のアカマツのほか、春にはツツジやクリンソウ、初夏には新緑の中ハルゼミが鳴き、秋には紅葉が園内を彩ります。

日光市萩垣面2396の1、☎0288・25・6066、午前10時~午後4時(入場は同3時半まで)、大人500円、小学生250円。駐車場あり。4~11月の第4土曜と翌日曜開園(その他大型連休及び11月は日程を拡大)。

秋には、五角堂から見事な紅葉が楽しめる(提供写真)
庭園内には樹齢200年以上の松や桜も(4月中旬撮影

 

 

 

 

 

ワグナー・ナンドール アートギャラリー 益子

穏やか散策「哲学の庭」

 
 
 

ナンドール作品「哲学の庭」。平和を表す球体を囲むキリストや老子など5体の偉人像は、異なる文化を象徴しています

 

 ハンガリーを代表する彫刻家ワグナー・ナンドールと妻のちよが、1970年にアトリエ設計・建設と併せて造園。里山の自然に包まれ、穏やかな時間が流れる庭園をさまざまな花や木々が美しく彩ります。築山では、ワグナー夫妻が大切にしていたというシロヤシオツツジが見事な花を咲かせます。

 散策を楽しみながら、「哲学の庭」などナンドールの作品に触れることができ、庭全体がギャラリーのよう。歩く先々に感動の風景があります。

 開館は定期展の春季展(4月15日~5月15日)と秋季展(10月15日~11月15日)の年2回。

益子町益子4338、☎0285・72・9866午前10時~午後4時(定期展以外の期間は要予約)。大人1500円、高校・大学生1000円、中学生以下無料。駐車場8台。月曜休。

 

さまざまな緑と造形が目を楽しませてくれます

 

 

 

 

 

 

 

 

コピスガーデン 季節のガーデン 那須

季節彩る植物2000種

季節の花々が咲き誇るガーデン内(4月中旬撮影)

 年間を通して2000点以上の植物を扱う同店。バラや宿根草をはじめとした植物が、季節ごとに違った景色を演出します。

 コンセプトは「雑木林の庭」。バラが那須の自然風景になじむよう、高木・中木・下草を点在させ、まるで自然の中で咲いているかのように調和しています。

 ガーデナーが日々手入れや植え付けを行い、春には50種類以上のチューリップ、梅雨時期にはアジサイ、秋には紅葉が楽しめます。5月下旬からは300種類以上、1000株のバラが一斉に咲き誇ります。

那須町高久甲4453の27、☎0287・62・8787、午前10時~午後5時(季節により変動)、入場料(有料期間あり)。駐車場約40台。不定休。

 

初夏には色とりどりのバラが咲き誇る(提供写真) 隠れた人気者、アヒルの「ギンジ」も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物外軒 足利

茶の湯の世界しみじみと…

国登録記念物に指定されている庭園

 「物外軒(ぶつがいけん)」は、猿田町の渡良瀬川河畔で回漕問屋を営んでいた豪商長四郎三(ちょうしろぞう)が明治初期に建てた茶室です。その後、19

01(明治34)年に商家の柳田家の屋敷に移築した際、庭園も大きく改修整備されたと伝えられています。 北側の池庭と南側の茶室・露地で構成。足利の茶の湯文化や江戸末期から明治期に市内で造られた庭の意匠を今に伝えています。2008年、国登録記念物(名勝地)に指定されました。

足利市本城3の2145、☎0284・20・2230(市教育委員会事務局文化課)、午前9時~午後4時。無料。駐車場あり(さいこうふれあいセンター)。公開日は4、5、10、11月の日曜、祝日。

 

 

商家の主が使用していた居室からの眺め㊧、つくばいの水鉢は、京都の名石・鞍馬石
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

掬翠園 鹿沼

富つぎ込んだ枯山水

渓谷を思わせるような枯流れ

 「屋台のまち中央公園」にある枯山水の日本庭園。明治末期から大正初期にかけて、鹿沼屈指の麻商だった長谷川唯一郎が造営しました。当時、「松華園」「村

山晃南荘」と共に鹿沼の三名園と言われた中で唯一現存します。

 「みどりをくみとる」という意味を持つ庭園には、全国各地から集めた石や一枚岩の石橋があり、「慶雲郷」と茶室「観濤居(かんとうきょ)」と呼ばれる建物をつなぐように飛び石が敷かれています。また、20本以上のモミジが11月下旬ごろに紅葉の見頃となり、ライトアップも楽しめます。

鹿沼市銀座1の1870の1、☎︎0289・60・6070、午前9時~午後5時。入園無料。駐車場あり。月曜(祝日を除く)、祝日の翌日休。

屋台のまち中央公園内にある「掬翠園」
紅葉スポットとしても知られる掬翠園(提供写真)

 

 

 

 

 

県中央公園 宇都宮

街なかの〝日本〟で心豊か

四阿(あずまや)から見る松景橋

 

 「水と緑と文化」をテーマにした、市街地にある自然豊かな都市公園です。日本庭園エリアは面積約1㌶で、日本を代表する造園家・伊藤邦衛さんが設計しま

した。

 むつび池を中心に、周囲に庭門、四阿(あずまや)、石橋、野点広場、梅林などを配置。自然石と園路、木橋などの組み合わせにより、歩きながら日本庭園の景色を観賞できる回遊式庭園です。同公園緑の相談員の橋本勝秀さん(71)は「今は芽吹き、緑が濃くなってくる時季。四季の変化は、目を楽しませてくれ、心を豊かにしてくれます」と魅力を話します。宇都宮市睦町2の50、☎028・636・1491午前5時~午後8時(10月~2月は午前5時半~午後6時)。駐車場あり。

かえで橋付近。下りて楽しめます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岡田記念館 栃木

500年の歴史伝える

陽月亭の門前は、結婚式の前撮りで人気のスポット 

 500年以上の歴史を持ち、当主は代々嘉右衛門(かえもん)を襲名。「嘉右衛門町」という地名の由来でもある旧家です。

 およそ4000平方㍍の広大な敷地には、陣屋跡の代官屋敷があり、3棟の蔵では岡田家伝来の宝物を展示しています。

 通りを挟んで、少し離れた場所には国の登録文化財に指定されている翁島別邸があります。

 四季折々の草木が楽しめる日本庭園があり、緑の木々に包まれた翁島の池ではニシキゴイが悠々と泳ぐ姿も。ドラマや映画のロケ地や、結婚式の前撮りでもよく利用されています。

栃木市嘉右衛門町1、☎0282・22・0001金~日曜、祝日(月~木曜は事前予約制)の午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。大人800円、小中学生400円。駐車場あり。

 

 

ニシキゴイが泳ぐ翁島の池
邸内にあるケヤキの木は樹齢およそ500年