利上げ月内にも可能性 週刊エコノミスト岩崎編集長 「25年の経済」を語る

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の1月例会が17日、宇都宮市内で開かれ、毎日新聞出版「週刊エコノミスト」編集長の岩崎誠(いわさきまこと)氏(56)が「2025年の経済」と題して講演した。

 岩崎氏は25年の日本経済について、インバウンド(訪日客)や半導体、次世代太陽電池などのキーワードごとに説明。日銀による追加利上げに関しては「中立金利と比べるとまだまだ緩和的な状況」として、月内にも利上げが決定される可能性を指摘した。

 利上げの判断材料の一つとなる実質賃金については「プラスとして定着するのは夏以降になる見方が強い」と説明した。

 世界経済については、トランプ次期米大統領の就任により米国の財政が拡張的になる可能性や、中東情勢の緊迫化による原油価格の上振れリスクを指摘した。

 本県経済に関しては、民間シンクタンクの調査結果を基に1~3月期の製造業の業況見通しが5期連続でマイナスであることや、企業の人手不足などの課題を挙げた。岩崎氏は滋賀県出身。1992年に早稲田大を卒業し毎日新聞社に入社。経済部で財務省や日銀などを担当した。23年から現職。