身近な食材で家庭でも簡単に楽しめるパスタ料理。家庭で楽しむときに、ちょっとした工夫で、おいしさがアップしたらうれしいですね。足利市田中町にある本格イタリア料理が気軽に味わえる店「ブーカ もりやま」のオーナーシェフ森山茂昭さん(48)に、本格パスタの基本レシピとおいしく作るコツ教えていただきました。

主役はパスタ ~おいしいソースをお供に
細麺のスパゲッティーニは、塩味のオイルソース、太麺のスパゲティはトマトソースやクリームソースが合う。パスタは太さによって名前も変わる。
4、5人前を作る時はパスタをゆで時間の1分くらい早めに上げ、鍋でソースとよく混ぜ合わせながら煮る。
最後にパスタを1本取って味見をした時、塩味を感じると1皿食べるとしょっぱく感じる。塩加減はちょっと薄いかなでOK。
今回は2種類のオリーブオイルを使用しています。ピュアオリーブオイルはソースとなるニンニクオイルに使用。パスタの仕上げに使ったEXバージンオイルは、火を入れない方がフレッシュでおいしい味が楽しめます。
250㌘で1500円くらいする高級なものなら、サラダにかけるなど生食に使うのがお勧めです。

ブーカ もりやま
足利市田中町943の8去田ビル102 ☎0284・64・7219
午後5時~午前0時(変更の場合あり)㊡木曜 Ⓟ7台

*いずれも1人分

★サバ缶とフレッシュトマトのペンネアラビアータ
❶ 大きな鍋に湯を沸かし、湯の量の1%の塩を加える(1㍑の湯に対して塩10㌘が基本)。沸騰したらペンネ90㌘を入れ表示時間通りにゆでる。
❷ フライパンにピュアオリーブオイル大さじ2、つぶしたニンニク1片、トウガラシ2本(種を取っておく)を入れ、弱火にかける。ゆっくり焦がさないように炒める。ニンニクから出る大きな気泡が細かくなり薄く色づいたらニンニクだけ取り出し、火からおろす。
❸ ②にさば水煮缶50㌘と汁大さじ2を入れ火にかける。一口大の乱切りにしたトマト140㌘を入れ、木ベラで煮崩すようにして炒める。
※好みで白ワイン大さじ2を入れて、アルコールを飛ばすように炒める(ワインを足すとうまみが増すが使用しなくてもOK)。
❹ ゆでたペンネをざるに上げ水気を軽く切り③に加える。フライパンを傾けてどのくらいソースがあるかチェックする。ソースが足りない場合は、ゆで汁(大さじ1~2くらい)を加え、全体をよくあえる。
❺ 味をみながら、塩、黒こしょうで味を調え、火を止めたらEXバージンオイル大さじ2を加え、フライパンを振ってよく混ぜる。


★ニンニクは焦がさない。細かく刻むほど焦げやすくなる。1片をそのままつぶして使うと失敗が少ない。
★仕上げのオリーブオイルは火を止めてから加える。余熱で香りをたたせる。
★キャベツとブロッコリーのアンチョビソース
❶ 沸騰した鍋に塩を入れ、スパゲッティーニ(1.4㍉)100㌘を入れる。※塩の分量はアラビアータを参照。
❷ フライパンにピュアオリーブオイル大さじ2、ニンニク1片を入れ火にかける。火が入ってニンニクの色が変わってきたら、アンチョビフィレ1枚を入れ、スプーンで細かくつぶすように炒め大さじ2のゆで汁を加える。
❸ ①のゆで時間が残り1分になったら、一口大に切ったキャベツ30㌘、小房に分けたブロッコリー40㌘を加えて1分ゆでて一緒にざるに上げ軽く湯を切る。
❹ ②に③を入れ手早くあえる。味見をして大さじ1のゆで汁を加える。塩味が強い場合はお湯を加えて調整する。黒こしょう適量して、フライパンを振り、味見をしたら火を止め、EXバージンオリーブオイル大さじ3を入れてよく混ぜる。


★パスタは炒めるのではなくソースをあえるイメージを持つとパサパサにならずにおいしく仕上がる。
★パスタソースの塩味はゆで汁で調整する。仕上げに塩をふらない方が塩味をつけやすい。

★失敗しないカルボナーラ
※2人前以上を作る時は分量×人数の分量で良いがベーコンは塩味が強いので少し分量を減らす。
❶ 大きめのボウルに卵黄2個、粉チーズ大さじ3、黒こしょう適量を入れておく。
❷ スパゲティ(1.7㍉)100㌘を表示時間通りにゆでる。お好みで1分長めにゆでてもよい。
※塩の分量はアラビアータを参照。
❸ フライパンに無塩バター大さじ1と細切りにしたベーコン40㌘を入れて火にかけ、しっかり焦げ目がつくまで炒める。好みで白ワイン大さじ2を加えてしっかりアルコールをとばすように煮詰める。(下部に参考写真あり)
❹ スパゲティのかたさを確認したら、ざるに上げ軽く水気を切り①に加えて手早く混ぜる。(下部に参考写真あり)
※ゆっくり混ぜるとダマになるので注意。
❺ 大さじ1のゆで汁を入れ、③(フライパンについた焦げ目もうまみになるので木べらでこそげ落として入れる)を加えてさらに混ぜる。
❻ 皿に盛り、好みで粉チーズ、黒こしょうをかける。
