栃木県では、「健康長寿日本一」をめざし、県民や団体、事業者などが健康づくりの意識を持って、それぞれのフィールドで、その特長・特性を活かして、主体的に健康づくり活動に取り組む「健康長寿とちぎづくり県民運動」を展開しています。
先月3日には、この県民運動の母体となる「健康長寿とちぎづくり県民会議」を設立しました。会議では、本県の健康課題の解決に向けて重点プロジェクトを設定し、共通の目的意識を持って県を挙げて健康づくり活動に取り組むことを確認しました。
- 《栃木県の状況》
- 栃木県民は、食塩摂取量が多い、一日あたりの歩数が少ない、中高年の男性の約4割、女性の約3割が肥満傾向にある、男性の喫煙率が高いなど多くの課題を抱えています。結果として、がんや脳卒中などの生活習慣病による死亡数が全国値より高い状況にあります。
- 《健康寿命とは》
- 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を「健康寿命」といいます。生涯にわたっていきいきと暮らすためには、この健康寿命を延ばしていくことが大切です。
- 《健康寿命を延ばすためには》
- 健康寿命を延ばすためには生活習慣病の原因を知ることはもちろん、運動習慣の定着や食生活の改善・禁煙の実践といった健康的な生活習慣を確立することが大切です。
- 《重点プロジェクトの推進》
- 県民の健康長寿を実現するため、本県の健康課題を踏まえ、各主体が全県一丸となって取り組む重点プロジェクトを推進しています。
当面は、「身体を動かすこと」と「脳卒中の初期症状に着目した啓発」の2つについて取り組みます。
栃木県の健康寿命 | 栃木県の平均寿命 | |||||||||
男性: | 70.73年 | 女性: | 74.86年 | 男性: | 79.06年 | 女性 | 85.66年 | |||
全国平均値 | 70.42年 | 全国平均値 | 73.62年 | 全国平均値 | 79.59年 | 全国平均値 | 86.35年 | |||
全国 | 第17位 | 全国 | 第5位 | 全国 | 第38位 | 全国 | 第46位 | |||
【H24年度健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究】 | 【H22年年齢調整死亡率】 | |||||||||
比較的長い | 短い |
●毎日身体を動かして、健康長寿を延ばしましょう
身体活動量が多いと、がんや脳卒中などの生活習慣病の発症リスクが低くなること、高齢者では、寝たきり予防の効果があることが知られています。
- 「気づく!」 身体を動かす機会や環境は、身の回りにたくさんあります。それが「いつなのか?」「どこなのか?」ご自分の生活を振り返って気づきましょう。
- 「始める!」 今より少しでも長く、少しでも元気に身体を動かすことが健康への第一歩です。今より10分多く身体を動かすことから始めましょう。
- 「達成する!」 一日の歩数の目標は、成人男性は9000歩以上、成人女性は8500歩以上、65歳以上の男性は7000歩以上、女性は6000歩以上です。こまめに動いて達成しましょう。
- 「つながる!」 一人でも多くの家族や仲間と身体を動かしましょう。一緒に行うと、楽しさや達成した喜びが一層増します。電話やメールだけでなく、顔を合わせたコミュニケーションを心がけると自然に身体も動きます。
体操着に着替えなくても大丈夫。
家族や仲間と一緒に健康づくりを楽しみましょう!

9月13日に宇都宮市内で開かれた「第7回健やか爽やか健康ウオーク」には10km、5kmの2コースに老若男女101人が参加、歩きながらの会話を満喫しつつ心地よい汗を流しました。
イベントを主催した「栃木県ウオーキング協会」(正会員、家族会員計約620人)の篠崎泉一郎理事(67)は「協会加入の理由で多いのは、やはり仲間づくりです。会社人間だった男性の場合、定年後に自宅に引きこもってしまうケースも多いので、手軽にできるウオーキングを地域社会に参加するためのきっかけにしてほしいと思います」と話します。
続けて「最初は5km歩くのも大変だと思うので、まずは無理せず、膝や腰に負担のかからない正しい歩き方で20~30分から始めてください。最も大切なことは、楽しく継続して健康寿命を延ばすことです」とアドバイスしてくれました。

下野市の大松山運動公園では、「大松山公園ラジオ体操同好会」のメンバーが毎朝、ラジオの伴奏に合わせて体操しています。雨や雪が降っても、元日でも原則休みなしで、多い時には約80人が参加。60歳以上が中心ですが、幼稚園児とその保護者も〝皆勤組〟です。毎日の参加者数や天候を克明に記録するなど会の事務仕事を一手に引き受けている小島恒夫代表(64)は「うちは不特定多数の人たちが参加するので会費も会則もありません。みんなで楽しくやれればいいし、ここに集まることが重要なんです」と説明します。
ラジオ体操が始まる前には、気の合う同士でグラウンドを歩いたり、世間話を楽しむ場面も。小島代表は「高齢者が外に出て仲間づくりをするのにラジオ体操は最適です。情報交換によって人生を楽しくできるし、見守りにもなると思います」と期待しています。