
1988年、宇都宮市生まれ。高校卒業後、関東自動車に入社しバスガイドの道へ。現在、国内の個人旅行や団体旅行など、年間約180回のガイド業務を行うほか、後輩ガイドの指導・育成なども行う。趣味はショッピング。モットーは「自分らしく」。
9月20日は「バスの日」って知っていましたか? 1903(明治36)年のこの日、京都市で蒸気自動車を改造した日本初の乗合自動車が走ったのを記念し、制定されたそうです。
もうすぐ行楽の秋。県内を中心にさまざまなバスツアーを展開する関東バス旅行社や企業旅行、修学旅行などの貸し切りバスなどでバスガイドを務める関東自動車の神山博美さんに、仕事のやりがいや乗客に対する思いなどをお聞きしました。
おもてなしの心で●バスガイドを目指したきっかけは。
中学校の修学旅行で京都に行ったとき、バスガイドさんが「バス酔いしないおまじないの歌があるのを知っている?」と私たちに話しかけ、その瞬間それまで友達とおしゃべりしていた全員がその話に耳を傾けたんです。その時、「ガイドさんの人を引きつける力ってすごいなぁ」と思ったのを、今でもよく覚えています。
その後、高校の職業体験でバスガイド業務を体験していろいろな人と出会える魅力をあらためて感じ、さらに人見知りの自分を変えたいと思い目指すようになりました。
●普段はどんな仕事をしていますか。
ツアーのある日はバスの準備から始まります。車内の備品の確認や清掃など、朝から体力勝負です。
出発前には運転手や添乗員、他のガイドたちとツアースケジュールの打ち合わせなどを行って、乗客の皆さんをバスにご案内します。ツアー中は、観光案内はもちろん、車内サービスや時間調整、乗客の皆さんの体調管理なども担います。ツアー終了後は車内の清掃、点検、翌日の準備などをして、ようやく一日の業務が終わります。

ツアーがない日は、後輩の指導やツアー先の情報収集、また、会話のネタになるようニュースや流行しているアニメ、ドラマなどもチェックするようにしています。
●仕事の大変さ、やりがいを感じる時は。
ガイドをするにあたって、各地の最新スポットや名物、道路事情、歴史まで、常に情報を幅広く入れておかなくてはならないのが大変です。また、この仕事に「正解」はないので、その時の状況に合わせて臨機応変に対応する冷静さを持っていなくてはなりません。
やりがいを感じるのは、帰り際に「本当に楽しかったよ」「またお願いします」と言われたとき。バス旅行は、全員で行動を共にするので、ツアーが終わる頃には乗客の皆さんや乗務員の間に、家族のような絆が生まれているんですよ。

●楽しい旅行にするために工夫していることは。
子どもたちが乗車する時は、観光地に関するクイズを出題したり、風船を使ったゲームなどをしたりと、車内でも飽きずに過ごしてもらえるようにしています。年配の方だと、コミュニケーションを取ることを大切に、車内でカラオケを楽しむことも多いですね。リクエストがあれば、できるだけこたえるようにもしています。ちなみに私の十八番は「涙そうそう」「大阪ラプソディ」、デュエットで「居酒屋」も歌えますよ。
常に「ホスピタリティー(思いやり、心からのおもてなし)」の精神を大切に、乗客一人一人に目を向け、すてきな旅行の思い出づくりのお手伝いができるガイドになりたいです。そして、世界遺産の日光や2020年の東京オリンピックで日本を訪れる世界中の皆さんを楽しませられるよう、少しずつ英語も勉強していきたいと思っています。