一年中で一番寒さの厳しいこの時期の栃木の郷土料理といったら「しもつかれ」です。2月最初の午(うま)の日・初午に作る行事食。最近はスーパーや道の駅などでも売っていて、家庭で作ることも減っているようです。(今回レシピを教えていただいた道の駅元気あっぷ村ではしもつかれの販売はしていません)

息づくもったいないの心
代々続く伝統食

栃木の郷土料理
しもつかれ

 
 

 しもつかれの作り方を、「子どもの頃からしもつかれ作りの手伝いをしていた」という、道の駅たかねざわ元気あっぷむら内の加工所「雪花菜(きらず)」で、20年以上にわたり高根沢産の大豆を使った豆腐やがんもどきなどを作っている古郡(ふるこおり)スミ子さん(74)に教えていただきました。

古郡スミ子さん

「雪花菜」の古郡スミ子さんに聞く
しもつかれの作り方

材料
サケの頭…1尾
ダイコン…1本
ニンジン…2本
大豆…1カップ
油揚げ…1枚
酒かす…適量

作り方
 ❶サケの頭を半分に割り、魚焼き機で焦げ目が付くまで焼いたら細かくほぐし、柔らかくなるまで鍋で煮る。
 ❷乾燥大豆をフライパンで焦げ目が付くまで焼く。
 ❸皮を剥いたダイコン1本とニンジン2本を鬼おろしでおろし、①と一緒に煮る。好みの量の酒かすを入れる。
 ❹②を入れたら5㍉幅に切った油揚げを入れ、ふたをして大豆が柔らかくなるまで煮る。
 ❺薄口しょうゆ大さじ1を入れて味付けする。

 (問)同施設☎028・676・1126。

 

 

 

 

 

 古くは正月料理で残った材料で作られていたエコで栄養豊富な「しもつかれ」。初午の日にお稲荷さんにお供えし五穀豊穣(ほうじょう)を願う行事食でもあり、近所でおすそ分けして「7軒の家のしもつかれを食べると病気にならない」という、いわれもある本県を代表する郷土料理です。

しもつかれブランド会議ーーー

クリエーティブに62団体
 楽しみ方提案、伝統継ぐ

しもつかれウィークのチラシ
「しもつかれブランド会議」代表の青栁徹さん

しもつかれウィーク  6~12日
 しもつかれにアート、デザイン、ファッション、音楽を取り入れ、新たな楽しみ方を提案するイベント「しもつかれウィーク」が、ことしの初午(10日)に合わせて6~12日まで開催されます。
 県内外の62団体が参加。飲食店をはじめ、「道の駅たかねざわ元気あっぷむら」やJR宇都宮駅ビル「パセオ」「mekke日光郷土センター」など県内各所で、しもつかれやアレンジ料理の販売、料理教室、アート作品の展示、販売など、さまざまなイベントが繰り広げられます。
 イベントを主催する「しもつかれブランド会議」代表の青栁徹さん(45)は「独特な風味と見た目で敬遠されることも多い料理なので、極端かもしれませんが、食べられなくてもいいと思っています。僕らなりの新しい楽しみ方で、若い人たちを巻き込みながら、1000年に及ぶ伝統を引き継いでいきたい」と話します。
 イベントの日時、場所の詳細はホームページhttp://shimotsukare.jpn.com/sw2022/で。

 

 

 


しもつかれブランド会議×かねふくストア

前列左から秀行さんの姉の五味渕文子さん、妻のさなえさん。後列左から、しもつかれインフルエンサーの神戸明さん、青栁代表、店主の熊倉秀行さん

かねふくストア 栃木

しもつかれ販売約40年
季節問わず通年で好評

 しもつかれブランド会議のメンバーで、手作り総菜が人気の八百屋。年間を通してしもつかれ(小216円、中324円、大540円)を販売している店としても知られます。
 2代目店主の熊倉秀行さん(61)は「しもつかれは人によって好き嫌いがあるから、いろんな意見が出て面白い。味が一つに決まっているわけではないので、それぞれの個性を味わうのも楽しい」と話します。
 総菜は40年ほど前に秀行さんの母の手料理から始まり、中でもしもつかれは「暑い夏でものどを通る」と、常連客からの強い要望で季節を問わず販売するようになったといいます。現在は妻のさなえさんと夫婦2人で店の味を守り続けています。
 「菓子工房こぶし」のパウンドケーキ「ガトーしもつかれ」の店頭販売は当店限定。
 (問)同ストア☎0282・22・1119。

年間を通して常に売り場に並ぶしもつかれ


コラボイベント
2月6日午前11時~午後3時
 稲荷狐 巫狗(みく)様との写真撮影会&グッズ販売。
 Mobile afe IKKO珈琲『CoCom』による「しもつカレー」とコーヒーの販売。
12日午前10時~午後3時
 AKIRAぱいせん(しもつかれインフルエンサー)かねふくストア1日店長、女子栄養大の学生とコラボによるアレンジレシピ配布、馬頭高校産しもつかれ缶詰限定販売。
6~12日午前8時半~午後6時
 かかしグランプリ作品。「ママビエ」展示。

※コロナウイルス感染防止のため、店内への入場制限あり

 

 

 

しもつかれブランド会議×馬頭高校

馬頭高校産しもつかれ缶詰

商品化した「馬頭高産しもつかれの缶詰」(写真右がサケ使用)。ラベルデザインは青栁代表が考案
発案した小林さん


「なんだこれ!?」な缶詰
3年の小林優作さんが発案

チョウザメや魚醤インパクト増す

 しもつかれウィークで販売される新商品「馬頭高産しもつかれの缶詰」。課題研究として水産科3年生の小林優作さん(18)の発案がきっかけとなり、しもつかれブランド会議とコラボレーションし、3年生18人が試作・製造に取り組んできました。
 2年生後半からしもつかれの缶詰作りをイメージしていたという小林さんは「学校に缶詰を作る設備があり、これまでにない珍しいものとして、見た時に『なんだこれ!?』と思うようなインパクトのある缶詰を作りたい」と思い描いていました。
 1月20日には4回目の缶詰作りが水産科実習場で行われました。同会議代表の青栁徹さんも足を運び、作業に励む生徒たちの様子を温かく見守っていました。今回商品化したしもつかれの缶詰は、サケの頭を使ったスタンダードなタイプ(180㌘350円)とチョウザメを使ったタイプ(180㌘400円)の2種類です。同校で飼育しているチョウザメの頭の身と内臓を使用。また、香りづけにオリジナルの魚醤(ぎょしょう)を使うことで、さらに〝馬頭高らしさ〟を打ち出しました。
 「県外の人にたくさん知ってほしい。缶に詰める際の圧力で骨まで軟らかくなり、お年寄りも食べやすい」と小林さん。青木信太郎教諭(52)は「地域交流としてスタートしたけれど、本人が積極的に動き外部の方や青栁代表の理解とサポートがあって形になったのは大きい」と話します。

馬頭高水産科3年の生徒たちと青木教諭(前から2列目左端)

 

 

 

 

しもつかれブランド会議×菓子工房こぶし

しもつかれ菓子ブランド「渡守」の
しもつかれビスコッティ
ガトーしもつかれ

ほんのりしもつかれの風味を感じる「しもつかれビスコッティ」と、しもつかれが入ったバターケーキのような「ガトーしもつかれ」
しもつかれアレンジ料理家としても活躍中。同工房代表の川村葉子さん

 

食べやすくお土産にも
カリッとしっとり二つの食感

 「お菓子だったらしもつかれをいろんな形にアレンジでき、若い人やお菓子が好きな人にも食べてもらえるのでは」。しもつかれブランド会議と真岡市境の「菓子工房こぶし」のコラボレーションによって生まれたのが、しもつかれ菓子ブランド「渡守‐トス‐」の商品「しもつかれビスコッティ」(330円)と「ガトーしもつかれ」(200円)です。
 製造を任されたのは、同工房代表で野菜ソムリエプロ、しもつかれアレンジ料理家の川村葉子さん。4年ほど前にガトーしもつかれを製造・販売しました。
 その後、コーヒーに合うお菓子をとの発想からビスコッティを開発。水分量が多く、混然一体となっているしもつかれをうまくビスコッティにアレンジ。特に工夫したのが豆で、ビスコッティは加熱時間が長く豆が硬くなってしまうため、豆を柔らかな状態にして加えています。子どもの頃の苦手なイメージを持つ人も多いというしもつかれ。「残念な思い出になるより、おいしい思い出になった方がいい」と川村さん。
 硬いビスコッティはコーヒーに浸すと柔らかな食感で楽しめ、川村さんは「キューブ状なら一口で食べやすい。お土産として県外や海外のしもつかれを知らない人にぜひ」と期待を込めます。
 ビスコッティの販売は、道の駅にのみや、道の駅ましこ、県立博物館などのほかウェブでも購入可。
 (問)同工房☎0285・74・1370。https://kashi-kobushi.stores.jp/