
1948年生まれ。あいさつやマナー、基本的なことを第一に教えていきながら子どもたちとけがなく元気に遊べればいい。
柄木田啓子(からきた・けいこ) 左
1948年生まれ。子どもたちにとって「甘えること」ができる存在でありたい。 自分の孫のように、時に厳しく時に優しく接する。
斉藤純子(さいとう・すみこ) 右
1952年生まれ。母校のために役に立つことができればと思い参加。今後もできる限り続けて活動していきたい。
「ただいま帰りましたー」「お帰りなさい」学校が終わると同時に、子どもたちが次々とやってくるのは校舎に隣接したランチルーム。「地域の子どもは地域で見守ろう!」との思いに賛同したボランティアスタッフで、4年前に立ち上げた矢板市乙畑小学校の放課後子ども教室「乙畑ひまわりスクール」。
今回はその発起人であり代表の市村謙作さん(69)と役員スタッフの柄木田啓子さん、斎藤純子さんに立ち上げまでのいきさつや、スクールの運営、子どもたちに伝えていきたいことなどを聞きました。
●乙畑ひまわりスクール開設のいきさつを教えてください。
市村 乙畑小学校は小規模小学校の一つ。少子化の影響で児童の数が減り、存続すら難しい状況でした。「どうしたら児童の数を維持することができるか?」を、保護者にアンケートした結果、放課後子どもたちを預けられる施設が必要ということが明確になりました。「どこにもないような魅力的な子どもの居場所を作りたい」「母校をなくしたくない」「よしっ! 地域のみんなで子どもたちを見守ろう」と、地域の方の思いは同じでした。場所の確保、行政区の意見、さまざまな課題もありましたが、「全ては子どもたちのため」。その思いで取り組んできました。

●ひまわりスクールの状況を教えてください。
柄木田 開設当初は希望者13人の児童に対し、ボランティアスタッフが40人集まりました。4年経った今は、全校児童75人中、希望者全員の50人が利用している状況です。
スタッフも50人まで増えました。
同じようにボランティアのみで運営している学童との大きな違いは、平日の放課後だけでなく、夏休みなどの長期休暇も預けられることです。
仕事を持つ保護者にとって、いつでも安心して預けられる場所にしたかったのです。
●ひまわりスクールでの過ごし方、特徴的なものがあれば教えてください。
斎藤 普段は、宿題→おやつ→掃除→自由時間の流れです。スタッフは1日4人、日替わりで担当しています。平均年齢60歳のボランティアスタッフの中には、お習字の先生、工作が得意な方、お寺の住職さんもいます。それぞれの得意分野を生かした特別体験を教えてくれるのも他にはない魅力的な活動だと思います。


●子どもたちにどんなことを伝えていきたいですか?
市村 「一人遊び」が増える中で、ここは「相手」がいる空間。ひまわりスクールは勉強だけでなく、相手を思いやる気持ち、感謝の気持ち、先輩・後輩の上下関係、学校では学べないことを伝えていきたいです。
さまざまな経験の中で、子どもたちの心に残るような思い出を一緒に作っていきたいです。
柄木田 ここにいるみんなが「家族」のような存在。叱ることもあれば、褒めることも。家庭教育の延長線のような場所だと思っています。子どもたちに対する愛情も伝えられたらいいですね。
斎藤 全学年が一つの部屋で過ごす時間の中で、お互いに助け合う心を養い、人と上手に関われるコミュニケーションを育む場所であってほしいです。
●今後の課題、また抱負などはありますか?
市村 ひまわりスクールができたことで児童の数は以前に比べて確実に増えています。私たちスタッフも子どもたちの生き生きしいた姿を見るのが楽しみ。子どもたちからパワーや感動をもらっているような感じです。
今後は多くの希望者に対応できる場所の調整、後継者、スクールを通して地域の人々が密着できる街づくりにつながればうれしいです。
■(問)矢板市生涯学習課
☎0287・43・6218