Interview 真岡木綿会館織姫代表 花井恵子さん

2015/2/4
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県伝統工芸士花井恵子さん

 江戸時代には、「真岡」がそのまま木綿の代名詞として通用するほど、日本人に親しまれていた「真岡木綿」。一度途絶えたこの特産品の復興と観光拠点となっているのが真岡木綿会館です。ここには現在12人の織姫(おりこ)が在籍。織姫代表を務め後進の指導を行う傍ら県内の伝統工芸の作り手で組織する「とちぎの技委員会」に参加し、それぞれの枠を超えた商品開発に挑む県伝統工芸士の花井恵子さんにお話しをうかがいました。 

綿から糸、糸から布へ
技術、伝統、後世に伝える


花井恵子さん
花井恵子(はない・けいこ)
1954年、東京生まれ。88年真岡木綿機織技術者養成講座受講。92年同技術者認定、2005年県伝統工芸士の認定を受ける。08年真岡木綿会館織姫代表となり他2名の県伝統工芸士とともに織り、染色等の指導に従事する。
真岡木綿との出合いは
   生まれは東京の錦糸町です。主人の転勤で真岡に移り住みました。ちょうどその頃、真岡木綿の復活と織姫募集が始まったことを新聞で知り応募しました。自分で布が作れるという憧れがあったのと、「何か身につけたい」という思いで手を上げました。

仕事のやりがいは
   綿から糸になること自体が感動的です。織物業は分業が当たり前の中で、ここでは綿から糸に、糸から布にというすべての工程を行います。いろんな面で大変なこともありますが、これは真岡木綿でしか味わうことができないと思います。

真岡木綿の魅力とは
   機械で織った布は、洗えば洗うほど風合いが硬くなりますが、手紡ぎ、手織りの布は逆に柔らかくなる。使えば使うほど風合いが柔らかくなっていく。そのやさしさが好きですね。

昨年は結城紬とのコラボ織物が話題になりましたが、開発のきっかけを教えてください。
   県が2008年に行った「活かそう!とちぎの技事業」に参加したことが始まりです。この勉強会には県内の伝統工芸に携わる人たちが集まっていて、そこで知り合ったのが結城紬の染色をされている小山市の伝統工芸士大久保雅道さんでした。「お互いの糸で布ができたらいいね」という話から始まりました。

 昨年は真岡市制60周年ということもあり、真岡木綿ももっと新しいものを打ち出したい。県にも相談したところ「伝統工芸品産業競争力強化事業補助金」の対象となり、コラボ商品の開発へと動きだしました。

コラボ織物の特徴は
   経(たて)糸に結城紬で使用する絹糸、緯(よこ)糸に木綿の手紡ぎ糸を使っています。これは木綿の糸では撚りが甘く経糸にするには強度が弱いという理由からです。結城紬で使われる地機や糸を扱うノウハウがないため、今回は結城紬の関係者の方々に全面的なご協力を得て製作していただきました。

 結城の糸に負けてしまうのではないかという心配もありましたが、絹のシャリ感がありつつ、木綿の手紡ぎのポコポコとした表情も現れて思ったより柔らかく、ちょっと不思議な風合いに仕上がりました。

新たに取り組んでいることはありますか
   とちぎの技事業で出会った仲間たちとその後「とちぎの技委員会」を結成し、東京からデザイナーの講師を招き、月に1回木綿会館を会場にして商品開発のための勉強会を続けています。
巾着 「とちぎの技」が開発した新商品「華木綿」
   仲間だから好きなことを言い合って、みんなでアイデアを練るというかたちができたおかげで、既存の枠にとらわれないでもの作りができるようになりました。開発した商品は「U TOCHIGI DESIGN」のブランド名で東京ビッグサイトで開催される国際見本市「インテリアライフスタイル東京」などに出展しています。ここで生まれた真岡木綿の新商品が「華木綿」。生成りの地に草木染めの糸で花模様を織り込んだポーチや巾着、コースターを製作しています。

今後の抱負について
   2005年に県の伝統工芸士の認定を受けましたが、これをいただいたということは後継者を作ることが絶対だと思っています。特に真岡木綿会館は真岡木綿を継承することが役割でもありますので、ここで教わったすべてのものを次の人に残していきたい。そのためにも良い物を織ってもらうための環境も整えていきたいです。

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