禁煙効果 時間と共に顕著

2015/5/28
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南栃木病院(小山市)の北村諭院長

 たばこは、発がん性物質など約200種類の有害物質を含んでおり、喫煙者のみならず、家族など非喫煙者の健康にも重大な影響を及ぼします。小山医師会の理事で喫煙問題対策委員長、日本禁煙学会監事を務める南栃木病院(小山市)の北村諭院長に喫煙をめぐる現状や受動喫煙の問題などについて話を聞きました。

受動喫煙防止が世界の潮流

 —喫煙をめぐる現状はいかがですか。

 最近は、禁煙するのは当然のことであり、他人の煙を吸うことで健康に悪影響を受ける受動喫煙の防止が全世界的な重要課題になっています。受動喫煙防止条例は既に世界35カ国以上で施行されており、特に先進的なブータンでは2004年からたばこの持ち込みや販売も禁じられています。日本での受動喫煙防止条例制定は、兵庫、神奈川のわずか2県にとどまり、完全に世界の潮流にとり残されています。特に栃木県の喫煙率は全国都道府県でワースト4位(2010年国民生活基礎調査)でもあり、現在、県内各地区医師会の連名で県知事に受動喫煙防止条例の制定を要望してます。

 —受動喫煙の影響はどのようなものですか。

 たばこの煙には、喫煙者が直接吸い込む「主流煙」と、火がついている部分から立ち上る「副流煙」があります。特にたばこのフィルターを通過していない副流煙は、主流煙よりニコチンやタールなどの有害物質の含量が3~4倍とされています。受動喫煙では主流煙と副流煙の両方を吸入しますから健康への影響は深刻です。成人では、肺がんや虚血性心疾患など、子どもでは呼吸器感染症や気管支ぜんそくなど、胎児では低出生体重児の出生や早産などのリスクが確実に上昇します。最近の研究によると、受動喫煙は短時間・低濃度でも、成人の心血管系に重大な悪影響を及ぼすことが明らかになっています。

 —禁煙したいと考えている人へのメッセージをお願いします。

 禁煙は、全身の多くのがんや脳卒中などの予防につながる有効な手段です。禁煙すると、約48時間後に失われていた匂いと味覚が復活し、約72時間後には肺活量が増えてきます。そして5年後には肺がんのリスクが半減するなど、その効果は時間の経過とともに顕著になります。禁煙は50歳代や60歳代からスタートしても決して遅過ぎることはありませんし、必ずやっただけの効果はあります。家族や周囲の人たちのためにも、ぜひ1日も早く禁煙にチャレンジしてください。

 北村 諭(きたむら・さとし) 1961年、東京大学医学部卒業。厚生省中央薬事審議会新薬調査会委員、東京大学医学部第三内科講師、自治医科大学呼吸器内科教授、文部省学術審議会専門委員、埼玉県立大学教授、医薬品調査機構顧問など歴任。2000年から南栃木病院院長。自治医科大学名誉教授。公益財団法人日本呼吸器財団理事長。禁煙専門医。ベルツ賞など受賞歴多数。

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