見事なスクープだった。

 下野新聞の10日付1面トップを飾った「正造の書と写真発見 鉱毒事件研究に新史料」の記事だ。さくら市内の旧家で今夏、足尾銅山鉱毒事件の被災民救済に奔走した田中正造(たなかしょうぞう)の未発表の書と写真が発見された。今年で没後105年を迎える中、晩年の正造に関する貴重な史料としても注目される。

 報道の2日前、筆者のさくら支局長から「記事を出せそうだ」と事前に連絡があった。担当デスクとして「1面トップでいけるネタですね」と声を弾ませ、裏付け取材の段取りなどを詰めた。他社に気付かれる気配はないが、出稿されたその日のデスク会に報告し紙面化を急いだ。慎重さとともに、スピード感が「イキの良さ」にもつながる。

 「スクープ」の語源は、土などを掘り返すスコップだとされる。いまだ表に出ない事実をまさに「掘り起こす」という意味だ。正造の書と写真のような地域に隠れた「宝」は、ほかにも必ずあるに違いない。新聞の生命線であるスクープにこだわった紙面作りを、今後も続けていきたい。