「五月病」を考える

2017/5/24
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県カウンセリング協会理事長の丸山さんに聞く
五月病・原因と症状 正しく知ろう

 新緑が爽やかな季節とは裏腹に、よく耳にする「五月病」。なんとなくイメージできるけれど、具体的にどういった状況で起こり、どんな症状があるのか、対処法はあるのか。そこで、NPO法人栃木県カウンセリング協会理事長、県カウンセリングセンター代表・臨床心理士の丸山隆さんに一般的なケースや具体例などをお聞きしました。

丸山隆(まるやま・たかし) 足利市生まれ。早稲田大文学部心理学専修卒。NPO法人栃木県カウンセリング協会理事長、県カウンセリングセンター代表、下野新聞客員論説委員。著書「新 心晴れたりくもったり」(下野新聞社)など多数。


 
五月病とは

 新入学生や新社会人など、新しい生活や職場環境に適応できず、体や心の不調が現れます。特に、ゴールデンウイーク明けに起こることが多いことからこの名前が付けられました。医学的には「適応障害」という診断名です。 五月病は、基本的には〝心のエネルギー〟が落ちている状態です。適応には、その心のエネルギーがいるのです。 また、なりやすい性格があり、心身の不調もさまざまです。回復するには、個人差はありますが、多くは3カ月から1年かかります。 五月病は、一種の適応障害なので、新しい環境になじめません。うつ病と同じような症状にはなるけれど、心理的な要因、新しい環境をうまく自分に取り込めない状態です。 ▪あなたの性格は大丈夫? ・性格因…生真面目、仕事熱心、きちょうめん、完全壁、責任感が強い、凝り性、無趣味、秩序を重んじる ・背景要因…過剰反応(周囲を気にする)、自意識過剰、強迫心性(完璧主義)


 
原 因

 ・環境の変化…適応不安(仕事、家族関係、健康など)、対象喪失
  ・家族の問題…別れ
  ・パワハラやセクハラによる心身の消耗
  ・身体、心の疲労
  ・心の危機の状態(葛藤、フラストレーション、ストレス)

 
 症 状

おっくう感(無気力)、抑うつ状態(マイナスマイナスへと思考する)、不眠、自己否定感など

 
 対処法の例

・起床するとき、足首をストレッチ(グルグル10回回す)
・よく日光を浴びる ・考え方を変えてみる(いい加減の勧め) 「~ねばならない」→「~に越したことはない」「~だっていいじゃないか 人間だもの」(相田みつを)
・リラクゼーションの勧め…10秒呼吸法(ゆっくり吐く)
・仕事以外の人生を楽しむ ・気楽な仲間作り(みんなで愚痴を言う会など)
・悩みが続いたら…主治医、専門医、専門家へ
・家族、身近な者のすること…受診の勧め、励まさない(共感する気持ちで話を聞く)、責めない、「頑張ってきたんだね」など、ねぎらいの重要性。

県カウンセリングセンター

☎028・647・1717
(月~土曜、午前9時~午後5時)
ファクス028・649・1213(24時間)
※相談は予約制


五月病は、葛藤状態です。眠れないと心のエネルギーが落ちてきます。心が弱っているときに「頑張れ」はだめ。何よりもポイントは、相談できる先輩や同僚(仲間)を持つこと! そうした人間関係を早めに作れることがベストですね。必ず、助けてくれる誰かがいるはずです。
 
 五月病ケース

「こんなはずじゃなかった…」▪男性(当時22歳、県内在住)

初めての挫折… 県内進学校から、ストレートで都内有名大学へ入学。就職活動も順調で、県内の企業に内定。晴れて社会人としての第一歩を踏み出しました。 入社後は、慣れない環境の中で仕事に追われる日々。上司から「こんなことも知らないのか!」「まだ覚えられないのか!」と、強い口調で言われるばかり。これまで大きな挫折もなく進んできた自分の中に「こんなはずじゃなかったのに…」という思いばかりが募りました。 内向的な性格もあり、相談したり愚痴をこぼしたりする相手もおらず、自分を全否定されているような気持ちになり、すっかり自信をなくしてしまいました。 心が折れた連休 それでも、生真面目で完璧主義な性分。どうにか出社を続け、5月の連休を迎えると、それまで張っていた糸がぷっつり切れたように、心が折れてしまいました。 連休明けの朝、母が起こしに来てもなかなか起きられず、お腹もくだってしまい、遅刻ギリギリで出社すると上司にまた怒られました。 そんなことが1週間ほど続いたある日、会社の前までは来たものの、どうしても中に入ることができず、ついに会社を通り過ぎて、誰も知っている人がいない東北方面へと独り向かいました。 それから数日間、誰にも連絡せず、家族からの再三の着信にも出ず各地を転々としましたが、やはり心配かけていることに胸を痛め電話に出ることに。母からの「帰っておいで」の一言で、自宅に戻ることにしました。 退職し専門医へ それから会社を退職し、半年間何もすることができませんでした。カウンセリングを受けながら自分をしっかり休め、その後、別の会社で新たなスタートを切りました。

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