
10月になり、秋も深まりつつあることが実感できます。秋の代名詞はいろいろありますが、なんといっても紅葉です。本県には多くの紅葉スポットがあり、身近にある自然を愛でることは、豊かに暮らす一つの手段でしょう。今回は紅葉が美しい寺社の〝絶景〟を紹介します。緊急事態宣言は解除になってもまだ続くコロナ禍の中でも、感染防止に気を付けながら心を豊かにするひとときを。
いつもは静寂 厳かな社寺も
錦秋に華やぐ
県内2社4寺の紅葉拝見


金蔵院
佐野
11月下旬
参道が赤いトンネルに
金蔵院は1494(明応3)年に弘基上人によって開山されたと伝えられています。
例年11月下旬には、参道沿いの木々が真っ赤に色づき、風格のある山門や立ち並ぶ石仏など、趣のある美しい紅葉の景色が広がります。ヒガンバナの群生地としても知られ、お彼岸と紅葉の時期は、多くのカメラマンが訪れます。
仙波交差点の南、県道から常盤小前の細い道を進むと駐車場があります。
佐野市仙波町463 ☎090・4378・9376


大谷寺
宇都宮
10月下旬~11月上旬
最古の石仏彩るように
大谷石の洞窟に包み込まれているように建てられた大谷寺。本尊千手観世音は、坂東三十三観音霊場の第19番札所となった日本最古の石仏です。千手観音をはじめ、脇堂の10体の石仏は、国の特別史跡、重要文化財、並びに日本遺産の指定を受けています。
紅葉の見頃は10月下旬から11月上旬。弁天堂周辺からはじまり、モミジやさまざまな木々が色づき、御止山など境内を順番に彩ります。
宇都宮市大谷町1198 ☎028・652・0128

圓通寺
益子
11月~12月上旬
黄と赤のコントラスト
名刹(めいさつ)圓通寺は、1402年に良栄上人が開基。浄土宗名越派の総本山であり、大沢文庫と称される学問所として栄えました。
モミジ500本以上と大イチョウの紅葉に包まれる晩秋。感動の風景を「朝日に照らされて輝いて見えます。イチョウの黄色いじゅうたんとモミジの赤が美しい」と話す第59世大島完之さん。見頃は11~12月上旬。本格的には11月半ば以降。ライトアップの幻想的な世界も広がります。
益子町大沢1770 ☎0285・72・2724

今宮神社
さくら
11月
ライトアップ見どころ
1060年に創建された今宮神社では、樹齢700年以上という大イチョウの紅葉が参拝に訪れる人々に感動をもたらしています。11月上旬から色づき始め、見頃は10~25日ごろ。13~19日はライトアップも行います。
宮司の金子立さんは「まさに、息をのむような風景。神々しさを感じます。神道の『厳(いか)しく美(うるわ)しく』の言葉そのものです」と話します。
さくら市馬場43 ☎028・682・2685


日光山輪王寺 逍遥園
日光
10月下旬~11月初旬
水面にも映える美しさ
輪王寺門跡の庭園として、江戸時代初期に作庭された逍遥園。庭内には池を囲むようにオオヤマモミジ、イロハカエデ、イタヤカエデなど個性豊かな木々がそれぞれに色づきます。
見頃は10月末から11月初旬。29日からはライトアップが実施され、池に紅葉が映り込むさまは「吸い込まれるように美しい」と評判です。隣接する宝物殿では日光山の歴史を物語る国宝・重要文化財を展示しています。入園料は大人300円(ライトアップ時は500円)。小中学生100円。
日光市山内2300 ☎0288・54・0531


野木神社
野木
11月中旬
願いを託す大イチョウ
渡良瀬遊水地の近くにある野木神社。境内にある大イチョウは、およそ1200年前の平安時代、征夷大将軍の坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が蝦夷(えぞ)討伐後、記念に奉植されたものと伝えられています。町指定文化財でとちぎの名木100選にも選定されています。
大イチョウには垂れ下がった気根があることから、母乳が出て子どもが健やかに育つようにと米ぬかと白布で作った模型の乳房で祈願する古くからの信仰もあります。見頃は毎年11月中旬。
野木町野木2404 ☎0280・55・0208
