…ストーリーがありました。美しい風景がありました。
おいしい食べ物がありました。
そして温かい人々がいました
思い出をたどり、新しいスタートへ。
暮らしを彩る素晴らしい「とちぎ」を
もっとお伝えするために・・・。

美しい曲線、大好きな風景

「入郷石畑の棚田」(茂木)

(2022年6月22日付け企画「とちぎを見る」)

朝日を浴び、田ごとに輝く入郷石畑の棚田。今年も間もなくこんな風景が広がります
朝日を浴び、田ごとに輝く入郷石畑の棚田。今年も間もなくこんな風景が広がります

 耕して天に至る。まるで空へと続く階段のような「棚田」は、私の大好きな風景であり、思い出の場所です。
 季節ごとの風景美を見せる一方で、生産者の高齢化などから耕作放棄地になってしまうケースが増えています。そんな現実を知り、県内初のオーナー制度に取り組んだ茂木町入郷石畑の第1期棚田オーナーとして活動に参加。その体験は、ずっと大切な宝です。
 田植えの春から夏へと日に日に深まる緑。山あいに広がる田の一枚一枚を縁取るように土羽(どは)が描く曲線は美しく、農家の苦労と努力が育んだ棚田米のおいしさは格別なのです。

(K)

 

〝まぼろし〟に出合えて感激

「おしらじの滝」(矢板)

(2022年8月17日付企画「とちぎを見る」)

再訪して巡り合えた〝まぼろしの滝〟。神秘的な美しさに疲れも忘れ夢中でシャッターを切りました
再訪して巡り合えた〝まぼろしの滝〟。神秘的な美しさに疲れも忘れ夢中でシャッターを切りました

〝まぼろしの滝〟といわれている矢板市の「おしらじの滝」。普段はほとんど流れていません。梅雨時季や台風の後などの雨が多く降った後に滝を見ることができます。取材に行ったのは真夏の暑い日。一度目は残念ながら水が流れてなく、1週間後の午前中に再訪。前日の雨のおかげで水が流れていて、感動感激。美しく神秘的な滝を眺めたひとときは夏の良い思い出になりました。
 5〜6月には周辺でさまざまな種類のツツジが楽しめます。また、山の駅たかはらでは、名物「おしらじソフト」(500円)が味わえるのでぜひ。
 (問)山の駅たかはら☎0287・43・1515。

(t)

「山の駅たかはら」から那須塩原方面に2㌔の駐車場から遊歩道を下ります
「山の駅たかはら」から那須塩原方面に2㌔の駐車場から遊歩道を下ります
 

彫刻屋台の見た目に衝撃

「松月」(鹿沼)

(2022年1月5日付特集・もなか図鑑)

「屋台最中」は斜めからながめると、デフォルメされたかわいらしさが際立ちます
「屋台最中」は斜めからながめると、デフォルメされたかわいらしさが際立ちます

 県内各地のご当地もなかを集めた特集「もなか図鑑」。その土地の歴史、文化、自然をモチーフにした個性豊かな「もなか」をご紹介しました。
 中でも見た目も味わいもインパクト抜群だったのがユネスコ遺産登録「鹿沼秋まつり」の華麗な彫刻屋台をかたどった「元祖 屋台最中」(大450円、中220円、小110円)。
 3代目店主の葉山晃さん(55)は、店の創業から、2代目が「屋台最中」を考案するまでの話、東京神田にある和菓子店での修業時代の思い出、秋まつりにかける熱い思いまでを語ってくれました。
 店は市中心部、「まちの駅 新・鹿沼宿」の南側にあります。

(H)

■特集のフロントを飾ったのは香雲堂本店(足利)の「古印最中」。定番の重厚さが感じられます
■特集のフロントを飾ったのは香雲堂本店(足利)の「古印最中」。定番の重厚さが感じられます

時を忘れくつろいだ空間

「カフェブロッサム」

(2023年1月18日付特集・あつあつメニューのお店)

ゆったりとした時間が流れる「カフェ ブロッサム」。料理もさることながら、マスター相場さんの人柄やセンスがあふれる店も魅力です
ゆったりとした時間が流れる「カフェ ブロッサム」。料理もさることながら、マスター相場さんの人柄やセンスがあふれる店も魅力です

取材をしている中で、仕事であることを忘れてしまう、そんなことがよくあります。初めて出合うおいしさや興味深いエピソード、美しい風景など、たくさんの感動をいただいてきました。
 その中で特に印象的だったのが、佐野市飛駒町にある「カフェ ブロッサム」。マスターの相場勝夫さんが、亡き妻耀子さんと営んできたローストビーフの名店です。店のたたずまいや料理、そこに流れる時間までもが特別に感じられ、時と仕事を忘れてくつろいでしまいました。
 現在は土日祝日の営業で、予約するのがお勧めです。取材はチーズフォンデュでしたが「いつかローストビーフを食べに行くぞ!」。あの日からずっと思っています。

(K)

「カフェ ブロッサム」の外観
「カフェ ブロッサム」の外観
 

修理への熱い思い胸打つ

「上三川の時計屋 いのせ」

(2023年6月7日付特集・時の記念日)

店主の猪瀬敬司さん夫妻。現在も修理にいそしむ傍ら趣味のオーディオにも熱中しています
店主の猪瀬敬司さん夫妻。現在も修理にいそしむ傍ら趣味のオーディオにも熱中しています

取材に応じてくれた店主の猪瀬敬司さん(78)の言葉で、取材時最も印象に残ったのが「修理は文字通り『理を修める』。直すのではなく、元に戻す、という気持ちで修理しています」という言葉です。まっすぐな思いが心に響きました。掲載後は修理依頼など反響があったそう。

3年後に創業50周年を迎える同店。猪瀬さんは「修理をメインとし、できる限り店を続けていきたい。今後、人が集う場所にもしていきたい」と話し、「アルテックA7スピーカーや約1000枚のレコードがあるので、電話連絡の上、音楽を聞きに気軽に来てください」と呼び掛けています。

上三川町上三川4968。午前10時〜午後6時。木曜休。

(問)同店☎0285・56・7358。

(t)

ひと時、音色に耳傾けて

「栃木駅街かどピアノ」

(2023年6月21日付特集・ピアノストーリー)

2022年、県内初の駅ピアノとして栃木駅に常設されたグランドピアノ。「通勤通学や観光客など多くの人が行き交う広い南北連絡通路の中央で演奏するのは、かなり勇気がいるのでは」と思っていたら、自転車に乗ってふらりと現れた演奏者。
 元学校の先生という男性はとても気さくで、快く取材に応じてくださいました。仲間とビートルズのコピーバンドをやっていたそうで、人前での演奏もお手のもの。駅のコンコースにビートルズの「レット・イット・ビー」を心地よく響かせていました。
 電車を待つ間のひと時、ピアノが結ぶ一期一会の出会いが楽しめる場所です。

(H)

 

 

■特集でご紹介した街角ピアノ。人の行き交う場所との相性が良いのでしょう。駅の設置も人気です。写真は東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅構内の「弁当カフェこだま」。SLの転車台が目の前です
■特集でご紹介した街角ピアノ。人の行き交う場所との相性が良いのでしょう。駅の設置も人気です。写真は東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅構内の「弁当カフェこだま」。SLの転車台が目の前です