
下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の12月例会が9日、宇都宮市内で開かれ、水泳飛び込み女子日本代表として2021年の東京五輪、今夏のパリ五輪に出場した榎本遼香(えのもとはるか)氏(28)=同市出身=が「2度のオリンピックが私に教えてくれたこと」と題して講演した。
新型コロナウイルス禍により無観客開催だった東京五輪から一転、満員の会場で演技を披露したパリ五輪を振り返り、「無観客で感じた『独りぼっち』という感覚はなく、サポートしてくださったみんなで戦うことができた。地元の声援は大きなパワーになった」と充実感を口にした。
10代前半で器械体操から転向した16年の競技人生は「決して順風満帆ではなかった」という。恩師との死別や自身の大病、伸び悩みなど多くの困難を経て出場した2度の五輪。「何度壁とぶつかっても乗り越えられる自信が持てた」と実感を込めた。
今後は現役を続けながら次世代の育成にも携わるといい、「経験と日環アリーナ栃木のすばらしい環境を生かして未来の選手をサポートする。大好きな地元、栃木県を飛び込み王国にしたい」と抱負を語った。
榎本氏は作新学院高、筑波大を卒業し、同大学院在学中。東京五輪は女子シンクロ板5位、個人板17位。パリ五輪は個人板18位。23年4月から栃木トヨタ所属選手として活動する。