8月10日は山の日です。山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝するという趣旨の祝日です。本来は8月11日ですが、今年は開催が予定されていた東京五輪の閉会式との関係で移動されました。月イチ企画「Tochigi 人びと」、今回は山の日にちなみ山や緑を守る活動をしているグループを紹介します。

 
身近に親しむ里山再生担う

 

てらおかの里山を守る会  足利 

 

 

足利市東部、旗川沿いに位置する岡崎山は標高53㍍の小さな山。周囲は平らな土地が広がり、山頂からは関東平野を一望することができます。岡崎山古墳群としても知られ、麓には寺岡山元三大師があります。

昭和30年ごろまでは青年団が山に入りまき作りを行って各家庭に配布するなど、生活に山が深く関わっていましたが、時代の変化により山が活用されなくなるにつれて荒廃が進行。

「岡崎山を昔のような地域の里山林としてよみがえらせたい」。2009年、県の里山林整備事業の支援を受けて、山の不要木の伐採ややぶの刈払い、歩道の整備などが行われました。

同時に寺岡町自治会が中心となり「岡崎山の自然を守る会」(昨年、「てらおかの里山を守る会」に組織を改編)を結成。住民ボランティアによる定期的な下草刈り、サクラやツツジ、アジサイ、萩などの植栽を行い地域の人が四季を通して親しめる里山として再生が図られました。

亀田幸雄代表(73)は「1年手入れができなければ、またすぐに元の状態に戻ってしまう。地域の人たちの協力を得ながら継続的な活動として盛り上げていきたい」 

 (問)寺岡町自治会長・山本祥嗣さん☎0284・91・1071。

 
安全な登山楽しむために

 

矢板岳友会  矢板 

 

 

姿、形、眺める角度によってさまざまな表情を見せ楽しませてくれる雄大な「高原山」。年間を通し多くの登山客が訪れる日本三百名山の一つです。

約25年前からこれまで高原山の登山道整備を行っています。例年秋に行う笹狩りはメンバーが集まり、それぞれ草刈り機を担いで山に登ります。八海山から大入道と釈迦ヶ岳までの笹を刈り、倒木があれば安全な場所に移動し、手入れや管理を行い安全に歩けるように心掛けています。また、市内小・中学校の林間行事などでは、子どもたちと登山道を一緒に歩き、ガイドを行うほか、登山教室を開催し、安全に楽しめる知識を伝えるのも同会の活動。

「沢もあり、四季折々の花が咲き、景色も素晴らしい山。あまり身構えずに行けるのも魅力」と、メンバーそれぞれが見回りを兼ね、足慣らしやお気に入りの花を見に行くなどの思いで登る身近で大切な山。

美しい景色を眺めるには、八海山神社と釈迦ヶ岳の頂上からの眺望がお薦め。雷が発生しやすい夏場は天候の急な変化には十分気を付けてと呼び掛けます。

 (問)矢板市商工観光課☎0287・43・6211。

 
ガイド中心にイベントも

 

NPO法人太平山南山麓友の会  栃木 

 

 

太平山南山麓や周辺の活性化を目的に、太平山系の山や休耕田を活用して、さまざまな活動を行っています。

2007年に会を発足し、現在の会員は55人(正・賛助会員)。山に関わる活動は、登山経験が豊富な十数人のトレッキングガイドを中心に行っています。太平山系の山の案内、ハイキングコースの整備、倒木の撤去、害獣対策、林道の美化、年に数回トレッキングイベントも開催しています。

山の日が制定された年から毎年「山の日記念栃木百名山・晃石山トレッキングイベント」を開催。参加者と山を歩き、会員手作りの木札や農作物を配付し喜ばれています。今年は新型コロナウイルス対策のため集団登頂は中止ですが、山の日当日午前8時半から直接晃石山頂に登った先着200人に5周年記念仕様の登頂記念木札を配ります。

「自然を残し、四季折々の花や農作物を楽しめる山麓、里山にしたい」と藤野晴彦理事長(66)。オーナー制体験農園は県内外からの参加があり、毎年好評。3年前から大平産のブドウを使ったワイン造りも力を入れています。

 (問)かかしの里☎0282・43・8288。

 
生育守り地域活性に一役

 

焼森山ミツマタ保全協議会  茂木 

 

 

三つまたの枝先に黄色い小さな花が半球状に集まったミツマタ。焼森山麓(茂木町飯)には約7500平方㍍の群生地が広がり、スギ林の間から光が差す神秘的な光景は「妖精が舞い降りた森」として近年人気の観光スポットになりました。シーズンは3月中旬から4月10日ごろまで。今年は1万1192人が来訪しています。

同会は2016(平成28)年に発足しました。現在、地元の逆川地区に住むメンバーをメインに30~70代の男女18人が美しい里山の保全・管理を行っています。

「逆川小、旧逆川中の校歌に焼森山がうたわれていて、山を大事にする血が流れているんだよね。そして何より、楽しいからやっている」と笑顔を見せる谷中裕一会長(73)。

今年初めて花後の実(種)を取り、苗作りを行いました。その苗を植樹し、販売していくことで地域おこし・町おこしにつながっていくのを期待しています。

帰って行く来訪者の「また来るよ」のうれしい言葉を励みに、草刈りなどの保全活動にメンバーは汗を流します。

 (問)同会会長・谷中さん☎0285・65・0923。

 
手付かずの花映える山整備

 

花瓶山の自然を守る会  大田原 

 

 

栃木百名山の一つ「花瓶(はなかめ)山」。その名の通り、春先から秋頃にかけてさまざまな花が見られる山です。

「地域にある素晴らしい山を守っていこう」と会を立ち上げたのは5年前。遊歩道や階段を作り、林道を含め、その補修や点検等の管理を定期的に行うほか、道順案内の看板を設置しました。

それまで地元の人でさえ知られざる山から、今では県内外から多くの登山客が訪れるほどの場所に。「地元にとっても、私たちにとっても大切な山」。現在、会のメンバーは25人で、花瓶山駐車場の整備もメンバーたちの活動の一つ。地元の人たちが近くで花見ができる場所を作ろうと、駐車場の周りには桜や桃の木を植え、「花」を生かした地域活性にも一役担っています。

登山口からぐるりと回るコースで約5~6時間。「広範囲に広がる群生地、ひっそりとたたずむ珍しい花など、自然の中で魅力を放つ花々には極力手を付けず、季節ごとに咲くそれぞれの花を見つけながら楽しんでほしい」。これからはタマアジサイやツルニンジンなどが楽しめる時期。「ありのままの花の姿を多くの人に見てもらいたい。そのためにも最低限のルールを守ってもらいたい」と呼び掛けます。

 (問)同会会長・田代さん☎090・5498・6773。