がん検診の積極受診を

2014/10/6
このエントリーをはてなブックマークに追加
小沼一郎 小沼内科 胃腸科クリニック院長
小沼一郎 小沼内科 胃腸科クリニック院長

 国内の死亡原因の約3割を占める「がん」から命を守り、健康寿命を延ばすためには、生活習慣の改善と、早期発見、早期治療につながる検診が欠かせません。小沼内科 胃腸科クリニック(那須塩原市)の小沼一郎院長に、がんの予防法や検診に関する最近のトピックスを聞きました。

発症リスク知る新健診も

—がん予防のためにどのような注意が必要でしょう。
   私の専門の胃がんでいえば、リスク要因として確実なのがピロリ菌と喫煙、ほぼ確実なのが塩分の過剰摂取です。ピロリ菌感染者は、そうでない人より発症率が3倍以上高まるとのデータがあります。今は内視鏡検査で萎縮性胃炎があればピロリ菌感染の有無を調べることや除菌に保険が利くようになっていますので、ぜひ早めに除菌してほしいと思います。

—胃がんもほかのがんと同様に検診受診率の低さが問題になっています。
   胃がん検診の全国の受診率は約10%にとどまっています。一般的な胃がんの検診は、バリウムを飲んで異常があった場合に内視鏡検査(精密検査)に移行します。しかし、微細ながんをバリウムで見つけるのは難しいという精度の問題や、レントゲンの台の上で回転しなければならない検査方法の問題などが受診率の低下につながっているとみられます。
   そうした中、ピロリ菌などに着目した新しい検診方法の「ABC検診」が登場しました。全国の自治体で導入しているのはまだ全体の10%程度ですが、今後広がっていくのは間違いありません。栃木県では、県内第1号の大田原市をはじめ、下野市、那須塩原市、矢板市、さくら市、佐野市、足利市などが導入しています。

—どのような検診法ですか。
   血液検査でピロリ菌感染の有無と胃粘膜委縮の程度を調べ、その結果を組み合わせて胃がん発症のリスクをA、B、Cに分類して評価する方法です。ピロリ菌がいるB群、C群の人は、内視鏡検査で胃がんになっていないかどうかを調べ、その上でピロリ菌を除菌します。その後は、毎年バリウム検査をする必要はありませんので、従来の検診と比べて費用対効果が高いというデータもあります。

—読者にメッセージをお願いします。
   今は早期発見、早期治療でほとんどのがんが治ります。ABC検診という効果的な検診もできたので、受診率が高まれば早期発見や予防につながります。また日常生活では禁煙、減塩に加えて果物や野菜をたくさん取ることを心がけてください。

こぬま・いちろう 1978年順天堂大学医学部卒業後、同大学勤務。千葉最成病院内科部長を経て、90年5月に開業。栃木県医師会常任理事。獨協医科大学臨床教授(地域医療)。日本消化器内視鏡学会専門医。日本消化管学会胃腸科専門医。日本医師会認定産業医。栃木県消化器病懇話会代表世話人。


インフォメーション
お問い合わせ

下野新聞社営業局

〒320-8686 宇都宮市昭和1-8-11

  • アスポ編集室
    電話:028-625-1241
    aspo@shimotsuke.co.jp
  • 営業部
    電話:028-625-1133
アスポとは

「Aspo」は下野新聞社が発行する生活情報紙です。「明日をポジティブに」との思いを込めてアスポと名付けました。下野新聞と一緒に県内約31万世帯にお届けしています。

  • Aspo毎週水曜発行

    「Aspo」は毎週水曜日発行。リポーター、エディターとも全員女性。ホットな話題や暮らしに役立つ情報、グルメ、ファッション、イベンントなどを女性の視点から発信しています。

  • Aspo健康特集

    「Aspo健康特集」は、県医師会や県などの協力の下、みなさんの健康的で充実した社会生活への指針となる情報を提供しています。年4回発行。

広告掲載のご案内
ページの先頭へ戻る