沿線の持続的発展目指す 京浜急行電鉄 川俣社長 多極型まちづくり推進

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の11月例会が15日、宇都宮市内で開かれた。同市出身で京浜急行電鉄社長の川俣幸宏(かわまたゆきひろ)氏(60)が「沿線地域における価値共創への取り組み」と題して講演した。

 川俣氏は、人口減少の進行やリモートワークの定着といったライフスタイルの多様化などを踏まえ、同社が本年度から「移動」と「まち創造」の二つのプラットフォームの提供を事業の軸にしていると説明。「コミュニティーによる支え合うまちづくりを行い、沿線地域の持続的な発展を目指している」と強調した。

 具体的な活動として、各エリアで自治体や企業と連携して行っている地域マネジメント活動「ニューカルプロジェクト」を紹介。各地の特性に合わせた交流拠点をつくったり、駅からの交通利便性を高めようと乗り合いサービスの実証実験を行ったりしている事例を説明した。

 沿線地域を活性化させるための方策として、「都心とベッドタウンの二極構造ではなく、各地域で働いたり、遊んだり、住んだりできる多極型のまちづくりを進めていく」と述べた。

 川俣氏は宇都宮高、横浜市立大卒。1986年、同社に入社し、主にホテル事業に従事した。2022年4月から現職。