90分の時短勤務で、仕事も家事も
編集局地域報道部 → くらし文化部 → デジタル報道部
どのくらいの期間、休暇を取得しましたか?
11カ月半

下野新聞社での子育て支援についてどう思いますか?
休業期間や復帰後の働き方についてなど、総務人事部や上司との面談を重ね、細かく調整してもらった印象が強いです。思い返せば「状況によって希望が変わりそう」「ブランクがとにかく不安」と取り留めのない話をしてしまいましたが、その気持ちを受け止め、尊重してもらえたことが嬉しかったです。
育児と仕事の両立には、職場の理解やサポートが不可欠ということを痛感する毎日。子どもの体調不良などに伴う急な早退や休みが発生しますが、ありがたいことに、言い出しづらい雰囲気はそれほどありません。職業柄、少子化や労働問題に関する最新のニュースを目にしているので、助け合いの意識が醸成されているのではと思います。
給与面では、子ども育成手当が充実していて休業前と手取りがほとんど変わらず、助かっています。

産休・育休前後の働き方について教えてください
「産休まではいつも通りに仕事がしたい」という希望を叶えてもらいました。残業や出張を控えることはありましたが……産休に入ることを前日まで気付かない人もいたくらいでした。
復帰後は90分の時短を取っています。デジタル報道部は、社内では珍しいシフト制の部署ということもあり、融通を利かせてもらいました。日中勤務の「早番」「中番」の日は90分早く帰り、勤務時間が夜間にかかる「遅番」の日は90分遅く出社しています。遅番の出社前は、溜まった家事をまとめて片付けたり休息を取ったりする時間に充てています。
休業中は仕事のことを考える暇もなく、ブランクが何よりも心配でした。しかし、いざ職場のデスクに座ってみると、頭ではなく体が仕事を覚えていました。入社以来培ってきた経験は裏切らないなと思いました。もちろん、分からないことや忘れてしまったこともありましたが、「私は新人。今が第二の研修期間」くらいの心持ちで、上司や先輩だけでなく後輩にもどんどん質問し、勘を取り戻していきました。優しく心強い同僚に恵まれ、本当に感謝しています。
入社希望の方に向けてひと言
ハッキリ言って、決して楽な仕事ではありません。それでも、未来を生きる我が子のため、良い社会につながるように。いつか「この記事は母ちゃんが頑張って発信したんだぞ」と胸を張って言えるように。そんな気持ちがモチベーションの一つになっています。
社内には、子育てをしながらバリバリ活躍しているスーパーマンがいっぱいいます。その姿に励まされる一方で「私には真似できない」といじやけるときもあります。家庭環境もキャパシティも人それぞれ。ときには「しゃあんめ」と割り切り、自分の中で公私の折り合いをつけることが大切なのかなと思います。
新聞社の業務は幅広く、思わぬところで自分の趣味や特技に救われます。私の場合は「人よりちょっとだけSNSに触れている時間が長かった」「人よりちょっとだけ国語が得意だった」ということが、大いに役立っていると思います。X(旧Twitter)やLINEを活用した仕事が評価されたときや、大好きな「カワイイ文化」に関する取材ができたときは、心身の疲れも吹き飛ぶくらいの満足感がありました。
皆さんにとっても、家庭や趣味の輪とは違う居場所、自分の持ち味を生かせる仕事が、ここにきっとあるはずです。
