
梅雨真っただ中です。そしてその先は夏。この時季は何となく食が細ったり、麺類や冷たいものを取りがち。そんな時、スパイスの効いたカレーは食欲増進の“強い味方”。ところで、外国ではどんなカレーを食べているのか、気になりませんか? 県内に住む3人の外国人の方に、それぞれの国の特色あふれる、自慢のカレーを紹介してもらいました。

フィジー共和国出身で高根沢町在住のカラワレヴ・レオネ・グキレワさん(54)、グキレワ・サロテさん(54)夫妻によると「フィジーのカレーはインド風」と言います。かつてイギリスの植民地だったフィジーには、多くのインド人労働者が移民させられた歴史から、現在国民の40~45%がインド人とのことです。
よく食べるというカレーには、インドのスパイス・ジィーラ、ターメリック、ミートマサラのほかガーリック、ジンジャー、オニオン、チリパウダー、塩、オリーブオイルを使用。「ポテト、ニンジン、パンプキン、ナスは必ず入れます。決まりはないのでミックスビーンズなど好きなものを入れます。私はお肉よりも缶詰のツナを入れるのが好きです」とレオネさん。
サロテさんのツナ入りのカレーは、スパイスの香りが程よく漂い、なじみのある野菜の甘みとツナの風味がマッチしています。フィジーではタイ米を食べますが、今は「とてもおいしい」と笑顔を見せる日本のお米(ご飯)と一緒に食べています。

「日本のカレーはインドと違って、味も匂いも柔らかいです」と、昨年12月に日本に来たばかりのベロ・ルイパさん(38)。現在は那須塩原市にある「アジア学院」のスタッフとして働くベロさんの出身国、インド・ナガランド州の味を再現してもらいました。
「肉は1カ所だけでなく、色々な部位を食べることでおいしく食べられる」。村の長老からの言い伝えを守り、今回もチキンは、モモ、ササミ、手羽と3つの部位を使用。
スパイスは塩・ターメリック・チリパウダー(ナガランドでは世界一辛い「キングチリ」を入れます)・チキンマサラの4種類を振り、玉ねぎのスライス、油を注ぎ、よく手でもみ込みます。そのまま10分程度漬け込んだら、ジャガイモを入れ、鍋に火をかけます。日本との大きな違いは、水は一切使わずに、ふたをして、蒸して作る点。最後にコリアンダーを入れ、軽く火を通したら、「ベロ流チキン料理」の出来上がり。スパイスと肉のうま味が感じられる一品です。

日本に来て18年、現在は足利市内の小学校のEAA(英語活動協力員)として、活動しているアクタル・アメナさん(38)。
毎晩、夕食には肉、魚をカレーにした料理が並びます。肉料理は主に鶏肉と牛肉、魚料理は、故郷では海沿いに住んでいたのでいろいろな魚を食べていました。「イリシュ」という魚の人気が高いそうです。
基本のスパイスは、ターメリック、コリアンダー、クミン。ショウガとニンニク、玉ネギもたくさん入れます。卵料理も人気でゆで卵も必ず添えられます。
人を招いた時の料理ではレーズンやプラムを入れたり、玉ネギをじっくり炒めたブラウンオニオンを添えたりします。
米(AromaticRice)は、ベイリーフ、カルダモン、シナモンなどのスパイスを加え香りが立つまで炒めた後、沸騰したお湯を多めに入れ、さらに牛乳、塩、ローズウオーターを加えて炊きます。古いお米でもふっくらおいしく食べる知恵ですが、香りの良いご飯は家族みんな大好きです。