日本霊長類学会や日本放射線影響学会など5学会は9日までに、放射線被ばくが野生動物に与える影響を調べる環境省の調査対象に、ニホンザルなどの中・大型哺乳類を新たに加えるよう求める要望書を原田義昭(はらだよしあき)環境相宛てに提出した。内堀雅雄(うちぼりまさお)福島県知事にも同様の要望書を送付した。

 同省は東京電力福島第1原発周辺を中心に野生動植物の被ばくの影響を調査しているが、中・大型の哺乳類は対象に入れていない。

 要望書は「人体への被ばくの影響を知るモデルとして重要」として、サルの調査の必要性を主張。原発事故被災地での研究成果を網羅的に閲覧できる仕組みの構築も求めた。提出後に記者会見した日本霊長類学会会長の中道正之(なかみちまさゆき)大阪大大学院教授は「組織だった形での長期的な研究が必要」などと訴えた。

 本県では出荷制限解除に向けてシカ肉とイノシシ肉の放射性物質モニタリングが続くが、サルに関する調査は行っていない。福島では一部研究者が自発的にサルへの影響を調べている。