
たばこは、女性の体への影響が大きいと指摘されています

禁煙治療はどのように行っていますか
保険診療の場合は、3カ月間に5回の診察で治療を完了させるのがルールです。禁煙にはメンタル面が大きいので、医師や看護師のカウンセリングを通した支援が力になると思います。「たばこを吸うとストレス解消になるから」などと喫煙に価値感を持たせている人が多いのですが、それは単に依存性物質であるニコチンの作用に過ぎないことを認識してもらうのが第一歩です。たばこを1本吸って「頭がさえた」と感じても、その効果は10分程度しか続きません。ニコチンは30分もすれば完全に代謝されるので、また次の1本が欲しくなる。一時の快楽を得るために、発がん物質を含む多くの有害物質を全身に行き渡らせるという、大きな代償を払っていることを自覚してください。
読者にメッセージをお願いします
中国の大気汚染問題で「PM2・5」の有害性が指摘されていますが、実はたばこの煙もPM2・5の発生源なんです。喫煙の規制をしていない居酒屋などでは中国の屋外を大きく上回る数値になることもあります。ご自身とご家族などに健康被害が広がらないように、ぜひ家庭や職場で禁煙を推進してください。もりしま・まこと 1984年獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院の産婦人科などで勤務。99年森島医院副院長を経て2000年11月から現職。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医、母体保護法指定医。日本禁煙学会認定禁煙専門医、日本禁煙学会評議員。日本医師会認定産業医。