「まねしよう」の心
会津若松を旅した時に、道端で小学低学年の女の子が4人、しゃがみこんで困った様子だった。「どうしたの」と声を掛けると、1人の子の足首に小さな切り傷ができていて、みんなで心配しているところだった。
私はまるでマジシャンのように素早く財布の中からガーゼ付きばんそうこうを取り出し、女の子の傷口にペタリと張ってあげた。
子どものころ、靴擦れで痛そうにしている女性に、通りがかりの人が、さっとガーゼ付きばんそうこうを渡して助けてあげていた光景を見て、子ども心に「僕もまねしよう」と、それ以来、常に財布に忍ばせていた。そして、ついに実行の日がやって来たというわけだ。
宇都宮市・かんぴょう