歴史が育む老舗ストリート
「遊々街めぐり」 日光・鉢石宿
ちょっと気になる街並みや通り、おしゃれなスポットなどをアスポリポーターが月1回紹介する「遊々街めぐり」。第1回は秋色に染まり始めた歴史と伝統の街、「日光・鉢石宿」へご案内します。

歴史と伝統の宝庫、そして老舗が軒を連ねる鉢石宿界隈。最近は街路灯、標識などに主な観光スポットへの距離などが書かれた「日光どこナビサイン」も設置され、より歩きやすくなりました。今回、日光老舗名店会事務局で湯沢屋7代目代表取締役の高村英幸さんに鉢石宿界隈の見どころを伺いました。
鉢石宿は、二社一寺のある日光山に近い方から「上鉢石」「中鉢石」「下鉢石」と呼びます。都が基準ではなく、あくまで日光山を基準としています。通りを少し入ると観音堂や教会など多くの歴史ある建築物が点在し、散策ルートとしても魅力的です。旧大名ホテルだった日光総合支所を見上げたら、隣の天台宗観音寺へ。鐘つき場からは宿場通りが一望できます。ほかにも、地名の由来ともなった市指定史跡「鉢石」や板垣退助や天海大僧正の像などがお薦めです。
通りにはお土産屋や日光彫などの多くの老舗が並びます。中でも日光湯波、日光羊羹、日光唐辛子は、輪王寺の供え物や天皇方への献上品としての歴史を誇ります。2005年には、それら日光ブランドの歴史と味を守ろうと日光老舗名店会が発足。現在、鉢石宿を中心に17店舗が登録、定番のお土産をはじめ老舗のコラボ商品なども生まれるなど伝統を守り、育てています。3月には「おひなさまめぐり」が行われるほか、不定期で日光マルシェが開催されるなど女性向けのイベントにも力を注いでいます。
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【高村さんお薦めスポット】
金谷ホテルベーカリー
上鉢石町、神橋近く。明治6年に開業した金谷ホテルのすぐ近くにある赤い小さなお店。同ホテルで提供される伝統のパンが購入できます。初代工場長の川津勝利さんが作るパンは、天皇陛下や歴代首相、チャップリン、アインシュタインをもうならせました。変わらないパンの味を求めて県内外の利用客でにぎわいます。
日光市上鉢石町1024(神橋バス停前)電話 0288・54・1180
営業時間 午前9時~午後6時 無休
落合商店
志そまきとうがらし

下鉢石町。日光山を目指し、ゆるやかな登り坂の途中にあります。レトロな看板が目印。修験者が体を温めるための耐寒食として愛用した「志そまきとうがらし」は、シソの葉を2年間塩漬けにしてとうがらしに1本1本丁寧に手で巻いています。ご飯にかけたり、お茶漬けや天ぷら、パスタなどに使える人気のお土産です。
日光市下鉢石938
電話 0288・54・2813
営業時間 午前9時~午後6時 不定休
生ゆば料理 ゆば亭ますだや
東武日光駅から徒歩8分。15日にリニューアルオープンした「生ゆば料理」をフルコースで楽しめる名店。メニューは和室コース5450円(要予約)と椅子席コース3990円の2つ。女性1人でもカウンター席で気軽に味わえる点が魅力です。湯波は伝統的老舗「海老屋」の湯波を使用。灯籠の看板が目印です。
日光市石屋町439
電話 0288・54・2151
営業時間 午前11時~午後3時 木曜休
日光老舗名店会
事務局・元祖日光饅頭 湯沢屋
電話 0288・54・0038
営業時間 午前8時~午後6時 不定休
http://www.nikko-shinisekai.com/map.html