身近なのに知らなかった「ひと」「もの」「こと」。そんな再発見や新発見を求め月1回、アスポリポーターが独自の視点と興味を持って県内を巡ります。(第19回目)


「日本で最も美しい村」連合に加盟している那珂川町小砂地区で無農薬野菜を栽培する綿部隆太さんから頂いた1通のメール。メッセージを読み「その空間と〝作品の表情〟を見てみたい」という思いが生まれ、私の心の中で大きくなっていました。
◇◇◇ … 前 略 … 同町は全国有数の「芸術のある農村」です。その中の一つの「もうひとつの美術館」は旧小口小学校の校舎を再利用して開設されました。作品はもとより、百年の歴史が刻まれた木造建築自体がアートで、黒光りする廊下の床はあたたかく、歩く人にぬくもりを伝えます。木造の教室に置かれた作品の表情は、コンクリートの美術館の空間で見る表情とはひと味違うように思えました。 ◇◇◇
日本で最も美しい村 |
小砂地区は「里山に伝わる伝統の技 小砂焼きと菊炭」「小砂里山の芸術の森」の2つの地域資源などが評価され、2013年に加盟しました。 |
![]() |
map1
|


ユニークな段ボールアート
馬頭から県道・那須黒羽茂木線を黒羽方面へドライブ。豊かな緑に窓を開けて車を走らせます。すると「八溝ししまるくん」の看板が出現。そんなこともあってか、のどかな里山を行くうちにうりぼうに出会えそうな気がしてきます。
よろこびの森(❶)の入り口で、ウオーキング中と思われるおじさんに遭遇! 「この先に面白い木彫りの彫刻があっから行ってみな」と笑顔で話し、コーヒーキャラメルをくれました。
よし、その前に気になる「山の遊び場」をのぞいてみると…自然の中にアートやブランコがありました。
よろこびの森 山の遊び場
■
那珂川町小砂3691
■P30台
■散策自由
![]() |
map2
|


そして、おじさんの優しさとコーヒーキャラメルを味わいながら小砂里山の芸術の森(❷)へ。
案内板から松尾ほなみさんの「都市の残像」という作品だと理解。どんな彫刻なのだろうと期待しながら木立へ入って行くと、静寂の中に人が1体、また1体。
マイナスイオンもたっぷりな神秘的な空間が、夏の暑さを一瞬忘れさせてくれます。
小砂里山の芸術の森
■那珂川町小砂3709の1
■散策自由
![]() |
map3
|

「金結晶」の美しい輝き |
■那珂川町小砂2710
■☎0287・93・0703
■午前8時~午後5時 月曜休(祝日は営業)■P100台
![]() |
map4
|

松の木をふんだんに使った開放的な店内。「もりそば」(700円)と一緒に「天ぷら」(300円)を注文。風味とこしのあるそばをほおばっていると「はい、ここで作った梅ジュースどうぞ」と店のお母さん。ひんやりした爽やかな甘さが渇いた喉を潤します。クーラーはなくても、ここはまさに〝里山のオアシス〟です!
そば処 霧ヶ岳
■那珂川町小口507
■
☎0287・92・5072
■午前11時~午後3時(OS同2時半)■
月曜休(祝日の場合は翌日)
■
P50台
![]() |
map5
|


気持ちいい里山の風、棚田の風景。いよいよ、今回最も訪ねたかった場所、もうひとつの美術館に向かいます。
小さな木造校舎の中では、企画展「木々の生命(いのち)」(11月26日まで)がスタートしていました。4人の作家の独創的な作品に思わず「木がこんな風になるんだ!?」。木のぬくもりが漂う空間で見る作品の存在はぐんと近く、語りかけてくるようです。
「ハンディキャップがある人たちを受け入れられるような豊かな社会になってほしい」と梶原紀子館長は話します。

館長の梶原紀子さん
もうひとつの美術館
■那珂川町小口1181の2
■☎0287・92・8088
■午前10時~午後5時
■月曜休(祝日の場合は翌日)
■大人800円、大学生500円、
小中学・高校生・70歳以上・障害者・重度の人付き添い400円
■P20台

鑑賞後、カフェでアイスコーヒーを飲んでいると心地よい風が入ってきました。ずっとこの場所がありますように…。(K)
![]() |

1
2
3
4
5