自転車が関係する交通事故の防止と被害者の保護、県民が安全で安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とした「栃木県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の施行から約半年。自転車利用者の安全やヘルメット着用などへの意識はどう変化しているのでしょうか。自転車専門店として県内に6店舗を構え幅広い自転車の楽しみ方を提案するカンセキ ネオ・サイクリスタを訪ね、サイクル部門バイヤーの平野誠さんに話を聞きました。
企画制作/下野新聞社 営業局
訪れたのは、カンセキ ネオ・サイクリスタ真岡店。さまざまな種類の自転車が並ぶ広い店内の一角に、自転車用ヘルメットのコーナーがありました。「4月以降、新聞などで自転車用ヘルメットの着用が努力義務となったことを知った方からの問い合わせが増加しています」と話す平野さん。着用者は確実に増加していると実感しているものの、自転車利用者全体から見れば「安全意識が高くヘルメットを必ず被るという人はまだ少数です」。ここ数年、高齢者や外見を気にする高校生に向けたデザイン性重視のヘルメットも増えてきています。同店ではヘルメットコーナーに全身が映る鏡を設置するなど、工夫を凝らして『かっこいいヘルメット』をアピール。スポーツタイプからキャップ型、ハット型など幅広いデザイン・カラーのヘルメットを陳列し、自転車購入者にヘルメット着用を積極的に呼びかけています。

▲ヘルメットの有用性を呼びかける平野さん
コロナ禍における自転車の利用傾向を伺うと、「特に小学生の自転車利用が増えています。スポーツや遊びの一つとして自転車に乗ることを楽しんでいる子どもたちに、ヘルメットで自分の身を守ることの大切さを伝える必要があります」。ヘルメット選びで大切なのは、自分に合ったサイズのものを、きちんと着用すること。古いヘルメットの場合は内側の緩衝材が劣化している可能性があるため、3年程度で新しいものと交換するのが理想的です。さらに平野さんは、「自転車条例にも明記されていますが、重要なのは自転車の点検・整備。ヘルメットについても異常がないか、しっかり頭部を守れることを確認することです」と、自転車整備の重要性を強調します。「自転車やヘルメットなどの装着品に不安がある場合は、気軽に専門店を訪ねて安全性をチェックしてほしい」と、専門家による定期的な点検・整備を推奨しています。
▲一見アウトドア用の帽子に見える、ハット型のヘルメット
