下野奨学会は、日本の将来を担う高校・高専生を応援しています。
公益財団法人下野奨学会
第66回下野奨学生の卒業作文集「さくら」から
公益財団法人下野奨学会は栃木県の優秀な人材育成に貢献するため、経済的に厳しい環境にある県内高校・高専生に3年間、奨学金を給付し、就学を支援しています。
2026年3月、県内高校を卒業した第66回下野奨学生23人の作文集「さくら」から、4人の作文を紹介します。
奨学生のプライバシーに配慮するため、氏名や卒業高校名を匿名にし、文章の一部も変えています。
VOL.1「高校生活の省察と将来の展望」
県央地区県立高校卒業生(男子)
私はこの三月、晴れて高校を卒業しました。私の高校三年間はあっという間に過ぎ去っていきました。入学当初の、毎日勉強漬けの日々を過ごすことになるのではないかとの心配は杞憂で、蓋を開けてみると一人一人が自分の興味関心に従って、部活動や趣味など自分の好きなものに没頭したり、学校行事の際は主体的に準備や運営にも参加したりと、全力で高校生活を楽しもうとしていました。一方で定期考査や校内模試の前はメリハリをもって学習を進め、優秀な成績を収める人も数多くいました。このような環境に恵まれたおかげで、私自身も自分の好きな分野の勉強や将棋部の活動、趣味のモータースポーツに没頭する、充実した高校生活を送ることができたと思います。
受験期に入ると、日頃から自分の好きなものに向けてきたエネルギーをすべて受験勉強に注ぎ込み、志を同じくする仲間と切磋琢磨しながら学力を高めていきました。結果として第一志望の大学に合格しただけでなく、学問の本質を追求し、人間的にも成長することができたと考えています。
進学後は、国際社会で通用する教養や英語力を身につけるとともに、経済学を専攻して経済の仕組みを学び、社会貢献に役立てたいと思います。また、学業以外にもサークル活動やアルバイトなどを通じ、人脈を形成したり多様な価値観に触れたりして視野を広げたいです。
最後になりますが、私が充実した高校生活を送れたのは、多くの方の奨学金によるご支援があってのことです。母が大病を患い不安が募る中でも、支えてくださる方がいるという安心感があり、以前と変わらず高校生活を楽しむことができました。ご支援いただき誠にありがとうございました。将来は私が自分と同じように経済的不安を抱える学生を支える側になれるよう、精一杯努力していきます。
VOL.2「三年間をふり返って」
県北地区県立高校卒業生(女子)
先日、卒業式を迎え、無事に高校生活を終えることができました。
高校生活での一番の思い出は部活動です。私は中学校から引き続き、吹奏楽部に所属しました。中学校とは異なり、生徒主体の部活であったため、自由に演奏会の計画を立てられたり、やりたい練習を組めたりなど、自由が利いて充実した活動ができた反面、部員同士のすれ違いや、自分たちの考えの甘さなども痛感し、自分たちで部をつくりあげていくという責任感と難しさも同時に学びました。しかし、楽しさも辛さも含めて全ての活動が本当に充実していて、一生の宝物です。
次に学習面。やはり部活動引退後の追い込み期はこれまでの人生で一番勉強をしました。部活の引退が遅く心配もありましたが、一、二年の時に確立した勉強習慣が生きて、スムーズに受験本気モードに切り替えることができて良かったです。ここで持続して勉強することがどれだけ大切か改めて実感することができました。
そして先日、大学の合格を頂き、無事大学に進学できることになりとても嬉しいです。本格的な自立と社会参画をすることになるため不安もありますが、高校三年間を通して知識的にも人間的にも大きく成長することができたので、それがこれからに繋がることを信じて前に進んでいきたいと思います。
最後に、三年間の奨学金のご支援誠にありがとうございました。経済面だけでなく、常に誰かが支えてくれていることが実感できて、それもまたひとつの大きな支えになることができました。この恩を忘れることなく、次は私が誰かを支えられるような大人になります。
VOL.3 「経験から得た将来の夢」
県南地区私立高校卒業生(女子)
卒業式当日は、大学の合否が分かっていない状態でむかえ、実感が湧いていませんでした。合格発表後の各種手続きや買い物などをしながら考えるのは、この三年間支えてくださった人たち、環境に恵まれ、自分のためになっていると実感できる経験ができたということ、そして、夢を見つけることができたということです。
私は三年間剣道部に所属しました。私のコースで週六日程活動する部活に参加する人が少ないことや、運動特待生として入学している人達に追いつけるのかという不安もありました。勉強との両立ができず涙した日も多くあった中で、それでも続けられたのは、同じ目標に向かう仲間や私の気持ちを認めて寄り添ってくださった先生方、日頃からサポートしてくれる母のおかげでした。辛いことの方が多かった剣道人生は、私の精神面を大きく成長させてくれました。受験勉強で弱気になったときの切り替えもはやくなり、前向きになることができるようになりました。そして、私は将来英語教師になりたいという夢を、高校生活を通して見つけました。
中学生の頃から「教師に向いている」と言われることが沢山あり、何となく視野に入れていた職業でした。しかし、剣道部の顧問の先生方が自身の行動で生徒を導く姿勢、英語の楽しさを教えてくださった先生のような、英語を通して生徒の可能性を広げたい、と強く思うようになりました。共通テストから二次試験までの期間ほど精神状態が不安定で、泣く回数が多かったことは人生でありませんでした。しかし、その中で第一志望の大学に合格できたのは、間違いなく自分がこれまで経験してきたこと、支えてくれた人がいたからです。すべての人々、環境への感謝を忘れず、謙虚に、誠実に、自分の夢に向かって努力を継続したいです。三年間、本当に沢山支援していただき、ありがとうございました。
VOL.4 「三年間を振り返って」
県央地区県立高校卒業生(男子)
あっという間の高校生活、達成出来なかったこともありましたが、自分なりに頑張った三年間だったと感じています。アトピーの悪化や身体の不調で辛い日もあり、思うようにいかないことが多かったですが、資格取得や部活に取り組み、中学の頃から続けているボランティアにも参加し、楽しく過ごすことが出来ました。
高校生活の中で特に取り組んだことは、プログラミングスクールでのプログラム開発です。班の仲間とともに「ドア閉め忘れ防止システム」を発案、開発しました。実習棟にある外との出入口の施錠忘れを防止するため、始めは施錠されると光や音を出す装置を作りましたが操作しづらかったため、赤外線センサーを導入し改善を図りました。これらの経験から課題の問題点の発見、解決力の大切さを学ぶことが出来ました。
大学進学を決めたのは、プログラマーになり社会で困っている人の支えになりたいと思ったからです。大学では研究を通してプログラミング言語などの知識や、論理的思考力を身に付けたいと思います。また、開発経験を積みながら知識を深め、最新技術や実践的なスキルを学び、問題発見、解決力を高め、社会に貢献できる技術者へ成長したいと考えています。そしてコミュニケーションを大切に、笑顔で楽しく生活できる世の中を目指し頑張ります。
これまで寄り添ってくれた家族、先生方や友人に感謝しています。また支えてくださった下野奨学会の皆様、ご支援ありがとうございました。
