稲作、漢字、仏教…。中国大陸などからの渡来人はさまざまな物を持ち込み、古代日本の文化形成に大きく貢献した。本県でも朝鮮半島からの渡来人がもたらした遺物が、各地の古墳から出土している▼翻って現代の本県はどうか。あまたの外国人が労働力というかけがえのない宝物を携えて渡来し、人手不足に悩む産業界の貴重な助っ人として活躍している▼県内在住の外国人は昨年末で約3万9千人と過去最多を数える。それでもなお深刻な労働力不足を解消しようと政府は、外国人労働者の受け入れを拡大する方針を打ち出した。外国人が今後、大幅に増えることは確実だ▼ごみ捨てのルールを守らない、夜間に騒ぐ-。言葉や文化の壁で地域住民とのあつれきが起きないよう、架け橋になろうと地道に活動を続ける人たちがいる。宇都宮市の清原地区国際交流会もその一つ▼内陸部では国内最大級の清原工業団地を抱えるこの地区には南米やベトナムなどからの外国人が多く住む。交流会は日本語会話教室を開いたり、ごみステーションに外国語の看板を掲げたり。来年で発足20年を迎える▼会長の阿久津容子(あくつようこ)さんは「手弁当で活動を続けるのは大変だけど、それを上回る元気がもらえるから」とやりがいを口にする。地域に密着した草の根の国際交流が県内全域に広がればいい。