9月27日は「女性ドライバーの日」でした。この日は栃木県と縁があり、1917(大正6)年に、本県の渡辺はまさん(当時23歳)が日本で初めて運転免許を取得したことに由来しています。月イチ企画「Tochigi 人びと」、今回はタクシーやトラック運転手はじめ運転に関係して活躍している女性4人を紹介します。

 
県の競技会で2連覇達成

 

トラック運転手
株式会社サンコー 総務主任 神山友恵さん(36)=日光

 

 

「運転することが好き。それが何かの役に立てたら」。配送業を行うサンコーに入社したのは4年前。ほぼ男性のベテランドライバーの仲間たちにアドバイスをもらいながらトラック運転の技術を習得、ドライバーとしての一歩を踏み出しました。  

社の代表として、学科、運転技能、日常点検の合計点数で競う県トラック協会の「トラック安全運転競技会」(全国トラックドライバーコンテスト県予選)の女子部門に出場したのは入社後すぐ。初出場にして優勝し、2年連続の快挙を成し遂げました。  

公道では練習ができないスラローム走行やバック走行などは地元の教習所を借りて早朝に練習。時間を見つけては、テキストを開いて挑んだ競技会。「運送業の中でも歴史ある大会なのでとても緊張しました」と振り返ります。全国大会の切符を手にし、さらなる挑戦は悔しい結果になりましたが、安全に対してより高い意識が付いたことは、今でも自分のためだけでなく、会社全体の自信につながっていると感じます。  

現在は総務主任として事務をこなす一方で、トラックに乗り各方面へ荷物を届ける業務も兼務。来年のドライバーコンテストの指導をする立場として準備も進めています。 

「全ての経験を生かし、これからは指導者として大会に携われるのはうれしい。多くの女性ドライバーが胸を張って活躍できるような人材も育てていきたい」  

(問)同社☎0288・26・7376。

 

 
「介護タクシー」もやってます

 

個人タクシー運転手
渡辺タクシー代表 渡辺雪子さん(66)=鹿沼

 

 

運転が大好きな渡辺さんは、いつか運転を仕事にしたいと、子どもが成人した40歳ごろに一念発起し二種免許と大型免許を取得。タクシー会社に就職して念願のタクシードライバーになりました。  

それから数年後、夫が脳梗塞で倒れ介護をすることに。タクシー会社勤務だと、なかなか時間の調整が難しいと考えていたところ、当時県内でただ一人の女性個人タクシー、熊倉範子さんと知り合いました。「個人タクシーなら介護もできる」と2010(平成22)年、55歳の時に個人タクシーとして独立。  

ヘルパーの資格も取り、介護と仕事を両立してきました。介護タクシー業務も行う渡辺さんは、病院の送迎などの待ち時間に、大好きな短歌を詠んで待つのも楽しいと言います。

ドライブで度々訪れていた東北地方が東日本大震災で被災した時に、「何かできないか」と考えました。宝くじの外れ券で折ったTシャツ型ようじ入れに、地元の小学生たちのメッセージを添えて仮設住宅に送ったことをきっかけに、ボランティア団体「渡辺グループ」を設立。  

最近ではコロナ感染者への差別を訴える「シトラスリボン運動」に賛同し、手作りのシトラスリボンを鹿沼市や医療従事者などに寄付をしています。「長い介護生活で子どもたちにお金は残せないけど、生きざまは残せるからね」  

(問)渡辺タクシー☎090・8503・0387。

 

 
優しく、厳しく、楽しく指導を

 

自動車学校教習指導員
宇都宮清原自動車学校 総務課主任   橋本由美さん(45)=宇都宮

 

 

県内の自動車学校に入社した当初は事務の仕事をしており、教習指導員の資格が取れる21歳で資格を取得しました。当時はまだ女性指導員は少なく、県内でも珍しい存在だったそうです。  

2002(平成14)年、宇都宮清原自動車学校に入社後、自身もオートバイを運転しツーリングなどを楽しむ橋本さんは、自動二輪の教習指導員を見て、「格好いい」と自動二輪の教習指導員資格も取得。現在では大型自動二輪まで指導しています。  

教習指導員になりたての頃には、教習車に乗ると(受講者の運転に)足を突っ張ってしまって筋肉痛になったこともあったと笑います。今ではリラックスして乗車し、楽しく優しく、時には厳しく指導しています。  

また、他の人が運転する車に乗る場合は、助手席に座ると仕事モードになってしまうそうで、プライベートではできるだけ後部座席に座るようにしているそうです。  

70歳以上の高齢者教習や18歳から社会人までの教習など、幅広い年齢の人たちに教える指導員の仕事は、やりがいがあり、とても楽しいと言います。  

「教習生がなかなかできなかったところを頑張ってできるようになった時や、免許が取れたと報告に来てくれた時がうれしい瞬間です」  

(問)宇都宮清原自動車学校☎028・667・7021。

 

 
バイク、サーキットの魅力発信

 

オフロードライダー
フェスティカサーキット栃木 石本麻衣さん(25)=栃木

 

 

大阪生まれ、大阪育ち。実家の近くにオフロードコースがあり、オフロードバイクに乗る父や兄の姿に憧れて、小学校低学年からモトクロスを始めました。「悪路を走ったり、ジャンプの練習も楽しかった」と振り返ります。  

高校生になって地元のチームに入り、全日本のレースにも出場。卒業後もアルバイトをしながらバイクを続けました。21歳で東京に出て、エンデューロ(耐久レース)に転向し、バイクショップで働きながら週末は練習やレースの日々。車体やエンジンの分解、組み立ても経験し、バイクの知識も深めました。  

実力をつけてチームの看板ライダーとして走り、2017、19年に女性部門チャンピオンに。「大きなケガもなく2回チャンピオンになれた。応援してくれた家族や仲間、ファンに感謝です」  

チャンピオン獲得を一区切りとして、新しい環境や経験を求めて昨年、栃木市の「フェスティカサーキット栃木」に就職。選手活動は休止中ですが、趣味でモタード(オンロードタイヤを履いたオフロードバイク)に乗っています。「アスファルトコースはオフロードと違った魅力があり、カートも楽しい」と笑顔。オフロードバイクやサーキットの魅力を発信し、愛好者を増やすことが現在の目標です。  

(問)フェスティカサーキット栃木 ☎0282・25・1500。https://festika-tochigi.com