鉄道輸送に高まる期待 JR貨物の真貝会長 「24年問題」現状を説明

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の3月例会が26日、宇都宮市内で開かれ、日本物流団体連合会会長で、JR貨物代表取締役会長兼会長執行役員の真貝康一(しんがいこういち)氏(69)が「物流の革新と貨物鉄道輸送への期待」と題して講演した。

 真貝氏はトラック運転手の残業規制の強化で物流が滞る「2024年問題」について「局所的にトラックが見つからないことはあるが、荷主やトラック運送事業者の工夫で深刻な事態にはなっていない」と現状を説明した。

 一方で国内の労働力不足や都市部への人口集中などに触れ「今後もさまざまな対策に取り組んでいかないといけない」と指摘。新聞広告などを通して一般消費者にも2024年問題を知ってもらう活動を行っていることも紹介した。

 期待が高まる鉄道輸送に関しては「高い労働生産性や優れた環境特性がある」などと強みを強調。県内に事業所を構える農機具メーカーが、鉄道輸送で横浜港まで輸送した事例などを共有した。

 真貝氏は秋田県出身。1978年に東京大を卒業し、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。その後JR貨物に入り、18年に社長、22年から現職。