「ジョギング 歩くように走るが第一歩」
無理ぜず体と相談を

日常生活で最も身近な運動の「ジョギング」−。安全に、無理なく走るための「心得」について、白鷗大学教育学部教授で同大陸上部「女子駅伝チーム」の竹島克己(たけしま・かつみ)監督(58)に聞きました。
【心得1】走る前にウオーキングで自分の体力を知る。
「普段ほとんど運動をしていない人が、急に走ると大きなけがにつながりかねません。ですから、自分の現在の体力をチェックするため、一日に1万歩~2万歩を目安に歩いてみることをお薦めします。1万歩を歩き通せないようであれば、すぐに走るのは難しいと思います。かなり体重が増えてしまって足腰や心臓に負担がかかっている人などは、しばらくウオーキングを続けて体力に自信が持ててから走る段階に移行すべきです」
【心得2】「歩くように走る」から始める。
「まずは、歩くのと同じスピードで走ってみてください。たとえスピードが一緒であっても、走るというのはジャンプ運動なので、歩くより足の筋肉にかかる負担が大きいし、明らかに心拍数も上がります。私もよく選手たちをスローペースで走らせますが、そうすることで毛細血管の発達を促し、全身の筋肉に酸素を供給できるようになっていきます」
「そうした手順を踏んだ後、自分の体力と相談しながら走るスピードや距離を決めればいいと思います。ただ、無理なくジョギングを続けるためには、1分間の心拍数が120を超えないようにしてください。それぐらいのペースであれば、個人のレベルに応じたスピードを維持できます。今は手軽に心拍数を測定できる機器もあるので、それらを利用するのもいいでしょう」
【心得3】走った直後にはウオーキングや体操を欠かさない。
「走り終わって急に休んでしまうと、酸素の供給が少なくなるため、体内に疲労物質が燃えカスのように残ります。これを防ぐには、走った後はしばらく歩いたり、体操を続けることで体内に酸素を供給し、疲労物質を全部燃やしてあげることが大切です」