映画やテレビドラマを見ていると、タイトルバックで「栃木」や県内市町の名前を見つけることがしばしばあります。県内にはよく知られているところをはじめロケ地が数多くあります。今回のとちぎを見るシリーズは、話題になった映画やドラマに登場した県内のロケ地を、県北、県央、県南の地域に分けて3回にわたり紹介します。第1弾は県央編です。

ロケ地探訪〜県央編




重厚さと迫力 国会並み
栃木県庁
宇都宮
緑が美しい芝生が広がる県民広場。向かって左から議会議事堂、本館・東館・南館、昭和館と並びます。
今年9月に公開された映画「総理の夫」で、首相官邸として登場した議会議事堂1階ロビー。格調高い重厚な赤じゅうたんが敷かれた階段が印象的です。本館や昭和館なども撮影に使用。また、映画「シン・ゴジラ」や「AI崩壊」「七つの会議」なども撮影されています。議会議事堂1階の展示コーナー、喫茶コーナーや、昭和館の一部は自由に出入りできます。
宇都宮市塙田1の1の20
☎028・623・3308
(県フィルムコミッション)

郷愁を誘う 木造の校舎
旧粟野中学校
鹿沼
山あいにたたずむ、1949年建築の木造校舎は郷愁を誘います。2003年に廃校後、映画やドラマ約40作品が撮影されています。
明治以降の日本とオリンピックの歴史を描いた大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」では女子高のテニス会場となり、日本人女性初のメダリストとなる人見絹枝さんらの試合シーンを撮影。
同市担当者が「地元に誇りをもってほしい」とエキストラは市内在住者を中心とし、同校卒業生がもんぺを着て撮影に参加するなど地域一体となって撮影が行われました。
鹿沼市口粟野1812
☎︎0289・63・2188
(市経済部観光交流課観光PR係)

時代劇・武者行列も映える
壬生聖地公園
壬生
手入れされた植栽が美しい、17・7㌶の広大な公園型墓地。その一角は対照的にうっそうと木に囲まれ、戦隊ものや時代劇の撮影が行われています。
戦国武将・明智光秀の生涯を描いた大河ドラマ「麒麟が来る」では、武者行列のシーンを撮影。兵士約80人と馬が一堂に集まり、約300㍍の距離を駆け抜けました。ロケ弁当では大名料理を再現した「壬生お殿様料理」を提供。同町商工観光課の河田将貴主任(34)は「とても好評で皆さん喜んでいた」と振り返ります。
壬生町国谷2370
☎︎0282・81・1844
(町経済部商工観光課観光交流係)

歴史の息吹をそのままに
高田山専修寺
真岡
浄土真宗の開祖である親鸞聖人が唯一建立した寺院で、専修念仏の根本道場とされた聖地です。2019年12月13日に公開された映画「カツベン!」の一部が、太子堂や御影堂前、山内で撮影されました。
映画の冒頭部分、大正時代の活動写真の撮影現場を見物人たちが見つめている数分間のシーン。総代の長岡辰夫さん(81)は「親鸞聖人のおられた往時の息吹を感じられると思う。これからもっとロケ地として利用してほしい」と話します。
真岡市高田1482
☎0285・75・0103



美しさ際立つ 非日常空間
若竹の杜 若山農場
宇都宮
敷地面積24㌶の手入れの行き届いた美しい竹林が広がっています。風に揺れる葉の音に耳を澄ますとまるで別世界。
2014年公開の「るろうに剣心 伝説の最期編」をはじめ多数の映画などの撮影が行われています。2017年に一般開場され、今年は約5万人が来訪。農場を運営するワカヤマファーム社長の若山太郎さんは「映画の世界も感じられる非日常空間で竹を身近に感じてください。竹を好きになってもらいたい」と話します。入場料大人500円、4〜12歳250円、3歳以下無料。