未来に暮らす


  

 

笑顔をつくる

 

喜びをつくる

 

興味をつくる

 

チャンスをつくる

 

 「未来に暮らす」ってなんだろう—。アスポが考える「今必要な 5つの暮らし方」を、いろいろな機会に紙面で紹介しています。今回は、5つの暮らしの一つ、未来に暮らすがテーマです。
 IT化が急速に進み、少し前には想像もできなかった便利で、物にあふれた生活が広がっています。一方で、大雨や地震など想定外の自然災害も続出しています。ある意味、先の見えない未来を暮らす私たち。どんな未来を築いていけばよいのでしょう。
 そんな中で、一つ確実に言えることは、未来の中心になるのは今の子どもたちだということ。未来の主役である子どもたちのために、居場所を作ったり、支援を続けている人たちがいます。その活動の一端を紹介します。

 

 

 

 

入学説明会の事前打ち合わせの様子。ボランティア約50人が参加

多様な友  と学ぶ場です

とちぎ自主夜間中学
     宇都宮・小山

 宇都宮市と小山市に今月8日開校する「とちぎ自主夜間中学」。義務教育を受けられなかった人、不登校などで学校に通わずに卒業した形式卒業生、現在不登校になっている子どもたち、日本語を学びたい外国人など、年齢も国籍も違うさまざまな背景を持つ人たちに学びと交流の場を提供します。

「とちぎに夜間中学をつくり育てる会」代表の田巻松雄宇大国際学部教授

 運営するのは、市民有志でつくるボランティア団体「とちぎに夜間中学をつくり育てる会」。個別学習が基本で、学習パートナーがマンツーマンで学びを応援します。
 同会代表の田巻松雄宇大国際学部教授(65)は、「学びたい人がそれぞれの事情によって、来られる時に。ルールに縛られず自由に参加してほしい」と呼び掛けます。 先月、白鷗大で開催された入学説明会には22人が参加。「もっと日本語の理解を深めたい」と流ちょうな日本語で話す20代のベトナム人実習生や「書字障害があるといわれ、中学2年から不登校となった19歳の息子を通わせてみたい」と話す50代の母親。「不登校ではないけれど、学校がつまらない、友達と話すのが嫌だという時に安心して楽しく過ごせる場所がほしい」と話す14歳の中学3年生ら、さまざまな期待の声が聞かれました。

相談に訪れたベトナム人実習生

8日に「開校式」
学生随時募集中

 開校式は8日午後2時、宇都宮市陽西中で。授業は、宇都宮市東生涯学習センターで9月5、19日午後2時、12、26日午後6時半。ロブレ6階小山市生涯学習センターで9月12日午後10時。各日2時間半。入学金、授業料無料。10月以降は、一人一人の要望を聞き開催場所、日時を決定します。入学者は随時募集中。
 (問)同会代表・田巻教授☎028・649・5191(留守電の場合は名前と電話番号を残す)。

 

 

 

 

昼間に実施された魚つりのようす

何かやりたい  をサポートします

栃木自主夜間中学
不登校の人のためのアウトドアクラブ

               栃木

 主に不登校の小中高校生の夜の居場所として30年前に栃木市内に開設されました。今年4月から新たな活動としてアウトドア・デイ・スクールを開始、参加者を募集しています。
 不登校中でも「何かやりたい」という、子どもの要望に応えてテニス、フィッシング、渡良瀬遊水地のコウノトリのバードウオッチングを月に1~4回程度実施しています。開催日時は各自の希望を聞き、相談して決定。単発での参加もできます。参加は無料ですが、有料施設の入場料などは各自負担になります。

親子が孤立しない環境づくり

石林正男事務局長

 運営にあたるのは、高校教諭で、フレックスハイスクール学悠館高の教壇に週2回ほど立つ石林正男事務局長(69)。
 36年前、成績順で就職や進学先が決まる学校に息苦しさを感じていた時に登校拒否の問題に出合いました。親子が悩み孤立していることを知り、同じ悩みを抱えた親同士が気軽に本音で語り合う「栃木登校拒否を考える会」を発足。

7月の例会では、「夏休みをどう過ごしたらよいか」が話し合われた

6年後、ボランティアで運営する自主夜間中学をスタートさせました。「まずは子どもが家で安心してゆったりできることが大切。親同士がつながり、親に笑顔が見られるようになって初めて子どもも変わる」と話します。
 同会は毎月第3日曜日午後2時~同4時、キョクトウとちぎ蔵の街楽習館内「くらら」で例会を開いています。参加費500円。
(問)石林事務局長☎070・5555・7455、メールアドレス3ishi3@ozzio.jp

 

 

 

 

きくあつさんの周りには常に笑顔が絶えません

みんなの  おいしい家  です

コミュニティ食堂 Makana
            上三川

 上三川町上三川の「上三川のいえ」は、毎週金曜の夕方から「コミュニティ食堂Makana」を開催しています。料理を作るのは、管理人で社会人大学院生の「きくあつさん」こと菊地敦子さん(43)。まちづくりに携わる中で子どもたちの居場所づくりをと、2015年に「子ども食堂Makana」をスタート。

毎週金曜の夕方に「コミュニティ食堂Makana」が開催される「上三川のいえ」

 「子どもからお年寄りまでだれでも歓迎な場所なのに、名前のイメージから誤解している人も少なくない。それを変えたかった」と3年ほど前に名称を変更しました。
 できるだけ天然の素材を使い、みそやしょうゆは自家製という安心で季節を感じる手作りのごはん。毎週10人ほどが利用し、きくあつさんの手料理にみんな「おいしい」と声をそろえます。なかには「実家にいるよりもくつろげる」と話す人もいるほど、子育て中のお母さんたちにとっては、ほっとできる場所です。
 毎月最終金曜日は、ジブリ映画に出てくる食べものの再現料理を楽しみながら映画鑑賞します。
 ハワイ語で「プレゼント」を意味するMakana。子どもも親も、ここに来た人みんなが笑顔になれる。そんな時間をプレゼントしています。
 開催は金曜午後5時~同8時。未就学児無料、小中学生300円、大人500円。「映画のたべもの」の日は別料金。予約不要。
 (問)菊地さん☎090・3245・5243。

 

 

 

 

資源ごみの回収作業に汗を流す佐藤さん㊨と菅俣さん

仲間と   宝物   を支援します

チビッコ未来文庫
佐藤さん・菅俣さん

       市貝

 未来をつくる子どもたちの「ワクワク感」を大切にしたいと、県内外の児童養護施設の子どもたちの誕生日に図書カードを贈る市貝町の林業佐藤隆司さん(57)。5年ほど前から賛同する仲間たちと続けているボランティア活動です。
〈7月7日付一部既報〉
 贈り先は真岡市を含む北海道室蘭市から沖縄県石垣市まで全国6カ所。合計約280人の子どもたちに1人3000円の図書カードを贈っています。「誕生日を楽しみに待つワクワク感。好きな本を選ぶワクワク感。その本は、自分のものとして名前を書くことができる」と話す佐藤さん。
 資金づくりのために行っているのが資源ごみの回収です。事業所や個人が供給してくれるアルミや真ちゅうなどの金属、古本、古新聞などを回収して換金。毎月7~8万円の資金が生まれます。
 佐藤さんが「最大の協力者」と呼ぶのが宇都宮市の菅俣栄司さん(65)。菅俣さんは佐藤さんの活動を知ったのをきっかけに定年前から手伝いを始めました。「個人のできることは限られてしまうけれど、支えてくれる人がいることが励みになります。そして子どもたちの笑顔」と話す菅俣さん。現在は、宇都宮市をメインに真岡市や茨城県筑西市で回収作業を行います。
 佐藤さんは「共通の財産って何だろうと考えた時、子どもこそ宝。一人の人間が偉大なことをするより、小さくてもだれもができることで支援が広がっていけばいい」と子どもの未来を見据えます。
 (問)佐藤さん☎080・6555・0146。

 

 

 この時代を暮らす…。アスポプラスでは、「今、必要な5つの暮らし方」を提案しています。読者の皆さんにとっての「必要」とは違うかもしれませんが、ぜひ一緒に考え「私の暮らし方 プラス」を教えてください。