カレーショップ フジの大橋店長と人気のカツカレー

昔ながらの喫茶店の雰囲気を残すカレーハウス ミニ・ボルツと、20倍まで辛さが選べるカレー

カレーショップ フジの大橋店長と人気のカツカレー 昔ながらの喫茶店の雰囲気を残すカレーハウス ミニ・ボルツと、20倍まで辛さが選べるカレー

 オリオン通り周辺を歩いていると、所々で目にするカレー専門店。老舗や新規店、欧風やインド系が混在し、街なかの食文化を支えている。宮っ子に愛されてきたカレー店から、昭和と平成を振り返る。

 大通りのほど近く、赤いゾウの看板が目印の店。池上町の「カレーハウス ミニ・ボルツ」は、辛さが選べる「◯倍カレーの元祖」として、一時代を築いた「ボルツ」の姉妹店だ。

 ■地道にアドバイス

 「今残るボルツのレシピは、プロの料理人と私が一緒に考えたものがベースになっているんですよ」。店長の佐藤節夫(さとうせつお)さん(70)は学生時代、ボルツの渋谷本店でアルバイトをしていた経験を生かし、1976年に店をオープンさせた。

 当時は珍しいインドカレーがベース。香辛料が効いた辛さは食べ慣れない人も多く、「半分も食べず、残す人がほとんどだったね」と当時を振り返る。なんとか、ボルツのカレーの良さを知ってもらおうと、豊富な薬味を使って味を変えたりマイルドにしたりする方法を、客に地道にアドバイスしていった。

 「自分で辛さが選べる」「辛さに挑戦する」というインパクトもあり、80年代前後にボルツブームが到来。「当時はSNSもない時代だけど、口コミはすごかった」と佐藤さん。休みや試験が終わった後には市内の高校生や大学生がどっと押し寄せたという。

 だが、時代の変遷で街なかの官庁や企業が減り、少子化で学生の数も激減した。「街なかに高校生がいなくなっちゃったな。喫茶やカレー、ファストフード店など、若者がたむろする店がたくさんあった時代が懐かしいなぁ」。長年の営業を通して、時代の移り変わりを肌で感じている。