航空・旅行アナリスト鳥海氏 宇都宮と日光共にPRを 観光地の魅力づくり提案

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)の7月例会が9日、宇都宮市内で開かれ、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗(とりうみこうたろう)氏(46)が「関西万博のインパクトと栃木県インバウンド(訪日客)観光の新潮流」と題して講演した。世界の観光地やグルメ写真を示しながら、生活にもたらす旅行の効果や観光地としての魅力づくりについて語った。

 大阪・関西万博について「当初は訪日客を狙っていたが、ふたを開けてみると来場者の8割は日本人」と解説。公式キャラクター「ミャクミャク」の人気が高く、土産の売り上げを含め「(経済的な)貢献度が計り知れない」とたたえた。

 県内の訪日客観光では「宇都宮と日光をセットにして売り出すべきだ」と提案。訪日外国人がJR鉄道フリーパスを多く利用していることに触れ、日光線の特急列車新設や、県内を通過する新函館北斗行きの新幹線「はやぶさ」の宇都宮駅停車の有用性を訴えた。

 首都圏と日光の途中に位置する宇都宮市内には「下車したくなる魅力が必要」とし、外資系高級ホテル、旅館の誘致や価格帯の低いグルメの増設を提案した。

 鳥海氏は千葉県出身。成城大卒業後、食品会社や城西国際大観光学部助手として勤務し、2005年から現職。13年から帝京大理工学部航空宇宙工学科非常勤講師を兼務している。

 講演後は納涼祭が開かれ、参加者約130人が親睦を深めた。