「目的あるから勝てる」 ラグビー元日本代表廣瀬氏 チームの意識改革指摘

 会員制組織「しもつけ21フォーラム」の7月例会が21日、宇都宮市内で開かれ、ラグビー元日本代表主将で、スポーツの普及などに取り組むHiRAKU(神奈川県)代表取締役の廣瀬俊朗(ひろせとしあき)氏(41)が「なんのために勝つのか」と題して講演した。

 廣瀬氏は「目的があるから勝てる」と切り出し、2012年から2年間、日本代表の主将として取り組んだチームづくりについて説明。「日本代表を憧れの存在にしたい。だから勝とう」という意識を全員で共有し、多国籍のチームメートの結束を深めるため皆で国歌を練習したり、自分の意見を言いやすいよう二人一組のメンター制度を導入したりしたことを紹介した。

 南アフリカに歴史的勝利を挙げた15年のラグビーワールドカップ。自身は試合に出場できなかったが、裏方として選手をサポートし、ファンの声援に応えた。帰国後、日本の盛り上がりを目の当たりにし、憧れの存在になれたことを実感したという。「(試合に出たいという)目標ではなく、(チームの)目的を追いかけることで自分の居場所や役割が増える」と説いた。

 廣瀬氏は大阪府出身。5歳からラグビーを始め、慶應義塾大、東芝でプレー。07年、日本代表に選出。16年に現役を引退し19年、HiRAKUを設立した。

 講演後、新型コロナウイルス禍で中止が続いていた納涼祭が4年ぶりに開かれ、出席会員約120人が親睦を深めた。