ー 橋 ー
暮らしをつなぎ、人行き交う

 人々の生活に密着し、風景を彩っている県内各地の橋。橋といっても、鉄橋や木製、つり橋など種類はさまざまです。今回の「とちぎを見る」シリーズは、アスポ編集室が厳選した九つの橋を紹介。その魅力をたっぷりとお伝えします。

 

境橋
那須烏山市宮原地先
(主要地方道常陸太田那須烏山線)

四季折々の那珂川の自然美に映えるバルコニー付きのアーチ橋。

 

全国数例の「バルコニー」
 「関東の嵐山」と呼ばれる那珂川の景勝地・落石の自然と調和した境(さかい)橋。優美な景観は、平成19年度の土木学会「選奨土木遺産」に認定されています。
 長さ約112㍍。鉄筋コンクリートオープンスパンドレルアーチ(路面とアーチの間の部分を板や柱などによって間隙を設けた構造形式)の橋は、1937(昭和12)年に建造された3代目。初代は明治に舟橋が、2代目は大正に洋式木橋が架けられました。

河原からの眺め


 

 

 

 設計者は、関東大震災後の帝都復興局橋梁課長として隅田川橋梁群の設計や聖橋などを手掛けた橋梁設計の第一人者、成瀬勝武です。橋脚上には半円形のバルコニーが左右対称にあり、バルコニー付きの鉄筋コンクリートアーチ橋は全国で数例の貴重なものです。

紅葉の時季には絶景が楽しめます

 

 

 

 

 

目的の地へ行こう

古河橋
日光市足尾町赤倉道下~本山間々(県道250号沿い)

足尾銅山の近代最初期に整備された古河橋


最古の道路用鉄橋で文化財
 足尾銅山の近代化の一環として、1890(明治23)年に渡良瀬川上流の松木川に架けられた古河(ふるかわ)橋。ドイツのハーコート社製で、長さ48.6㍍、幅員5.2㍍のトラス橋です。
 原位置に現存する日本最古の道路用鉄橋で、2014(平成26)年に国重要文化財に指定されました。現在は外観のみ観覧可能で橋への立ち入りは禁止されています。

足尾銅山の近代最初期に整備された古河橋

 

 

 

 

 

六方沢橋
日光市瀬尾

美しい橋の形と日光の絶景が楽しめます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

標高1433㍍こその絶景
 キスゲ平園地と大笹牧場を結ぶ、県道栗山日光線のほぼ中央に位置する六方沢(ろっぽうざわ)橋。標高1433㍍に架かる橋近くの展望台駐車場からは、栗山ダムや今市の街並みなど素晴らしい景色が望めます。
 急峻なV字型渓谷にあり、長さは320㍍、幅員10㍍、谷底まで約130㍍。上路式逆ローゼアーチの橋です。1976(昭和51)年9月に完成しました。新緑や紅葉など季節によってさまざまな景色に彩られます。
 

 

真岡鉄道五行川橋梁
真岡市東郷大前神社東側

「SLもおか」を支える明治生まれの橋。撮影スポットとしても人気です

 

1世紀超、現役の鉄道橋
 1894(明治27)年に建造されたイギリス製の鉄道橋で、1913(大正2)年に幹線鉄道から同鉄道に移設。2000(平成12)年には真岡市登録文化財に指定されました。
 長さは約42㍍。現役で活躍する最古の「ポニーワーレントラス」(左右の主構のみで支えられ、上側に横構がないことが大きな特徴)構造です。
 イギリス積みのれんが橋脚と共に日本の鉄道草創期の息吹を今に伝える貴重な歴史遺産であることから、平成23年度の土木学会「選奨土木遺産」に認定されています。

 

中橋
足利市通2丁目~足利市南町
(県道足利千代田線)

夕日に浮かぶ中橋のシルエット(同土木事務所提供)


まちのシンボル 3連アーチ
 1894(明治27)年に建造されたイギリス製の鉄道橋で、1913(大正2)年に幹線鉄道から同鉄道に移設。2000(平成12)年には真岡市登録文化財に指定されました。
 長さは約42㍍。現役で活躍する最古の「ポニーワーレントラス」(左右の主構のみで支えられ、上側に横構がないことが大きな特徴)構造です。
 イギリス積みのれんが橋脚と共に日本の鉄道草創期の息吹を今に伝える貴重な歴史遺産であることから、平成23年度の土木学会「選奨土木遺産」に認定されています。
 足利市中心部の渡良瀬川に架かる中橋。緑の3連アーチはまちのシンボルとして市民に親しまれています。     
 1936(昭和11)年に架橋され、長さは295.1㍍。構造はアーチの中に三角形のトラスを使用したブレースドリブタイドアーチです。
 県安足土木事務所の担当者は、「同じ構造の道路橋のうち、国内に残るのはわずか10橋。そのうちアーチが連なる橋は3橋しかない貴重なもの」と話します。

 

つつじ吊橋
那須町湯本

「想像していたより高く感じる」と声があがるつつじ吊橋


遊歩道でちょっとスリル
 八幡つつじ群落を結ぶ遊歩道の途中にあり、苦戸(にがと)川にかかる長さ130㍍のつり橋で、2004(平成16)年に架設されました。
 川から38㍍の高さにあり、那須岳のほか那須野が原の広大な景色を眺めることができます。同吊橋とつながるつつじ園地の木道も含め、ユニバーサルデザインを採用し車いすでも利用できます。
 つつじ園地では5月中旬からヤマツツジ・レンゲツツジ・サラサドウダンなどの花が時期をずらしながら開花し、つり橋と合わせて楽しむことができます。

 

憩いの場へ帰ろう

板戸大橋
宇都宮市下岡本町、板戸町

柳田緑地から見る橋は長さを感じる


 宇都宮市中心部と同市東部の工業団地を結ぶ、県道「宇都宮テクノ街道」の鬼怒川に架かっています。橋の長さは920㍍、幅員は27㍍、県が管理する最も長い渡河橋です。

 2008(平成20)年3月に開通し、大規模な工業団地(清原・芳賀・芳賀高根沢)へのアクセス路として重要な橋です。この地域は、昔は舟運で物流の拠点として栄えていました。現在は、橋が交通や物流を担っています。

開通前の「宇都宮テクノ街道」(提供写真)


 

 

 

 

 

もみじ谷大吊橋
那須塩原市関谷1425の60

野鳥のさえずりを聞きながら空中散歩を楽しめる


 塩原ダム湖に架かる、長さ320㍍のつり橋。1999(平成11)年に架設され、2016(平成28)年に「恋人の聖地」に認定されました。
 ワイヤーを横に張ることにより橋の強度を高めた「無補剛下駄(むほごうげた)歩道吊橋」という種類で、歩くとゆらゆらと揺れるのが特徴です。
 4月には桜やハナモモ、10月中旬からは紅葉など、四季折々の景色を楽しめます。
 併設する森林(もり)の駅の和氣正陽さん(27)は、「売店のソフトクリームなどを食べながら、360度広がる大自然を楽しんで」と話します。
 大人300円。小中学生・高齢者200円。
 

 

東蓼沼橋
蓼沼親水公園の東側上三川町東蓼沼1284番地先

鬼怒川の流れをより近くに感じられる木橋

 

 上三川町の鬼怒川に架かる長さ約200㍍の木橋「東蓼沼(たてぬま)橋」。今では珍しい木製の床板が特徴の沈下橋です。自転車と歩行者のみ通行できます。1963(昭和38)年に架橋。最近では、2015(平成27)年の関東・東北豪雨の際に橋が水面下に潜りました。
 橋のすぐ上流には北関東自動車道が走り、下流はゆったりとした流れが広がります。宇都宮市から来たという女性2人は「季節を感じられていいところです」と、桜と共に橋からの風景を楽しんでいました。