日本遺産登録 大谷  新風吹く石のまち

県内の市町で、最近の新たな流行や活動、イベントなど、その土地ならではの「旬の動き」を紹介する「わが街トレンディー」。今回は宇都宮市の西部、かつては大谷石で全国的に有名な大谷地区。逆転の発想で採石場跡を利用した資料館や地底湖探検などで注目を集めてきました。そこに、さらに新たな波が生まれています。

 

今年5月に「大谷石文化」が日本遺産に認定された宇都宮市大谷町。「石のまち」として今もなお採石産業が続くほか、天然の岩山が織りなす特異な景観は広く知られるところ。
今回の日本遺産の申請テーマは「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮~」。ここ数年、採掘跡地である地下が他には無い唯一無二のスポットとして人気を呼び、「大谷」が再注目されています。
大谷石の需要減退と陥没事故などの影響で観光客が激減した時代から、採掘場跡などを中心に回復してきた同町。そして日本遺産認定を追い風に、大谷町の魅力にひかれた多くの人たちによる新たな取り組みが。
今、大谷町には活気が戻ってきています。「石のまち」から「日本遺産のまち」へ。人が集い人が楽しむ。注目スポットの大谷町を訪ねてみてください。

 

LLPチイキカチ計画 事務局 塩田大成さん(42)

 

数年前とはまったく異なる姿を見せている大谷町。町内の大谷石採石跡地を複数見せてもらう中で、地底湖のある地下空間に出合いました。
その圧倒的なスケールを見て、2013年に仲間3人と「LLPチイキカチ計画」を発足。地底湖をゴムボートで探検するサービス「OHYA UNDERGROUND」を開始したのは、アクティビティを通して大谷町の魅力を伝えたいと考えたからです。最近では、大谷資料館のリニューアルと相まって同サービスの認知度も高まり利用者も増えてきました。さらに、界隈には飲食店も増え活気があります。
今後は、大小さまざまなアクティビティを増やし、来訪者の滞在時間を増やすことが目標。また、日本遺産登録をきっかけに、大谷石の採石産業維持のヒントが得られることを期待しています。

 

OHYA UNDERGROUND

 

地元有志で組織するLLPチイキカチ計画は、約2千平方㍍の地底湖をラフティングボートでクルージングするサービスをはじめ、大谷でしか得られない「体験」をツアーにし不定期開催しています。
人気は半日コースの「大谷地底探検と里山ハイキング(小学生以上。1人7560円から)」。通常は立ち入り禁止の廃坑内にガイドと一緒に探検に行くほか、同町の歴史を知る上で欠かせない採石場を見て回ります。
次回は8月21日から不定期にて開催。団体での貸し切りプランのほか、9月には内容を変えた魅力的なプランも登場します。
(問)LLPチイキカチ計画 事務局(ファーマーズ・フォレスト内)えにしトラベル     ☎028・689・8782

 

THE  STANDARD  BAKERS

 

 大谷寺への表参道沿いにあった「大谷レストハウス」を全面改修し、4月にオープン。テークアウト専門のベーカリーと、カジュアル洋食レストランという二つの顔を持つ施設で、新たな大谷地区の目玉に。さまざまな来訪者の目的を叶える場所にもなっています。
 ベーカリーは通常、「大谷バケット」(320円)などを含む50種類前後が並ぶほか、レストランではランチなど7種類のメニューが楽しめます。

宇都宮市大谷町1159
☎028・652・5588
午前10時~午後5時半(土・日曜、祝日は午前9時~午後6時)、ランチ午前11時~午後2時半(OS)、カフェタイムあり ㊡不定
 

 

OHYA  FUN  TABLE

 

かつての旅館「盤石荘」の近くにあった「レストラン盤石」を改修。同町にある半田農園をはじめ、地元で育った野菜を仕入れています。また、とちぎ霧降高原牛やみや美豚、いっこく野州鶏などの食材でお客をうならせます。
宮城県出身のオーナーシェフ、大友功佑さん(36)は、幅広い料理の知識と経験を生かした創作料理が得意。「地元の食材をいろいろな味付け、調理法で提供したい」とランチは週替わりのメニュー(1300円から)

 

で提供を予定しています。
妻の貴美子さん(33)は、大谷町に近い新里町の出身で父親は大谷石彫刻家の渡辺哲夫さん。渡辺さんが手掛けた「特別個室」(ディナーのみ。要予約)には、壁一面大谷石彫刻が施され、思わず息をのみます。
「ぜひ、地元の新鮮食材と大谷彫刻を楽しんでほしい」と大友さん。
現在プレオープン中。グランドオープンは、8月末予定です。

 

宇都宮市大谷町1240
☎028・688・8409
ランチ午前11時~午後4時(午後3時半OS)
ディナー(要予約)午後5時~同9時(午後8時半OS)
㊡火曜、第1・3水曜(祝日は営業)

 

 

大谷夏いちご&ワイン

 

大谷町では、採石場跡地の水を冷却水として利用し栽培する「大谷夏いちご」の生産が活発化するほか、採石場跡地で熟成させたワインが注目を集めています。
28、29日午後2時~同8時、バンバ市民広場で行われるバスケットボール3×3「Utsunomiya asters 2018」では、同いちごが入ったスパークリングワインが1杯500円で販売されるほか、同いちごの試食もあるので、ぜひ、足を運んでみては。
(問)宇都宮市都市魅力創造課大谷振興室☎028・632・2427

 

宇都宮大学 横尾建築環境研究室

 

宇都宮大学の横尾昇剛教授の建築環境研究室では、大谷町の地下空洞水を用いた冷熱エネルギーの研究などを行っています。
同研究室の大学院1年の若林秀明さん(23)は、地下ではなく大谷町の地域をテーマにした学士論文を進める中で、そこに残る魅力的な建築や場所を多数発見。「多くの人にこの感動と興味を伝えたい」と「大谷建築ツアー」を企画。6月に同研究室の学生らと開催しました。
ツアーは約2時間かけて、観光化されていない旧旅館の「盤石荘」など6カ所を巡るもので、一般人を対象に3日間開催。好評を得ました。
横尾教授は「大谷石産業の一助と地下水を利用した遊び場の設置が今後の方向性」と話します。
次回の開催は調整中。涼しくなってから再開予定です。