寒さも底を過ぎて、少しずつ暖かさが増してきています。春はもうすぐそこまで来ていますが、花粉症の季節でもあります。花粉症で悩む人たちにとって憂うつなシーズンの到来で、気が重いことでしょう。そこで、花粉症について4人の医師に、「花粉症とは」から「最新の治療法、対策法」をお聞きしました。

 
季節到来​  つらい症状
すっきり解消!

 

 
小泉一弘院長(83)
小泉内科クリニック  日光 

 

 

 小泉院長は、東京大学医学部物療内科に入局した1964(昭和39)年から花粉症を研究。46年前からはスギ花粉症発見の地である日光地区でスギ花粉症に関する疫学調査を行ってきました。長年の調査から花粉症について伺いました。

アレルギー体質、遺伝も関係

花粉症とは

 花粉症は、スギなどの花粉(抗原)に対する免疫反応によって起こるアレルギー性疾患です。

 日本で本格的な花粉症の研究報告が行われたのは、1961(昭和36年)年ごろ。ブタクサの

 

花粉症が第1例でした。そして、63年に東京医科歯科大学の斎藤洋三助教授によって、日光地区においてわが国独特の花粉アレルギーであるスギ花粉症が発見されました。

発症と症状

 アレルギー体質の人が発症します。アレルギー体質でなければ花粉症になりません。また、遺伝も大いに関係していることが分かっています。両親が花粉症の場合、子が発症する確率は70%です。母親が花粉症の場合は50~60%、父親の場合では30%です。一般的には5~6歳から増えてきます。

 

 主な症状は、目と鼻の粘膜におけるアレルギー性炎症によるもので①くしゃみ②鼻水③鼻詰まり④目のかゆみ―この四つが主要症状です。

 風邪との違いは、花粉症の場合熱はほとんど出ません。スギの花粉はわりと大きいので気管の奥までは入らず、よほどでなければせきも出ません。

スギ花粉予報と対策

 スギの雄花の花芽は7~8月に分化するため、夏の気温が高く、真夏日が多いと生育がよく、花粉の飛散量が多くなります。花粉の飛散は1月1日から毎日の最高気温を加算して合計が300度以上に達すると開始するといわれ、例年2月末に始まります。

 対策としては、花粉症の人は早めに治療を始めると症状が軽くて済みます。

 花粉症でない人もマスクや眼鏡をかけるなどして、できる限り花粉を吸入・接触しないよう心掛けてください。

 

 (問)同クリニック☎0288・53・3555。(日光市久次良町)

 

どんな治療や対処法があるの?

 

 

耳鼻咽喉科医に聞く

 

 
菊池恒院長(49)
きくちクリニック  宇都宮 

 

 

 自治医科大学を卒業後、県内のへき地診療所、へき地中核病院での診療に従事。同大学付属病院耳鼻咽喉科でアレルギー外来を主宰した菊池恒院長に最新の花粉症治療法についてお聞きしました。

 

症状軽減 
初期療法が重要

 

 スギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療は、症状が出る前に治療を開始する初期療法が重要です。初期治療をすることでスギ花粉が飛散した後の症状が軽く済みます。

 

保存的治療法

 一般的な治療としては、抗ヒスタミン剤、ステロイド点鼻薬、抗アレルギー点眼薬、ネブライザーなどを組み合わせることによる保存的治療です。

長期間の舌下免疫療法

 スギ花粉症のアレルギーを根本から治す治療法としては「舌下免疫療法」があります。安全で効果的な治療法ですが、治療に長期間を要します。

 治療の方法は薬を舌の下に入れ2分間保持し、その後飲み込みます。これを毎日最低でも3年、できれば5年間続けます。正しく治療が行われると、アレルギー症状を長期にわたり抑えるなどの効果が期待できます。症状が完全に抑えられない場合でも、症状が和らぐことでアレルギー治療薬の減量が期待できます。治療開始時期はスギ花粉の飛散が終了する6月ごろから。通院は月1回です。途中でやめてしまうと効果がありませんので、根気よく続けることが大切です。

レーザー手術

 ひどい鼻詰まりの対処法には、日帰りでできる「レーザー手術」があります。手術時期は11~12月ごろが効果的です。

 花粉症かどうかわからない場合でも、疑わしいときは受診してアレルギー検査をし、適切な治療を進めることが大切です。

 (問)同医院☎028・683・3387。(宇都宮市下平出町)

 

 
高島雅之院長(50)
たかしま耳鼻咽喉科  宇都宮 

 

 

 金沢医科大学卒業。2007年に幸仁会耳鼻咽喉科たかしまクリニックを開院。睡眠時無呼吸症候群などの睡眠医療を行い、アロマセラピー学会に所属している高島院長に効果的な対処療法をお聞きしました。

対処療法 薬剤治療と併用も

 花粉症の対処法として当院が推奨している民間療法に、「鼻うがい」と「アロマコロン」があります。

鼻うがい

 鼻うがいは帰宅後などにぬるま湯で鼻内を洗浄し、付着した花粉を洗い流すことで症状の軽減化が目的。外出先でも鼻洗浄ができるコンパクトな携帯用もありますので、部活動や屋外で仕事をする人、外出先でも洗浄したい人などにとても便利です。

鼻うがいやアロマで症状緩和。受付で購入できます

アロマコロン

 アロマコロンはユーカリラジアタやペパーミント、ティートリー、真正ラベンダー、カユプテを配合したオーガニックのものを扱っています。スプレータイプなので手軽に使用できます。衣服や枕などに1プッシュ振りかけるだけ。他にも蒸しタオルにかけたり、お風呂でアロマバスにしたりと使い方はいろいろ。リラックス効果も得られます。

 これら民間療法は妊婦や赤ちゃんなど薬が使えない人や、極力薬を使いたくない人にも気遣いなく使用できるメリットがあります。また薬剤治療とあわせて使用することも可能です。

 (問)同病院☎028・633・9115。(宇都宮市材木町)

 

 

眼科医に聞く

 

 
早津宏夫院長(54)
早津眼科医院  宇都宮 

 

 

 順天堂大学卒業。2010(平成22)年に早津眼科医院の院長に就任し、地域医療に尽力している早津宏夫院長に眼科的治療法をお聞きしました。

症状別の点眼薬や専用眼鏡も

3種類の点眼薬

 花粉症の眼科的治療法としては、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤の3種類の点眼薬を症状に合わせて処方します。抗アレルギー剤はアレルギーを抑える作用があり、花粉シーズンの2週間くらい前から点眼を始めると効果的です。抗ヒスタミン剤は、かゆみを抑え、即効性があります。

 

 この二つを使用しても症状が改善されない場合は、ステロイド剤を併用します。シーズン中毎日使うなど長期に使用すると緑内障や白内障になるリスクが高くなるので、そのような場合は毎月診察時に眼圧検査をすることをお勧めします。

目を洗浄するときは

 目を洗う場合には液体をためた容器に目を当てて洗浄すると、汚れの落ちた液体で目を洗うことになりますので、必ず流水で清潔に洗いましょう。またかゆいときは濡れタオルで冷やすのも効果的。

花粉症用メガネ

 最近の花粉症用眼鏡は顔にフィットしやすいようにプロテクト部分がシリコンになっています。当院併設の眼鏡店でも、子ども用からさまざまなサイズを販売。度を入れることも可能です。

花粉予防だけではなく、粉塵予防や紫外線もカット。ミラータイプもあります

 (問)同医院☎028・637・0130。(宇都宮市東宿郷)