冬本番を迎え、寒さが厳しくなるとともに、一年の中でも最も乾燥する時期。手ごわい冬の乾燥から顔や手足はもちろん、体全体を守れたらいいですね。そこで、「食べる潤い」をテーマに体の中から潤す食材とレシピについて、那珂川町・小鮒農園のやさい料理研究家、国際中医薬膳師の小鮒千文さんに教えていただきました。

「この食材がスゴイんです」

 

今頃の時期は「冬の土用」と言って、寒さが極まり、風邪をひいたり、インフルエンザが流行するなど体調を崩しやすくなります。そんな冬の寒さや乾燥によい「潤い食材」は、旬のもの、気候・風土に合った食べものです。

 中でも、発酵食品の「みそ」は、体の中から潤してくれるお薦めの食材です。体に良質の血液がたっぷりあることが肌と髪に潤いを与えます。みその原料である大豆は「畑のお肉」と呼ばれ、良質なタンパク質を持ちます。それが発酵の力によって分解されているので、とても吸収がよいのです。みその効能には、胃腸をあたためる、解毒、二日酔い、高血圧、がん予防があります。

 潤いには、水分をたっぷり取ることも大切です。ですから、日本人の食事として昔から伝わるみそ汁は、手軽に潤いを補給できる優れた一品です。また、潤い食材であるゴマ、キクラゲは、潤いを閉じ込めてくれる働きがあります。

 小鮒千文(こぶな・ちふみ) 

福島県郡山市出身。20代で病を患い心の在り方が体に影響を及ぼすことに気付き、養生法を学び実践する。東日本大震災を機に農業の道へ。2015年、那珂川町に移住。農食一体を軸に、自治体向け産前産後養生事業やメディアへのレシピ提供。風土と命になじむ養生法を伝えている。国立北京中医日本校卒。国際中医薬膳師。

 

【寒さと乾燥によい潤い食材と効能】

みそ…胃腸をあたためる、解毒、二日酔い、高血圧、ガン予防

白ゴマ…皮膚の乾燥、全身を潤わす、便通をよくする

黒ゴマ…全身を潤す、貧血、便通をよくする、脱毛、白髪、老化予防

※ごまペースト、すりごま、ごま油どれもよい。

黒豆…老化予防、貧血、むくみ、腰痛、生理不順

黒キクラゲ…全身を潤す、貧血、涙目、便秘、痔、不正出血

レンコン…呼吸器を潤す、喉の渇き

山芋…疲労、咳、全身を潤す、消化促進、老化予防

落花生…咳、栄養不良、貧血、消化不良、便秘、母乳不足

ハチミツ…乾燥肌、咳、便秘、腹痛、疲労

生姜…風邪、吐き気、食欲不振、乗り物酔い、つわり

長ネギ…風邪、寒気、冷え

梅…腹痛、嘔吐(おうと)、感染性大腸炎、咳、疲労回復、消化促進、血行促進、老化予防

 

手軽に多様に「発酵食品」 小鮒さんに聞く汁物レシピ

潤い食材の中でも、代表格のみそを使い、小鮒さんオリジナルのお湯を注ぐだけの「みそ汁」とひと手間でできるスープを紹介してもらいます。

◆ゾクゾク寒気やおなかの冷え、風邪予防に「梅干しとショウガの即席薬膳みそ汁の素」(1人分)

 

❶おろしショウガ小さじ1/2、梅干し(種を取る)1個、みそ小さじ1(お好みで加減する)をおわんに入れよく混ぜ、湯を注いで完成。

※多めに作って清潔な瓶などに入れ、冷蔵庫で約1カ月保存可。

 

◆食欲不振や元気をつけたいときに「おろし山芋と刻みのりの即席薬膳みそ汁」(1人分)

 

❶おろし山芋大さじ2~3、刻みのり大さじ1、みそ小さじ1(お好みで加減する)をおわんに入れ、湯を注いで完成。

 

 

 

◆寒さと乾燥対策に「白ごまたっぷりタンタン風スープ」(4人分)

 

 

❶厚手の鍋に刻みショウガ小さじ2を入れから炒りし香りが出たら、鶏ひき肉200㌘に塩コショウ少々と酒大さじ1を加え白くなるまで炒める。

❷①にみそ大さじ4(お好みで加減)、刻み長ネギ1/2本、白ごまペースト大さじ6を入れよく混ぜる。

❸少しずつ水900㏄を入れひと煮立ちしたら、戻した黒キクラゲ8枚(他のキノコでも可)と葉物野菜(小松菜、白菜など)1/2束を加え中弱火で3分煮る。

❹仕上げにごま油小さじ1を入れ完成。

 

☆ポイント…気力を補うキノコ、潤いの白ごまを加えた優しい風味のタンタン風スープは、ショウガ入りで温め効果も高い。中華麺を加えればタンタン麺に。お好みでラー油をかけてどうぞ。

 

小山発 とちぎの健康食材「ハトムギ」

 

小山市はハトムギの生産量が全国トップクラス。ハトムギには新陳代謝の促進効果などがあり、肌の潤いを保つ作用があると言われています。同市にはハトムギに関する知識、料理方法などを習得した「はとむぎマイスター(男女18人)」がハトムギの普及を目指して効能や料理方法などを教える活動をしています。

「ハトムギは無味無臭でさまざまな料理に使えます。ぜひ多くの人に食べてほしい」とマイスターの武井康子さん=写真。 脱穀して皮を取り除いた子実(ヨクイニン)は料理用に「はとむぎ精白粒」、「はとむぎ精白粉」として道の駅思川で販売されています。

※ハトムギの精白粒は固いので調理前に30分以上浸水が必要です。

 

マイスターお勧め スープ&おやつレシピ

「美魔女スープ(ミネストローネ風はとむぎスープ)」5人分

 

【準備】①ハトムギ精白粒30㌘を洗って30分以上水に浸けておく。

②ベーコン2枚、ネギ1/2本は1㌢に切る。タマネギ小1個、ニンジン1/2本、セロリ10㌢、ジャガイモ1個は1㌢角に切る。トマト1個は皮を湯むきし1.5㌢角に切る。サヤインゲン20㌘は塩をまぶし色よくゆで1・5㌢に切る。

【作り方】①鍋にバター10㌘とオリーブ油大さじ1を入れて熱し、バターが溶けたらベーコンを炒め、タマネギ、ニンジン、セロリを加えて軽く炒める。

②①に水5カップ(ハトムギを浸けておいた水も合わせて)、固形スープの素1~2個、ハトムギを加え煮立てる。アクを除き中火で15分煮てジャガイモ、トマトを加えさらに15~20分煮る。

③塩小さじ1、コショウ少々で味を調え、サヤエンドウを散らして器に盛る。お好みで粉チーズやおろしにんにく、パセリなどを合わせてもよい。※野菜たっぷり、ビタミンC、B群(水溶性)も丸ごといただける。トマトのリコピン(活性酸素抑制)は加熱することで吸収力アップ。

 

「はとむぎ白玉」約18個

 

【作り方】①はとむぎ粉、白玉粉各50㌘を合わせ、水100㌘を徐々に加え、耳たぶくらいの柔らかさになるまでよくこねる。

②適量を手で丸め、沸騰したお湯に入れ、浮いてきたら約2分で引きあげ、冷水にとって冷やす。   

③器に白玉を盛り焙煎粉(ハトムギ粉適量をフライパンできな粉程度の色になるまで中火で煎る)と黒蜜(鍋に水100㍉㍑と黒砂糖60㌘を入れて溶かし、とろみがつくまでかき混ぜながら火にかける)をかける。

※子どもと一緒に楽しく作れる。冬はぜんざいもおすすめ。

 

※「冷凍保存方法」

濁りがなくなるまで水を変えながら洗ったハトムギとかぶるくらいの水を鍋に入れて30分程度浸けておく。鍋を火にかけ中火で10分、沸騰したら火を弱めて20分ほどゆでる。水が足りなくなりそうになったら少し足す。火を止めて、水分を吸わせながら粗熱が取れたらラップに小分けして包み、冷凍する。

 

(問)小山市農政課☎0285・22・9257。