緑色に光るレモン彗星=12日午前4時19分、日光市所野(4秒間露光、北山さん撮影)
緑色に光るレモン彗星=12日午前4時19分、日光市所野(4秒間露光、北山さん撮影)

 米国のレモン天文台で新たに発見された長周期彗星(すいせい)「レモン彗星」の撮影に、県内の写真愛好家や天文愛好家らが相次いで成功した。
 下野写真協会会員の公務員北山建穂(きたやまたてほ)さん(50)=日光市足尾町上間藤=は12日未明、同市所野の霧降高原キスゲ平園地から、北東の空に輝く彗星を撮影。また、天文愛好家の片寄一男(かたよりかずお)さん(73)=宇都宮市西原2丁目=は10日未明、高校非常勤講師布野俊一(ふのとしかず)さん(75)=宇都宮市針ケ谷町=は17日未明、それぞれ自宅から彗星を捉えた。
 午前3時半ごろから撮影していた北山さんは「明るい月があったため肉眼では見えづらかったが、しっかりと緑色の光が写っていた。明け方に確認できる貴重な機会だったのでうれしい」と声を弾ませた。
 片寄さんは「天気が悪く撮影できない日が続いたので、撮影できた時は興奮しました」と喜んだ。布野さんは「彗星を見つけた瞬間、これだと思って夢中でシャッターを切った」と話した。

 コジマ子どもサイエンスパーク(県子ども総合科学館)によると、今後は4等級ほどの明るさになると予想されており、さらに明るくなった場合、空の暗い場所であれば肉眼でぼんやりと見られる可能性があるという。 
 同館天文課の担当者は「月明かりがなく、地球に最も近づく21日前後が撮影チャンス。日没後の早い時間帯に西の空に見ることができる」と話している。

夜空に輝くレモン彗星=10日午前4時6分、宇都宮市西原2丁目(赤道儀を使用し5分間露光、片寄さん撮影)
夜空に輝くレモン彗星=10日午前4時6分、宇都宮市西原2丁目(赤道儀を使用し5分間露光、片寄さん撮影)
布野さんが撮影した「レモン彗星」=17日午前4時39分、宇都宮市針ケ谷町(4秒間露光)
布野さんが撮影した「レモン彗星」=17日午前4時39分、宇都宮市針ケ谷町(4秒間露光)